野田秀樹作・野上絹代演出『カノン』上演 昨年コロナで中止になった作品がついにお披露目へ

2021.7.10

文・編集=QJWeb編集部


昨年3月にコロナの影響で中止になった公演『カノン』が、8月19日(木)から9月5日(日)まで、「東京芸術劇場 シアターイースト」にて上演される。

昨年の公演は劇場入りまでしながら中止に

この公演は、野田秀樹の戯曲に国内外の演出家が挑むシリーズ企画。東京芸術劇場では、2009年に野田秀樹が芸術監督に就任して以来、若い才能の育成に積極的に取り組んでおり、今回は劇団『快快』のメンバーとして活躍している野上絹代が『カノン』に挑む。野田は2015年、野上が演出する舞台を目にし、その才能に驚嘆。『カノン』を再演する運びとなったが、昨年劇場入りまでしながら、コロナの影響で中止になった。

『カノン』は、野上がかねてより取り組みたいと思っていた、あさま山荘事件を取り扱った物語。戯曲には、さまざまな思想と思惑の交錯、若者の焦燥と躍動が詰めこまれており、「自由」の意味を問い直す作品となっている。野田作品の特徴のひとつはフィジカルな表現。俳優たちは縦横無尽に舞台上を走り回り、その疾走感がスペクタクルに昇華する。

1年半ぶりに上演が叶う『カノン』について、野上は、

「『カノン』を初めて演出させていただいたのは5年前。座組みがほぼ学生という企画で、今“この時代”に若者が演じるならこの戯曲しかない、と上演し、この度再演することになりました。元号は令和になり、効率重視の“この時代”に、場に集いみんなで創る演劇なんて最高に“無駄”が多い。しかし、いったい誰にとっての効率か。私たちは今、いったい“何時代”に生きているのだろうか。恐れ多くも『カノン』をお借りして、今回は学生という制限はなく、“無駄”に“キボウ”を抱いてくれる俳優を募集します」(2019年の出演者募集コメントより)

と、述べている。2019年に行われたオーディションにはおよそ1200通の応募があり、主人公の「太郎」には中島広稀、盗賊団の御頭の「沙金」にはバンド「ゲスの極み乙女。」のドラムスで、ほな・いこかとしても活躍するさとうほなみ、太郎の弟役の「次郎」には小田龍哉を起用。渡辺いっけい、佐藤正宏らベテランが脇を固める。ネットでは、中止決定になる前に行われたリハーサル映像から抜粋したスポット動画も公開されている。


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