放火、暴動、殺人…北欧ブラックメタルバンドを描いた実録映画『ロード・オブ・カオス』が怖過ぎる
ノルウェーに実在するバンドに起きた出来事を描き、過激な描写によって映倫より「R18+」に指定された映画『ロード・オブ・カオス』が、3月26日 (金)から公開される。
嘘のような本当の話が立てつづけに起きる
この映画は、ブラック・メタルバンド「MAYHEM」の草創期にバンドの周辺で起きた出来事を、ノンフィクション『ロード・オブ・カオス ブラック・メタルの血塗られた歴史』を原作として描いた音楽ドラマだ。ブラック・メタルは、ヘビーメタルの中でもとりわけエクストリームな音楽性を持ち、超ハイスピードな曲調、金切り声、意図的な低音質などが特徴。また、黒魔術や悪魔崇拝、顔を白や黒で塗りたくる「コープスペイント(死化粧)」など、歌詞や風体まで、極めて独創的なスタイルを追求している。
同作は、MAYHEMのまわりに起きた、にわかには信じ難い猟奇的な出来事を描いたものだ。1980年代、“真のブラック・メタル”を追求するためにMAYHEMを結成したユーロニモス。ボーカルのデッドはライブ中にナイフで自身の身体を切り刻み、観客にその血をかけた上、豚の頭を投げるなどの行為を繰り返す。バンドは熱狂的にブラック・メタル・シーンに受け入れられるが、デッドはショットガンで自分の頭を打ち抜いて自殺する。
それを発見したユーロニモスは、親友の脳が飛び散る遺体の写真を撮り、それをアルバムのジャケット写真に使用。頭蓋骨の欠片を友人に送り、喧伝することでカリスマ化する。レコードショップ「ヘルヴェテ(地獄)」を根城に、“誰が一番邪悪か”を競うインナーサークルを作り、王として君臨。しかし、メンバーのヴァーグが起こした教会放火を契機に、主導権争いは熾烈化し、歯止めが効かなくなった果てに……。映画では、放火、暴動、複数の殺人事件まで引き起こし、社会問題に発展した一連の出来事が描かれている。ちなみにMAYHEMは現在も活動をつづけており、来日公演も実現している。
主人公のユーロニモスは、マコーレー・カルキンの実弟、ロリー・カルキンが演じ、ボーカルのデッドは、ヴァル・キルマーの息子のジャック・キルマーが演じた。監督は、ブラック・メタルの祖「バソリー(Bathory)」の元ドラマーで、ローリング・ストーンズ、マドンナ、ポール・マッカートニー、メタリカなどの MVを手がけてきたジョナス・アカーランドが務めた。
公開を前に、著名人からは、
「ファンには絶対に勧められない。観たら駄目だ。
今でもまだ、ゴムを噛んだ時のようなあの微妙な感じが残ってる。
でも、死ぬ前に思い出すのはこういう映画なのかもしれない。
あー、自分たちが何の変哲もない普通のバンドで良かった!」(クリープハイプ・尾崎世界観)
「この映画を、あまり観て欲しくないという気持ちもありますね。
メタラーは危険だって誤解されるかもしれないから」(マーティー・フリードマン)
「オレは何を観てしまったのか?ワビサビもない、哀愁もない、青春もない。
オレはポーザーで結構。スコーピオンズを聴きます!
なのに、なのにメイヘムを買っちゃったよ!!!バカヤロー!!」(ビビる大木)
「ブラック・メタル、詳しくなくて内容いろいろショッキングでした。
やっぱ、こうして後々、映画になっちゃうような、ファンじゃない人達もそれを観て衝撃受けるようなストーリーがロックには必要不可欠なんだと再確認出来ました。
改めて思いますが、僕らの生まれた国、ひたすら平和ですね」(清春)
といったコメントが寄せられている。また、映画公開に合わせ、原作となった『ロード・オブ・カオス ブラック・メタルの血塗られた歴史』は復刊が決定。タワーレコード新宿店ではパネル展も開催される。
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