【第3回】窪塚洋介 世界が変わる仕組み(2003年12月収録)

2020.1.15

取材・文=谷崎テトラ
2004年当時の窪塚 写真提供=アスマキナ


25年を超える『クイック・ジャパン』の歴史の中でも衝撃を呼んだ記事のひとつに数えられる、2003年の師走に行われた窪塚洋介ロングインタビュー。彼がよく発していた「ポジティブ・チューニング」という言葉は話題になり、その思考は議論を呼び多くの若者に影響を与えた。産業用ヘンプの有用性、「自分のために」ということが「地球のために」へいつか繋がるという話など、深くてユニークな環境問題について語ったインタビュー第3弾!

【第2回】窪塚洋介 「環境=神様」なんです(2003年12月収録)


ひとりひとりが責任を持った瞬間に世界は変わる-大麻、環境について

――「大麻(※1)は素晴らしい」ということを著作『PIECES OF PEACE』(講談社刊)で言われてますよね。そこで使われている「大麻」とはドラッグじゃなくて、いわゆる産業用ヘンプ(※2)の話なんだけれども。例えば今、日本すべての休憩地に大麻を植えたら、その大麻が吸収するガスだけで日本の温暖化ガスがチャラになるくらい、二酸化炭素を吸収してくれる。

窪塚 うん。ヨーロッパの12%の平野に麻を植えると、それで全世帯の紙が全部まかなえる。木を1本も切らなくて済む。ヘンプだったら1年に2回刈り取りができるから、その分で木にしたり建物の建材になったりもするし。2万5000種類ぐらいの製品が作れるんですよ。ヘンプ・プラスチックというのが今出てきて、土に還るプラスチックなんです。それから、ガソリンの換わりに麻の油(ヘンプ・オイル)で車が走るんですよ。

――バイオ・ディーゼル(※3)ですね。ヨーロッパでは既にそうなってきている。

窪塚 エンジンのシステムもそのままでいいんだって。ただ、ガソリンをそれに換えるだけ。今は原価が高いんだけど、もっとみんなが知って、生産量が増えることで需要と供給のバランスが取れたら、ガソリンより多分安くなる(※4)あとバナナ(※5)も、茎と普段は使わない部分で紙を作ることができる。それが木材紙の換わりになる。それの紙、バナナの匂いするらしいんだよね。

――聞いたことあるなあ。フェアトレード(※6)で世界中で分かち合えるといいね。

窪塚 それもやっぱり人と人とのつながりだと思うからさ。モチベーションがカネだった時とモチベーションがハートの時で全然違うと思う。「フェアトレード」という言葉自体がおかしいじゃないですか。そういう言い方をしなきゃいけないぐらい、トレードがフェアじゃないってことなんだよね。あとはやっぱり「リサイクル」がすごいポイントだろうなと。

――うん、リサイクルだけじゃなくて、リユースとリフューズとか(※7)。なるべく環境に負荷がかからないライフスタイルに移行していく。

窪塚 けっこうそれはやってる人もいるよね。1回使ったボトルにウーロン茶入れるとか。あと、割り箸を使わないマイ箸運動(※8)とか。割り箸って1年でひとり200膳、日本で1年に200億膳使うんだって。で、世界で切ってる木の1/4が日本に来てるらしいんですよ。マイ箸をみんながやったら、それだけで、それだけの森を切んなくていい。どれぐらいの大きさの森なのかちょっと分かんないけど。

――タスマニアでは、空からナパーム弾落として、森を焼いているらしいよ(※9)

窪塚 まーじーでー?

――太い木を切って、残りを焼け野原にするんだよ。その後にまた植林をするんだけど、植林をする時にうさぎとかねずみを食べちゃわないように毒薬をまず撒くんだって。で、そこのうさぎとねずみとかを全部殺してから植林やる。そこで作られたパルプは100%、日本の企業向けなんだって。オーストラリアの森林団体が言ってきてるね。

窪塚 今までも当然そういう声はあったんだろうけど、今はそれを同じテーブルに乗せることでより強くなってきてると思う。やっぱり多くの人がそのことを知って感じることで、どんどん変わってくると思うんですよ。こないださ、九州行った時、セヴァン・スズキ(※10)さんの公演を聞きに行ったんだ。

――世界の環境保護運動家のなかではすごく有名な女性ですよね。素晴らしい、九州まで行ったんだ。

窪塚 素晴らしい公演でした。セヴァン・スズキさんって、今から12年前、1992年6月、ブラジル、リオ・デ・ジャネイロで行われた「地球サミット」(※11)当時、12歳の少女にして、伝説的なスピーチをした人なんです。そのスピーチがものすごく感動的で、涙が出てくるようなすごくいいスピーチで。その人がもう大人になってるんですよ。俺の1個上ぐらい。そこで彼女と話して、またすごくいいリンクができたんですよ。

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