「コロナ騒動」1カ月 見えてきた人間の「業」(中川淳一郎)

2020.3.4
nakagawajunichiro

文=中川淳一郎 編集=谷地森 創


SNS時代にあって、災害、感染症など有事のたびに問題になるのが、デマ、フェイクニュースだ。新型コロナウイルス関連の話題がネットを席巻するなか、不安に駆られた人々による「買い占め」などの混乱も起きている。

いまだ収束の糸口が見えない「コロナ騒動」、ネットニュース編集者の中川淳一郎さんは「この1カ月で世の中はずいぶん変わってしまった」と述べる。

続出するデマ、フェイク、陰謀説…

新型コロナウイルス関連の話題がネットを席巻しているが、このたび、品不足になっているのはマスクである。つづいてトイレットペーパーも品不足となっているそうだ。「トイレットペーパーがマスクと同じ材料のため品薄になる」といったデマがネットで蔓延(まんえん)したことも影響しているという。

こうした有事の際、ネットの一部情報は本当に役に立たない。いたずらに不安を煽ったり、過度な消費行動を招いたりする。私が編集しているサイトにも、数々の陰謀論が読者から寄せられており「この件の裏側には中国による○○といった策があり、これによって世界が危機に陥っているのです!」といった説も。

東日本大震災のときも真偽不明の情報が飛び交い、パニック状態となる人々が続出した。今回も同様の事態になっているといえよう。
1月末以降、ネット上の話題はコロナに完全にもっていかれた感がある。その他のニュースのPVが激減しており、正直、私のようにストレートニュースを出すわけではないウェブサイトの運営者は厳しい状況にある。

なぜトイレットペーパーを買い求めるのか?

さて、トイレットペーパー品切れの元祖は1973年のオイルショックである。あの時は石油価格の上昇とトイレットペーパーの原料不足の関連性が取りざたされ、人々がトイレットペーパーを買い漁った。東日本大震災のときもなぜかトイレットペーパーが品切れとなる事態になったが、ネット上では、「なんで有事の際にトイレットペーパーをみんな欲しがるの?」といった声があった。

それに対し、「有事の際はうんこがたくさん出るのです」との書き込みがあったことを思い出す。もちろんこれは冗談ではあるものの、今回のコロナ騒動でも「巣ごもり消費」が取りざたされており、トイレットペーパーに加え、カップラーメンやレトルト食品が売れに売れているという。

次のページ:著名人も信じたデマ「コロナウイルスはお湯で死滅」

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中川淳一郎

(なかがわ・じゅんいちろう)ネットニュース編集者。1973年東京都出身。1997年博報堂入社、CC局(現PR戦略局)配属。2001年退社。以後無職、ライター、雑誌編集者などを経て現在はウェブメディア中心の編集者に。ひたすらネット上の珍騒動や事件を毎日テキストファイルに記録する生活を長年つづけている。

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