文芸記者の発言が変「韓国文学の邦訳に、女性作家が多いのはなぜか」なんて男性作家だったら言わなくない?(書評家・豊崎由美)

2021.10.6
豊崎由美サムネ

文=豊崎由美 編集=アライユキコ


どこの国の小説だろうが、誰が書いたものだろうが、素晴らしいと思った小説なら、どこの国の作品だって、どんな人間が書いたものだって、紹介するんです、だって書評家ですから! 豊崎由美がネットの蒙昧な書き込みに怒る。さあ、読め!

コメント欄を廃止したほうがいいです

10月1日、Yahoo!ニュース コメント投稿数が急増しました。その中には、不適切な内容も散見されたため、記事ページやコメント欄などに注意書きを追加し、ユーザーのみなさまへのご協力をお願いするとともに、パトロールを強化しています

『Yahoo!JAPANニュース』「ユーザーのみなさまへのお願い ―コメントの投稿にあたって―」(2021.10.02)

眞子内親王の結婚が発表され、実は心労のため複雑性PTSDで苦しんでいたことを明らかにする記事のコメント欄に、読むと目が腐るような酷いコメントが溢れかえったのを受けて、慌ててこんな声明を出した『Yahoo!ニュース』に「ふーん、皇室絡みだと対応するのね」と呆れた方は多かったのではないでしょうか。遅いってんですよ。ずーーーっと前から、ヤフコメには差別と偏見と嫌がらせの文言がズラズラズラーーーッと並んでたんですから。もうね、これがいい機会。潮時。コメント欄を廃止したほうがいいです。

わたしも先月ここで韓国現代文学を代表する作家のひとり、チョ・セヒの『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)を紹介したら、ヤフコメ欄は「なんで韓国の小説なんか紹介するんだ」と嫌韓の輩どもの蒙昧な書き込みが溢れ、苦笑いを浮かべたことではありました。わたしはね、書評家なんですよ。自分が素晴らしいと思った小説なら、どこの国の作品だって、どんな人間が書いたものだって、紹介するんですよ。「なんで」とか訊くんじゃねえよ。『こびとが打ち上げた小さなボール』、読んでみろよ。読んで、偏見にこりかたまった脳みそをほぐしてもらえよ。

「韓国文学の邦訳って、女性作家が多いですよね」

この記事の画像(全6枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

関連記事

豊崎由美サムネ

「Uber Eats」の配達員に嫌味なツイートをした糸井重里に、韓国文学の傑作を読んでほしい(書評家・豊崎由美)

豊崎由美サムネ

権力作家、ドル箱作家、面倒臭い作家の批判はしない、させない。それが出版界の暗黙の圧力と忖度です

松本人志「俺はごめん、払いたくはない」発言、杉田水脈ツイートを「脂肪の塊」で考える

エバース

「ウケるからやるは『M-1』では失敗する」。3位だったエバースは2026年、自分の感覚を信じる【よしもと漫才劇場10周年企画】

豪快キャプテン×ダイタク

ダイタク×豪快キャプテン、認め合うお互いの漫才の魅力「簡単そうに笑いを取る」【よしもと漫才劇場10周年企画】

三遊間×ゼロカラン

三遊間×ゼロカラン、人気投票との向き合い方の正解は?「やっぱり有名にならなあかんな」【よしもと漫才劇場10周年企画】

Furui Rihoが『Letters』で綴った“最後の希望”「どんなにつらい日々であっても、愛は忘れたくない」

Furui Rihoが『Letters』で綴った“最後の希望”「どんなにつらい日々であっても、愛は忘れたくない」

EXILE NAOTOが語る、「勝負する身体」がステージと水面で魅せる“攻めの0.1秒”。大きな影響を与えるオーディエンスのパワーとは【『SG第40回グランプリ』特別企画】

4年目の今、重荷だった「王子様」を堂々と名乗れる。Last Princeが語る、プリンスを背負う勇気と楽しさ

甲斐田晴/ローレン・イロアス/3SKMの撮り下ろし表紙を公開! VTuberのトップランナーたちを徹底解剖【春のQJ×にじさんじ祭り!】

ニューヨーク『Quick Japan』vol.181

ニューヨーク、60ページ総力特集「普通は勝てない?」を考える。バックカバーにはSHUNTO×MANATO×RYUHEI(BE:FIRST)が登場【Quick Japan vol.182コンテンツ紹介】