ぱいぱいでか美「有吉さんは本当に優しい」雰囲気のいい戦場『有吉の壁』から感じる尊さ

でか美ちゃん

ぱいぱいでか美が「テレビから聞こえてきた金言」について考える連載、第3回。今回は『有吉の壁』(日本テレビ)2時間スペシャルより。

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ぱいぱいでか美、「Zoom実況」にハマる

コロナ禍になってからハマっている遊びがある。

「Zoom飲み」が爆発的に流行った去年。流行り切ったあとにしゃべることもなくなり、お酒を飲みたい気分もすっかり減ってしまい、でも誰かとなんとなく会ったような気分になりたいときに気づいた。実は会話も酒ももはや必要ないんだよな、ということ。

そこで辿り着いたのが「Zoom実況」だった。

Zoom実況とは、友達とビデオ通話をつないでただ同じバラエティ番組を観る、それだけの遊び。

実況とは名ばかりで、お互いの顔を映して(というか正直顔を映す必要もないので全然通常の通話でもよくて)おもしろいときに笑う、それだけ。

テレビを観て「やば!」「マジでやばい(笑)」……ただこれだけのやりとりで、なんとなく同じ空間を共有できた気持ちになれるのだ。

このZoom実況に最適な番組が『有吉の壁』だ。

次々に登場する芸人たちが有吉弘行さん相手にボケてボケてボケまくる。「オモロ~やば~」と言っている間にすぐ次の芸人がやってくる。

気づけばエンディングで、「今週も秒で終わった」「マジそれ。安村さんマジ好き」「わかる~最近ひるちゃん好き」「私も~」と語り合う。

家庭ですらお茶の間に集まってテレビを観ることが減った昨今、わざわざビデオ通話でつながってまで同じテレビ番組を観ている。でも、しなくてもいいような会話こそ必要で、癒やされるものなのだと、ここ1年で痛感した。

Zoom実況、1年経ってもまだ楽しい。おすすめです。

雰囲気のいい戦場『有吉の壁』から聞こえた金言

さて、今回はそんな最高の楽しみを毎週与えてくれる『有吉の壁』から。

2021年8月25日オンエア回は2時間スペシャル! うれしー!

「夏休み特別企画!修学旅行 in 箱根」と題し、旅のしおりに沿ってさまざまな“壁”が芸人に与えられる。

クイック・ジャパン vol.153
『クイック・ジャパン』vol.153 表紙

『有吉の壁』は戦場のような場所だと、ラジオなんかでも口にしている出演者が多い。しかし観ている限りは、ちょっと異様なくらい雰囲気がいいな~と思う。

「雰囲気のいい戦場」。一見ちぐはぐのようだが『有吉の壁』を表すのにしっくりくる。

ネタに点数をつけられるわけもなく、ただ有吉さんからの「○」を求め、時に連帯して挑む姿がそう感じさせるのだろうか。

2時間スペシャル最初の企画は、お土産屋さん全面協力で行われたモノボケ選手権。

1200点以上ある商品を使って続々とモノボケする壁芸人たち。“ミスター壁”こと、とにかく明るい安村さんがいつもの調子でゆるめの(でもめちゃおもしろい)ボケをかますと、有吉さんがひと言。

「気軽に寄ってってくださいね~」

こんくらいでいい、こんくらいでいいんですよ、と繰り返す有吉さん。

次から次へとモノボケに挑戦する芸人たち。そして安村さんが“ミスター壁”なら、“裏ミスター壁”と言ってもいいほどの活躍っぷりのパンサー向井さんには容赦なく「×」を突きつける。

「雰囲気のいい戦場」たる所以がこの何気ないひと言に詰まっているんだなぁ。有吉さんのアメとムチに見せかけた、時にはムチとムチのような采配、時たま見せるあいなぷぅに対するシンプルなアメ。

戦場かもしれない。でも、とにかく挑戦する場を与える愛情の深さよ。

【修学旅行その後】スペシャル反省会を覗き見【有吉の壁】

挑戦する側は口が裂けても「気軽に」なんて言えないかもしれないけど、その間口の広さと、有吉さんの受け止め力とスタンスは、まさに「気軽に寄ってって」という言葉に表れていると思う。

ほかでもない、有吉さんの口からそれが発せられていることに意味がある。

隣でずっと笑ってくれている佐藤栞里さんの安心感も最高だ。『壁』を観ていると栞里さんのことめちゃくちゃ好きになりますよね……。


『内村プロデュース』を彷彿とさせる変幻自在な座組

『有吉の壁』にはたくさんの企画がある。

この日もモノボケ選手権に始まり、絶品懐石争奪大喜利や、チョコプラ(チョコレートプラネット)の持ち込みで新企画も行われた。この日は放送されなかったが、一般人の壁、ブレイク芸人の壁など、人気企画もたくさんある。

どれにも共通して言えるのが、ボケやネタに対して有吉さんが「○」と「×」を出すという単純なシステムが、よりいっそう芸人たちの挑戦をおもしろく、奥深い笑いへと導いている。

「×」を出されても結局「○」をもらうよりもおもしろくなっている人もいる。追い込めば追い込むほどおもしろみが増す人には、その手を止めない有吉さん。「バカだねぇ」と言いながらも心底楽しそうだ。

Zoom実況をしながら観ていると、誰よりも大きく笑う有吉さんがまるでこちら側にいるような気持ちにさえなる。だから友達と一緒に観てももちろん楽しいし、ひとりで観ていても有吉さんと栞里さんがこちら側にいてくれる。いつ観ても『壁』は楽しいのだ。

有吉の壁
『有吉の壁』を特集した『クイック・ジャパン』vol.153より

何も考えずに笑える番組でもあるけれど、いつの間にか『有吉の壁』でしか観ることのできない関係性やお決まりのくだりがたくさんあって、もはや尊さのようなものすら感じ始めている。

水場を見るとパンサーの尾形(貴弘)さんが出てくるのではないかと期待してしまうし、遠くにトム・ブラウンのシルエットがあれば「今日はどのマンガをオマージュしてくれるんだろう?」とワクワクする。

フワちゃんかと思えば絶対にシソンヌのじろうさんだし、インポッシブルは今日もどこかで派手に死んでいる。また空気階段の(水川)かたまりさんがきつねに拉致されている。

このすべての行動原理が「有吉さんの笑顔が見たい」なの、あまりにも素晴らしくないですか?

絶対的なチームのリーダーを中心に組まれた変幻自在な座組。しばしば並べて語られることも多いが、大好きだった番組『内村プロデュース』(テレビ朝日)を思い出さずにはいられないのだ。実際、『内P』をオマージュしたような企画も『有吉の壁』にはある。

そして、そんな『内P』で若手芸人として体を張りまくり、笑いをかっさらっていたのが、ほかでもない有吉さんなのだ。

そう考えると、クラスの女子はみんな『あいのり』(フジテレビ)にハマっていたのに『内P』を欠かさず観ていたような小6女子だった私が、有吉さんのことが大好きで、『有吉の壁』も大好きなのは当たり前のことだろう。

ちなみに初めて買ったCDもポケビ(ポケットビスケッツ)なので、内村さん的な人がすごく好きなのかもしれない。

「気軽に寄ってってくださいね~」

この話はまた別の機会にどこかで書くかもしれないが、有吉さんとはお仕事でお会いする機会もあり、優しい人だなぁとしょっちゅう思ってしまう。もしかしたら営業妨害みたいな発言かもしれないけど。でも本当に優しいなと思うから仕方ない!

環境も番組も関係性も違うけど、私もやっぱり有吉さんをめちゃくちゃ信頼して、伸び伸びやらせてもらっている。

有吉さんがいる。ただそれだけで、委ねるようにボケることができる環境が当然のものとしてでき上がっているのだろう。

「気軽に寄ってってくださいね~」

お土産屋さんでサラッと出たこのひと言に、有吉さんの思いやりを感じずにはいられなかった。

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