「テレビ離れ」から考えるアニメの近未来「バズらせて知ってもらう」では通用しなくなる(藤津亮太)

2021.6.3


アニメがなくなることはないけど

このようにこれからの10年間でテレビとアニメの関係はまた大きく変化せざるを得ないだろう。ただ、一方でテレビ局が「放送ビジネス」から「コンテンツビジネス」へと舵を切っていくという流れもあり、アニメは現時点でもすでにテレビ局に放送外収入をもたらす存在としてポジションを築いているので、テレビ局がコンテンツメーカー/コンテンツホルダーとして生き延びようとすればするほど、アニメがなくなるということもまた考えにくいのである。

一方でアニメ業界そのものの活況は、海外配信サービスへの番組販売の売り上げが支えている。この状況がいつまでつづくかは不明ではあるが、作品の売り先がいろいろ拡大する状況で、アニメ業界がテレビ業界との協業にどういうメリットを見つけていくか。
「国民生活時間調査」のグラフを見ていると、そんなふうに今後10年間のアニメ業界の注目点がよりクリアに浮かんでくるのだった。


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藤津亮太

(ふじつ・りょうた)アニメ評論家。新聞記者、週刊誌編集を経て、2000年よりアニメ関係の執筆を始める。『アニメの門V』(『アニメ!アニメ!』)、『主人公の条件』(『アニメハック』)、『アニメとゲームの≒』(『Gamer』)といった連載のほか雑誌、Blu-rayブックレット、パンフレットなども多数手が..

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