「テレビ離れ」から考えるアニメの近未来「バズらせて知ってもらう」では通用しなくなる(藤津亮太)

2021.6.3
藤津亮太サムネ

文=藤津亮太 編集=アライユキコ 


「テレビ離れ」検証で大切なのは、世代別の動向を追うことである。過去のデータも参照しながら、10年後の未来をスライドさせて予測する。現在、テレビ視聴とインターネット利用の率が拮抗している30代が、40代になる未来はどうなっているのだろう、業界が今やるべきことは? アニメ評論家・藤津亮太が考える。


世代別テレビ視聴率、インターネット利用率

5月25日、NHK放送文化研究所による「国民生活時間調査」が発表され、テレビ離れの傾向がくっきりと示された結果が話題を呼んだ。テレビ離れのトレンドはもはや驚くほどのことでもないと思うが、テレビ視聴とインターネット利用を対比したグラフはなかなか興味深かった。

自分は専門のメディア研究者ではないので、こういうデータを見るときは“つかみ”で大まかな傾向を読むことに傾注する。そして自分が読み取ったものを「仮説」として持つことで、さまざまな事象(僕の場合はアニメビジネス寄りの話題)に触れたときにどこを見るべきか、何を取材するべきかクリアになるからだ。そしてその取材を通じて得た情報で「仮説」そのものを修正していく。今回はそんな「ざっくりとした仮説」の話である。

今回興味深かったグラフはちなみにこのようなものだった(2020年「国民生活時間調査 結果概要」より引用)。

「2020年「国民生活時間調査 結果概要」より引用
2020年「国民生活時間調査 結果概要」より引用

平日の中で「テレビを見た人(15分以上を視聴として集計)」と「インターネットを利用した人(「趣味・娯楽でインターネットやSNSを見る・使う」「インターネットで動画を見る」の合計)」がその年代の中でどれぐらいの割合いるのかを表したものだ。

このグラフで興味深いのは30代でテレビ視聴が63%、インターネット利用62%でほぼ拮抗している点だ。
10年前の2010年「国民生活時間調査」では、平日のインターネット利用は20代が32%、30代が33%で、全世代を見渡したときの“山”はここにある。このとき、20代のテレビ視聴は78%、30代のテレビ視聴は80%となっている。
そして5年前の2015年の調査では20代が39%で最も多く、30代は32%である。このときは30代よりも10代が多く36%。テレビ視聴については、20代が62%で全世代で最も少なく、30代は69%で下から2番目となっている。

最も接触時間の長いマスメディアは、インターネット


この記事の画像(全3枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

藤津亮太

Written by

藤津亮太

(ふじつ・りょうた)アニメ評論家。新聞記者、週刊誌編集を経て、2000年よりアニメ関係の執筆を始める。『アニメの門V』(『アニメ!アニメ!』)、『主人公の条件』(『アニメハック』)、『アニメとゲームの≒』(『Gamer』)といった連載のほか雑誌、Blu-rayブックレット、パンフレットなども多数手が..

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太