ゲームとしてはおもしろいのに見せ方が難しいゲーム
一方で、ゲームとしてはおもしろいのに地上波では見せ方が難しいゲームもあります。
たとえば『マリオカート』。
断っておきますが、私は『マリオカート』は初代からすべてプレイしていますし(『マリオカート8』はWii U版もSwitch版も所有)、そのおもしろさは私が熱弁するまでもなく折り紙つき。老若男女が遊べる、世界中で愛されている大ヒットレースゲームです。
かつて『ゲームセンターCX』でも有野課長が挑戦し、持ち前の下手さ加減(真骨頂ともいう)で大いに盛り上がりました。ここでいう“見せ方が難しい”というのは、あくまでも「地上波の番組」の「対戦企画」としてとお考えください。
なぜなのか?
難しい点1「ふたつの主観が同時進行」
『マリオカート』を複数人でプレイする場合、人数分だけ画面が分割されます。ふたり対戦なら左右2画面にセパレート。そこに、それぞれの主観のレース映像が同時に映し出されます。自分がプレイヤーの場合、基本は自分が走っている片方の画面しか観ません。ですが、テレビの視聴者となると観るべき画面がふたつに。業界的にいう「目線が散る」わけです。
それでも経験者であれば、どんな状況かを理解できると思いますが、ゲームに疎い人にとってみると、コースの全体像もわからないなかで、今どっちの画面を観ればよいのか? どれくらいの距離があるのか? など、頭の中が大渋滞してしまいがち。
難しい点2「特殊アイテムによる突発的な展開」
『マリオカート』には、コース上で獲得できる「一発逆転のアイテム」が存在します。これこそが他のレースゲームとは一線を画す『マリオカート』最大の魅力であり、アイテムひとつでレース展開がガラリと変わります。最下位から一気にトップも夢ではない、非常によくできたシステムです。
ところが、こちらも未経験者にとっては、アイテムにどんな効果があるのか説明を受けないままだと、「なんかキャラが小さくなったけど、何が起こったの?」「いきなり爆発して逆転されたけど、なんで?」など突発的に変わる展開についていけないことも(レース展開が早いためアイテムの説明をしているヒマがないのもあります)。現実のレースやリアルを追求した他のレースゲームでは起こり得ない急展開だからこそ、ある程度アイテム知識が求められるのです。
難しい点3「レース時間と臨場感」
『マリオカート』のレースではコースを5周するのですが、経験上ダイジェストになりがちです。それでも盛り上がることもありますし、レース内容は伝わるのですが、すごく大雑把に言えば、同じプロ野球の試合でも「生中継」と「スポーツニュース内でのダイジェスト映像」では温度差があるように、「プレイヤーとして味わうあの興奮を視聴者に伝え切れてないんじゃないか」という忸怩たる思いがあります。
くどいようですが、尺を気にせず、興味ある人が能動的に観にくるYouTubeなどのフォーマットにおいて『マリオカート』は人気コンテンツですし、かつて宇多田ヒカルさんが『テトリス』をプレイして話題になったように、圧倒的なスターがプレイするだけで成立する場合も。
もっというと私の放送作家としての実力がまだまだ足りない……より『マリオカート』の魅力が伝えられるよう、精進いたします。なので『マリオカート』を愛する皆様、どうか大目に見てください(ちなみに私が好きなのはGAMECUBEのダブルダッシュ! リメイクして~!)。
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