「盛れている自分」と「盛れていない自分」の認識
ふぶ君がメイクを始めたのは実は去年のことで、コロナウイルス感染症に伴う自粛期間中のおうち時間を活用して、ずっと興味があったメイクを始めたそう。
ふぶ「高校生になったら、卒業するまでに絶対にメイクしようって決めてたんです。YouTubeで、尊敬するやっぴ先生の動画や、『あくにゃんちゃんねる!』を観て、メイクのやり方を勉強しました」
今の若者の情報収集源はSNSがメインですが、その中でもYouTubeはハウツーや過程を知るために活用されており、メイクやファッションの着こなし、ヘアスタイルのセット方法など、さまざまなカテゴリにおいて参考にされています。
ふぶ「コスメに関する情報は、女子の友達から教えてもらってます。新しくアイライナーが欲しいんだけど、おすすめある?みたいな」
“メイクをしている男子”と聞くと、ひと昔前だと好奇の目に晒されることもあったかもしれないけれど、このように変化したのにはどんな理由があるのでしょうか。このヒントは、彼らのスマホの中にあります。
ふぶ「今日久々にノー加工の内カメ(内カメラの略)で自分の顔見て『うわっやべえ……』ってなってます……。自分の顔を見て髪直すときも、UlikeとかSNOWを使うんです」
『Ulike(ユーライク)』や『SNOW(スノウ)』はカメラアプリで、みんなでわいわい楽しめるおもしろい写真フィルターだけでなく、肌のトーンや顔や目の大きさを自分の理想に変えられる機能もあり、若者のスマホには欠かさず入っているアプリです。
ふぶ「女子も男子もスマホにカメラアプリ入っているのが当たり前で、みんなで写真を撮ったときに、男女関係なく“あ、これ盛れてない”っていう話をしてます」
メイクはまだまだメジャーではないものの、カメラアプリで肌や顔の加工が当たり前になっている彼らが、自分の写真写りを気にするのは当然のこと。カメラアプリの普及によって写真で“盛る”という概念が日常的になり、男女問わず 「盛れている自分」と「盛れていない自分」を認識できる機会が増えたことも、若者男子の美意識の高まりにつながっているように感じます。
ちなみに、ふぶ君が今使っているメイクアイテムはこちら。
ふぶ「お休みの日はフルメイク、学校に行くときも下地とアイシャドーとハイライトは付けていて、ナメクジ(涙袋のことらしい)をコンシーラーで作ってます! 休みの日にプリ撮るときはバチバチに盛るけど、普段はいろんな人と会うからバレないぐらいにするようにしてます」
最近は、ドラッグストアやデパコスブランド(百貨店で販売される比較的高級なコスメブランド)、D2Cブランド(メーカーが自社ECサイトで消費者に直接販売するブランド)も含めて、メンズ向けやユニセックス展開の増加や、就活生を対象としたメンズメイクのオンライン体験イベントも開催されるなど、トライしやすい環境も増えています。
ふぶ「最近気になってるのは、LAKAのコスメ。韓国のユニセックスのブランドで、友達におすすめしてもらいました。メンズ用コスメを持ってないので、試してみたいです!」
コスメを選ぶときもそれほど男性向け・女性向けも気にしていない印象ですが、「自分のために作られている」という感覚が、ハードルを下げるきっかけにもなりそうです。
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