1月7日、首都圏の1都3県(東京、埼玉、千葉、神奈川)に緊急事態宣言が出された。その日の感染者は日本全国で7000人を超えた。刻々と報じられ、映し出される感染者急増のグラフ、医療逼迫を示す数値……。恐怖と理論的に対峙するボードゲームをゲーム作家・米光一成がプレイする。
目次
『シン・ゴジラ』的シミュレーション
新型コロナウイルス対策のゲームをプレイした。
タイトルは『Operations Research for COVID-19』、製作はジブセイルゲームズ。
ガチなシミュレーションだ。
プレイヤーは、感染症対策本部実務幹事。マニュアルにはこう書いてある。
〈映画『シン・ゴジラ』に登場する「巨大不明生物特設災害対策本部」(巨災対)実務局長を務めた矢口蘭堂のCOVID-19版といえるでしょう〉。

新規感染者数の増減はサイコロで決まる
プレイはひとりで行う。
「医療関連情報把握シート」と「経済指標&対策予算管理シート」を拡げる。
カウンター(小さなチップ)を、各指定場所に置く。
ゲームは、2020年2月第3週から始まる。現実の世界では「新型コロナウイルス感染症対策専門家会議」の初会合が行われたころ(2020年2月16日)。
1ターンは1週間。プレイヤーは、入国規制や営業自粛要請、景気支援施策、緊急事態宣言を発出したり、予算フェイズで補正予算を割り当てたりする。
新規感染者数の増減はサイコロで決まる。サイコロの目によって、感染者数が目盛りひとつ分減ったり、ふたつ分増えたりする。

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