なみちえが語る、ALIの魅力と「MUZIK CITY」制作秘話

2020.9.19
なみちえ

「ずっと憧れだった」と語るALIのシングル音源に客演として参加したなみちえ。ALIというバンドの特異さや、配信ライブのリハーサルで感じた興奮、「MUZIK CITY」の制作秘話を語る。


モノクロで鮮やかな世界観

「えっ、あのALIからオファーが!?」。 届いたメールにふたつ返事で依頼を引き受け、客演として参加することになったのが9月2日に配信を開始した「MUZIK CITY」である。

今年6月に再始動したバンド:ALI(ALIEN LIBERTY INTERNATIONALの略である)。彼らについては以前からYouTubeなどでよく観ていたから知っていて、音源やMVを含め、ビジュアライズや音楽性など、多角的にどこから見てもかっこよくてずっと憧れだった。

とりわけ、私と同じミックスルーツを持つメンバーたちが芸術を営んでいるところに親近感や興味がずっとあった。その表現の在り方が、自分たちの生きる術までをも独創的に獲得しているように見えて。モノクロで統一された世界観のなかで彩られる音楽性は、とても鮮やかで華やかだと感じる。

ALI – Wild Side(Music Video)

テレビアニメ『BEASTARS』のOPになっている「Wild Side」が特に好きだ。アニメの世界観やメッセージとの親和性もあって、曲のよさが最大限まで高められていると思う。

同じミックスルーツの人たちと音楽で感覚を共有

なみちえ

『-JUNGLE LOVE-(part.1)[LIVE & RECORDING]』という配信ライブが8月23日(日)にあり、それに客演するためにリハーサルに参加した際、ALIのメンバー全員と初対面しました(なんとライブの3日前!)。

自分自身がこのバンドのファンだったから、生演奏でのリハーサル中はずっと興奮気味で楽しんでいました。というか興奮より先に緊張だったかな。

私はメインの活動がソロなので、久しぶりに大人数で作るグルーヴにまずは圧倒されていて、聴いているうちに段々とそこになじみたい、追いつきたいと思い始めていました。全員と話してみてわかったのは、彼らはとにかく気さくでよい人たちだってこと。MVとはまた違った姿が見られてうれしかった。

好きな曲:「STAYING IN THE GROOVE」

バンドサウンドが織りなす音の奥行きも素晴らしいけど、クラシカルな部分と新しさが調和しているところも愛聴している理由のひとつ。

私のようなソロの表現では“個性”が求められることが多いし、そこを追求してもいる。でも、このバンドに参加するなかで私が思った「このバンドになじみたいなぁ~」という感情はけっして今までの自身の活動と矛盾しているとは思ってなくて、新たな“個人性”を獲得できる機会だったんじゃないかなと思っている。

また、これだけ大勢のミックスルーツの人たちと音楽活動をするのは初めてだったので、彼らと私の間にある似たような感覚も違った感覚も、音楽を通してすべて弾けていくような感触があって、何をしていてもワクワクが止まらない時間でした。

以下のインタビューにもとても共感している。

ALIが明かす、『BEASTARS』にも通じるアイデンティティの葛藤と音楽に対するピュアな気持ち

Real Sound

リハーサルの日に全部書き換えたリリック

そのリハーサルの日、同じくALIとフィーチャリングする「Faith」という曲の作詞も行った。事前にもらっていた音源で数日前に書き当てていた歌詞もあったのだが、実際に生で演奏を聴いてみると「全部書き直したいな」と思ったからである。

結局、休憩中の1時間くらいで丸々歌詞を書き換えた。楽曲全体のコンセプトや音の質感に、歌詞の情景描写をマッチさせることを特に意識して。いま自分が抱えている葛藤、心の闘争にもうまくコミットできたんじゃないかと思う。歌詞を新しくしたことでよりいっそう楽曲になじんだ感覚が増したので、ALIの作る世界観をあと押しできたのではないかなとも思っています!

前半は同じくラッパーのGomessが担当していて、彼はフリースタイルと同様にフリーなフロウで言葉を紡ぐ人。だから私のパートとの質感の違いで対比ができた部分もよかったなぁと(当然だけどGomessはフリースタイルラッパーだからリハーサルでも歌詞が毎回違うくて、贅沢なライブを楽しんでいるみたいで楽しかったです)。

以下が作詞の一部です。

“表現と言語持てどその程度 固定のローテーションもう生かさず殺せよ”
“余白 を黒く染めた勘違い禁じたい”
“僕ニート 敵とmeet 誇る理論ヒートアップ パラドクス殻篭る”
“どんなに真剣でも遊ばれてるみたい。海に溺れる、辛い。お涙頂戴”
“正義を間違えたせいにした命日”

生きる糧になった配信ライブ

ALIのメンバーと、なみちえ、6B、Alonzo、Dos Monos、Gomessら配信ライブに参加したアーティストたち

新型コロナウイルスの流行もあって、大勢の人が集まる場所へは行けなくなった最近の日々。そんなタイミングで、これだけ強い志を持った人たちと表現を伴って集まることができて、私にとってはとても刺激的なライブでした。私自身が明日を生きていく糧にもなったし、今後の励みになりました。今もまだ魂がワクワクしています!

また、私のほかに客演参加したラッパー(6B、Alonzo、Dos Monos、Gomess)が、それぞれ各自の普段の活動とは違ったソウルフルな一面を見せていて、それがとてもかっこよかったです。

“違い”と“同じ”の親和性を示唆した「MUZIK CITY」の作詞


この記事の画像(全3枚)


関連記事

この記事が掲載されているカテゴリ

なみちえ

Written by

なみちえ

1997年、神奈川県茅ヶ崎市生まれ・在住。東京藝術大学先端芸術表現科を首席卒業。在学時には平山郁夫賞、買い上げ賞を受賞。音楽活動や着ぐるみ制作・執筆などマルチな表現活動を行うアーティスト。 音楽活動はソロのほかにギャルサー:Zoomgals、兄妹で構成されたクリエイティブクルー:TAMURA KIN..

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森⽥美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太