「去年の悔いが残っていて」BEYOOOOONDS・一岡伶奈、二度目の武道館への決意

2023.5.22
「去年の悔いが残っていて」BEYOOOOONDS・一岡伶奈、二度目の武道館への決意

文=井上明日香 撮影=まくらあさみ


デビューから4年、超個性的な活動を繰り広げるBEYOOOOONDS。

デビュー直後にコロナ禍に見舞われ、思うようなライブ活動ができなかった彼女たちも昨年に初の単独武道館公演を実施。5月15日に再びの武道館公演を控えたBEYOOOOONDS・一岡伶奈に、寸劇ありピアノ演奏ありのユニークなグループの今の課題を聞いた。

※この記事は『クイック・ジャパン』vol.166(2023年4月27日(木)より順次発売)掲載のインタビューを転載したものです。

一岡伶奈
1999年生まれ。東京都出身。グループ内ユニットはCHICA#TETSU。24歳の抱負は「グループのツッコミ役になること」らしいが果たして……


目指せ「アイドル初」

──5月15日に約1年ぶり、2度目の単独武道館公演を控えているBEYOOOOONDS。今の心境は?

一岡 こんなに早く2回目をやらせてもらえると思っていなかったので驚きました。発表があった日の帰り道、メンバーみんなで「こういうことをしたいね」という話もいろいろしました。個人的には去年の武道館には悔いが残っている部分もあるので、それを払拭できるように頑張ろうという思いもあります。

──完成度も高く、会場も盛り上がっていたように感じましたが……。納得のいく出来ではなかった?

一岡 もちろん当時の自分たちにできる100パーセントを出せたとは思うんですが、映像を見返すと、自分だけ自信がないようなパフォーマンスに見えてしまって。公演中、楽しいなっていう気持ちもありながら、ふと「こんなに大勢の方々に見られていいのかな?」と我に返ってしまったタイミングがあったんです。そこからふわふわした気持ちになって、パフォーマンスにも出てしまった。ほかのメンバーがキラキラした笑顔で全力でやっている中で自分だけ……。みんなの姿を見て、もっともっと頑張らないと、と思いました。なので、今回の武道館はしっかり準備をして挑みたいです。

──ネガティブな感情をあまり顔に出さないイメージがあるので、そんな思いを抱えていたとは意外でした。去年の武道館の発表のときもほかの方が泣いている中、ひとりだけ笑顔だったり。

一岡 昔は結構泣き虫で、ことあるごとに泣いてたんですよ。でもハロプロ研修生のときに悔し涙をいっぱい流してきたので。特に2017年の『実力診断テスト』(編註:『Hello! Project 研修生発表会2017 ~春の公開実力診断テスト~』。5年間研修生だった一岡のグループ結成が発表された)で泣き尽くしたというか(笑)。そこからは悔し涙はもちろんですが、どんなときも涙を流さないようにしようと思うようになりました。

──素敵な心がけですね。今回の武道館に向けて、リベンジのために取り組んできたことはありますか?

一岡 私は歌が好きなんですが、得意ではなくて。去年の武道館で初披露した「涙のカスタネット」という曲でも、サビでいただいたソロパートが自分のキーより高めなので「ちゃんと音出せるかな?」と不安な気持ちで歌っていたんです。でもそういうパートをいただけたことで、もっと歌を頑張らなきゃと思えて。この1年はダンスはもちろんですが、歌を重点的に頑張ってきました。

──練習の成果は出せそうですか?

一岡 4thシングルの「夢さえ描けない夜空には」でも、ディレクターさんに「自信を持って歌えるようになったね」って言っていただけました。メンバーやファンの方にも私の声が好きって言ってもらえることが多くなって。頑張って良かったなと思えたし、もっと頑張ろうという気持ちにもなりました。特にメンバーの島倉りかちゃんは普段あまり口に出すタイプではないので「良かったよ」と言われるとガチでほめてくれてるんだなとわかって、うれしかったです。

──メジャーデビューから約4年経ちましたが、この先、こういうアイドルグループになりたいという目標はありますか?

一岡 デビュー当時は正直、モーニング娘。さんみたいなかっこいい曲や、王道の可愛い曲は私たちはこの先できないのかなと不安に思う部分もありました。でも、2ndシングルで「こんなハズジャナカッター!」という曲をいただいたとき、この路線でいいんだ、これが私たちの良さなんだと気づきました。言い方が難しいんですが、私たちが普通にパフォーマンスしたら、たぶんできてしまうからこそ、ちょっと変えていかないと、たくさんいるアイドルの中で埋れてしまうんだろうなと。今は全員「寸劇やセリフも、いただいたものは全部ぶつけてやろう!」みたいな気持ちで挑んでいると思います。ハロー!プロジェクトという歴史のある中で活動してるアイドルではあるんですが、本当にアイドルなの?と思われるくらいの領域まで行きたいです。

──一岡さんは、次のステップについて考えることはあるんでしょうか?

一岡 卒業したらなにができるんだろうというのは、けっこう毎日考えてるかもしれません。でも、BEYOOOOONDSって活動してきた年数のわりにシングルやアルバムの数が少なくて、まだ「やりきった」という感覚にはなっていないんです。12人で日本武道館だけじゃなく、もっと大きいステージにも立ちたいですし。「アイドル初○○をしたグループ」って言われるようなことをするまでは、やりきったとは思えないかもしれない。そこまではグループで頑張りたいです。

──具体的に、アイドルの枠を超えてこういう活動をしたいというのはあるんでしょうか?

一岡 それが難しいんですよね。いろんなアイドルの方がいらっしゃるので、模索中で……。でも、ひとつやってみたいことは、ライブのCHICA#TETSUの曲のとき、私が持ってる鉄道模型を走らせること。まだスタッフさんにも提案できてないんですが、いつか実現したらうれしいです(笑)。

「演技をしながら嘘もついて」BEYOOOOONDS・山﨑夢羽の“今”を培った演劇女子部での活動
左から小林萌花、山﨑夢羽、一岡伶奈/『クイック・ジャパン』vol.166より

コンサート&イベント情報

『Hello! Project 2023 Spring CITY CIRCUIT』

6月までツアー中、BEYOOOOONDSは5月27日(土)の宮城公演に参加!
ツアー詳細はこちら

『M-line Special 2023 ~Magical Wish~』

現在開催中の『M-line Special 2023 ~Magical Wish~』に、BEYOOOOONDS島倉りか・西田汐里・山﨑夢羽のゲスト出演が決定!
■6月17日(土)埼玉公演 参加メンバー:佐藤優樹 / 宮崎由加 / 島倉りか
■6月25日(日)愛知公演 参加メンバー:佐藤優樹 / 宮崎由加 / 山﨑夢羽
■7月1日(土)大阪公演 参加メンバー:宮崎由加 / 西田汐里
その他、イベント詳細はこちら


この記事の画像(全2枚)


この記事が掲載されているカテゴリ

井上明日香

Written by

井上明日香

(いのうえ・あすか)ライター。芸能インタビューを主に行っています。女性アイドルと舞台、ドラマが好きです。

CONTRIBUTOR

QJWeb今月の執筆陣

酔いどれ燻し銀コラムが話題

お笑い芸人

薄幸(納言)

「金借り」哲学を説くピン芸人

お笑い芸人

岡野陽一

“ラジオ変態”の女子高生

タレント・女優

奥森皐月

ドイツ公共テレビプロデューサー

翻訳・通訳・よろず物書き業

マライ・メントライン

毎日更新「きのうのテレビ」

テレビっ子ライター

てれびのスキマ

7ORDER/FLATLAND

アーティスト・モデル

森田美勇⼈

ケモノバカ一代

ライター・書評家

豊崎由美

VTuber記事を連載中

道民ライター

たまごまご

ホフディランのボーカルであり、カレーマニア

ミュージシャン

小宮山雄飛

俳優の魅力に迫る「告白的男優論」

ライター、ノベライザー、映画批評家

相田冬二

お笑い・音楽・ドラマの「感想」連載

ブロガー

かんそう

若手コント職人

お笑い芸人

加賀 翔(かが屋)

『キングオブコント2021』ファイナリスト

お笑い芸人

林田洋平(ザ・マミィ)

2023年に解散予定

"楽器を持たないパンクバンド"

セントチヒロ・チッチ(BiSH)

ドラマやバラエティでも活躍する“げんじぶ”メンバー

ボーカルダンスグループ

長野凌大(原因は自分にある。)

「お笑いクイズランド」連載中

お笑い芸人

仲嶺 巧(三日月マンハッタン)

“永遠に中学生”エビ中メンバー

アイドル

中山莉子(私立恵比寿中学)
ふっとう茶☆そそぐ子ちゃん(ランジャタイ国崎和也)
竹中夏海
でか美ちゃん
藤津亮太

QJWebはほぼ毎日更新
新着・人気記事をお知らせします。