アインシュタインが感極まった“伝説の一日”「なぜ東京に来たのかわからなくなったけど」

2022.4.1
アインシュタイン

文=菅原史稀 撮影=西村 満 編集=梅山織愛


特徴的なルックスを武器とする稲田直樹と男前な性格で多くの芸人からも愛される河井ゆずる。芸歴もバラバラのふたりはどのようにコンビを結成したのか。

アインシュタインも出演する吉本興業創業110周年特別公演『伝説の一日』にちなみ、ふたりのルーツとなる“伝説の一日”を紐解いていく。


元上司との再会が伝説的に悲しかった一日に

──まず、ふたりがお笑いを志すきっかけとなった“伝説の一日”があればお話しいただけますか。

稲田 僕のことを初めて「おもしろい」と言ってくれたのは、小学校3年生のときの担任の先生だったんですね。その先生の前で『クレヨンしんちゃん』のモノマネをして笑ってもらったことがあったのですが、もしかするとその出来事がなかったら「人を笑かせたい」と思うことは、もっとずっとあとになってたかもしれません。

……でもお笑い芸人になってから、テレビ番組で「感謝している人にお礼を言いに行こう」という企画があったとき、その先生にスタッフさんが連絡を取ったら僕のことをまったく覚えてなかったみたいで(笑)。

アインシュタイン
稲田直樹(いなだ・なおき)1984年12月28日、大阪府出身

河井 覚えられていなかった上に、会いに行くのもNG出されたんですよ(笑)。

稲田はそういう話が本当に多くて、よく世話してた後輩芸人とか昔働いてた職場についてのエピソードが、こいつから聞いてたのと全然違うっていうパターンがよくあります。後輩も「お世話になってないです」と言うし、元上司という人も「誰ですか?」って。だからこいつ、むちゃくちゃ嘘ついてるんちゃうかな。

アインシュタイン
河井ゆずる(かわい・ゆずる)1980年11月28日、大阪府出身

稲田 嘘ついてないですよ!

河井 まあまあ、小学校の先生が覚えていらっしゃらないのはわかります。そのころはこいつもまだ小さい子供だったわけだし。でも、元職場の上司が今の稲田を見て「誰?」って言うのはおかしいじゃないですか。

稲田 そこの職場はすぐ人が辞めちゃうことで知られていたんですけど、僕は久々に2年以上つづいた従業員だったのもあって、その元上司にはすっごくかわいがってもらってたんです。なので僕的にはすごく印象に残っているけど、向こうは覚えてない。

河井 その方はロケで実際にお会いしに行ったんですが、「いやあ本当に覚えてないです」って言われて。

稲田 こっちは会った瞬間に涙が出そうだったのに、向こうはポカンとしてました。そういう意味では、伝説的に悲しかった一日でしたね。

アインシュタイン

──きれいにまとめていただいて、ありがとうございます!(笑) つづいてはアインシュタイン結成について、今一度振り返っていただきたいです。それぞれNSCの入学年が違ったり(河井は大阪NSC26期生、稲田は大阪NSC28期生)、もともとは別のコンビやピン芸人として活動していた時代を経てコンビとなったおふたりですが。

河井 コンビを組んだ時期はふわっとしてます。でも、やっぱり2010年に『M-1』がいったん終わるとなったことが、きっかけとして大きかったと思いますね。

稲田 もともと、僕のほうからコンビを組みたいとお願いしに行ってたんですよ。でも断られてもう可能性はないかなと思っていたんですが、最後の『M-1』に出るためにユニットだけ組むのならアリという話になったんです。

河井 そのとき組んだ感じとか、あとはピン芸人時代からお世話になってた笑い飯の哲夫さんから「組んでみてもいいんじゃない?」とアドバイスをいただいたことにあと押しされました。吉本は上下の関わりも強いですし、そういうイレギュラーな組み方のコンビもけっこう多いと思います。

アインシュタイン
結成当時のアインシュタイン

久しぶりの客前で実感したこと

アインシュタイン

──結成されて10年以上が経つアインシュタインですが、今までの活動で“伝説の一日”として思い浮かぶ日は?

河井 最近の出来事になるんですが、コロナの自粛明けで久々にお客さんの入っている劇場に立った日ですね。緊急事態宣言中は無観客でネタしたり、今までは考えたことすらなかった状況でお笑いをやることになって。特に僕らは2020年に東京進出してきたんですが、東京に出てきてからほかの芸人と会うこともあまりなく、お客さんにも会えず。

稲田 なんのために東京に来たのか、よくわからなくなりましたね。

河井 なので制限が緩和されてから、劇場も100%じゃないにしろ8割までお客さんに入ってもらえるようになった初日、なんばグランド花月の舞台に出て行った瞬間はちょっと泣きそうになりました。

あの気持ちは、なんなんですかね。お客さんの拍手を聞いて、改めて「ありがたいな」と思いましたし……いろんな気持ちで感極まるものがありました。

稲田 僕もそのときは「わあ」と声が出ちゃいました。その声も、しっかりマイクに乗るような大きさだったら笑いにもつながってたのかもしれませんけど、思わず漏れちゃったくらいの声量だったので誰にも聞こえず(笑)。でも、それくらい本当にうれしかったです。

アインシュタイン

──改めて、劇場でやるお笑いの魅力を再認識されたのですね。4月には特別公演『伝説の一日』が開催されますが、その出演者のひとりとして意気込みなどあれば。

河井 この日に関しては自分たちの出番はもちろんですけれど、出演する芸人さんの顔ぶれが意味わからないくらい豪華なので……。

稲田 ラインナップの文字見てるだけでも、目ぇチカチカするもんな。

河井 10年前に開催された前回の『伝説の一日』では、僕らなんか指くわえて見てただけだったので、今回こうして出番をいただけただけで本当にありがたいですね。なので、意気込みというよりはお客さんに近い感覚で、いろいろな演目が見られるのを楽しみにしています!

【関連】ダウンタウン、千鳥ら吉本芸人が一堂に会する創業110周年特別公演『伝説の一日』開催決定


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  • 特別公演『伝説の一日』

    吉本興業創業110周年特別公演『伝説の一日』

    日程:2022年4月2日(土)、3日(日)
    壱回目8:00開場/8:30開演/11:00終演
    弐回目11:20開場/11:50開演/14:20終演
    参回目14:40開場/15:10開演/17:40終演
    四回目18:00開場/18:30開演/22:00終演
    会場:なんばグランド花月

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    ※当落についてのお問い合わせは受けかねますので、ご了承ください。
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    ※いただいた個人情報は、本プレゼントキャンペーン以外の目的には使用しません。


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菅原史稀

(すがわら・しき)編集者、ライター。1990年生まれ。WEBメディア等で執筆。映画、ポップカルチャーシーンの分析を主な分野とする。

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