人間は欲深い生き物
──仕事の幅もかなり広くなったと思いますが、漫才も含めて何が一番楽しかったですか?
雅紀 単独ライブを初めてやらせてもらったんですよ。今まで4、50人の前でやっていて、生でお客さん400人は初めてだったので、あれはうれしかったですね。
──老若男女幅広く、いろんな方がいらっしゃいましたね。おじさんもいればカップルもいて。
雅紀 そう聞きました! 僕はあんまり見えなくてわかんなかったんですけど。今までのライブは同年代の方が観にきてくれることが多かったんですよ。でも、テレビに出させていただいたおかげで、老若男女に幅が広がったっていうのはうれしかったですね。
──やっぱり、雅紀さんの肝となるお仕事は漫才なんでしょうか?
雅紀 そうですね。
──渡辺さんは新しくやってみたいお仕事はありますか?
渡辺 そういう願望もあんまりなくて。本当申し訳ないんですけど、正直僕は「じゃないほう芸人」として生きていきたいと思っているんです。そこまであんまり目立ちたくはない。雅紀さんのおこぼれで生活できればいいな、みたいな。
──おこぼれというか、参謀として?
渡辺 全然、全然。そんなのもなく。つまんない答えで申し訳ないんですけど、願望としてはただただ雅紀さんが生きている間いっぱい稼いで、僕におこぼれをくれれば(笑)。
雅紀 いやあ、もっといろいろやったほうがいいなって僕は思いますけどね。
渡辺 テレビの仕事はおもしろいので、オファーをいただけたものは全部やりたいとは思ってるんですけど、あんまり目標とか決めて生きてるタイプでもないんで。
──人生の目標は?
渡辺 ないですね。
──やっていて一番楽しいことはなんですか?
渡辺 酒飲んでることかな。
──なんだか、田舎のおじいさんとしゃべっている気持ちになってきました(笑)。
渡辺 極端な話、いつ死んでもいいかなぐらいに思ってますからね。別に嫁も子供もいないですし。
──常に後悔がない?
渡辺 別に、まあいっかって思っちゃうんで。
──おふたりとも、生きる上でのメンタルマネジメントが上手ですよね。自分に抗わないおふたりを見ていると、このままでいいんだなって思えます。
渡辺 自分のことも、あんまり好きでもないですしね。
──それもあんまり、ネガティブな意味にも聞こえないです。無理して好きになろうとしなくてもいいかなぐらいの。
渡辺 こんな奴なんだなって感じの。
──では、『M-1』優勝後のビジョンを教えてください。
雅紀 僕はテレビのレギュラー番組を持ちたいです。テレビでお仕事させてもらう前までは、年齢もあるし芸歴もあるし、世に出るのは厳しいだろうなっていうのが頭の片隅にあったんです。だから、せめてアルバイト週2回とかで、たまに芸人の仕事をもらっていければいいなとか思ってたんです。
けど、ここ1年お仕事もらえるようになって、だんだんとお笑い始めたばっかりのときの「冠番組持ちたい」「コント番組やりたい」「レギュラー持ちたい」とかって気持ちがメラメラと活性化されてきて。人間は欲深い生き物だなって思いますね。調子のいい生き物というか。
──局や時間帯などの希望はありますか?
雅紀 そこの希望はないんですよね。僕らを使ってくれるって人がいたら、その心意気に僕は拍手したいですね。
渡辺 拍手してないでやれよ、がんばれよ。
──番組の内容はどういったものを?
雅紀 それこそ、とんねるずさんやダウンタウンさんとかがやってた黄金のバラエティですよ。コントがあって、お笑いのコーナーがあって、トークがあってみたいなのが理想です。一番好きなコント番組は、『ごっつ』(『ダウンタウンのごっつええ感じ』/フジテレビ)でした。でした。
──冠ではなく、レギュラーなんですね?
雅紀 冠も欲しいですよ! でも、まずはレギュラーやりたいなあ。毎週同じ人たちと顔を合わせたいです。
──明確なビジョンですね。渡辺さんはいかがですか?
渡辺 僕はあんまりビジョンがないんですけど、テレビのお仕事はやっていておもしろいので、継続できたらなと思います。けど、今は物珍しくて使ってもらってるだけで、そんなに長くはつづかない可能性もなきにしもあらずですよね。あとは、漫才で全国を巡って食べていければぐらいに考えてます。だから、そのためには『M-1』優勝の称号は絶対欲しいってのはありますね。
──のらりくらりと見せかけて、秘めた思いがあるのですね。
渡辺 いえいえ、そんな。
若い人たちには真っ当に成功してほしい
──自叙伝、誰に一番読んでもらいたいですか?
雅紀 僕は、本当の話をすれば、おじいちゃんなんですよね。この本におじいちゃんの写真も載ってるんです。家族とも「まさか死んで30年くらい経つおじいちゃんが、令和3年に本に写真が載るとは思わなかったよね」って話をしました。僕はおじいちゃん子だったんですけど、この姿が見せられてないので。
──絶対に喜んでると思います。渡辺さんは?
渡辺 誰っていうのはないですけど、若い人に読んでほしいですけどね。これから何かを始めようとしてる人たちに読んでいただいて、「絶対にこうなるな。絶対に若くして成功したほうがいい」っていうのを伝えたいです。
──そっちを伝えたいんですね!
渡辺 絶対にそうだから。こうなるとマジで身体持たねえぞっていうことを。僕らをいいと捉えないでほしいというか、若い人たちには真っ当に成功してほしいと思います。
★前編、後編のインタビュー中の様子をまとめたダイジェスト動画も公開中!
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