アラサー浪費女子たちがたどり着いた、ポジティブに楽しむ資産運用方法とは?【「劇団雌猫」もぐもぐ&かん対談】

2020.2.3


「資産運用」も興味の対象に

――紹介されているリアルなしくじりや浪費あるあるも、共感を得ているポイントだと思います。

もぐもぐ たとえば舞台やライブが趣味の人だと、公演当日はチケット代のことを忘れてグッズを大量に買い込んでしまう、というのはよくあるケースかなと。チケット代はたしかに先月の自分が払ってくれてるんだけど、財布は一緒……。

かん 私のこれまででいちばんのしくじりは、カードが止まって自分より手取りの低い母親にお金を借りたこと。SEVENTEEN(K-POPアイドル)のCDを買うときに気づいたんですけど、その前の月に韓国遠征もしてて、カード払いの額がすごいことなってたんです。自転車操業すらも破綻、母親を頼るという。さすがに二度とすまいと思って、倍くらいにして返しました。

――僕もクレジットの請求額がおかしな額になっていたことがあり……。

かん 不正利用だと思ったら……ってやつですね?

――そうです。「不正利用だ!」と思って問い合わせたら全部自分。オペレーターさんはそういう阿呆に慣れているから、対応が冷たいんですよね。本当に恥ずかしかった。

もぐもぐ 私はめっちゃ直近でやらかしてますね。先月、ある舞台のチケットをめちゃめちゃな枚数買ってしまって、月収の1.5倍くらいの請求が来たんです。これは舞台オタクのあるあるなんですけど、最初にとにかくチケットを確保して、その中から一緒に行く友人を誘ったり、人に譲ったりしていく。最終的には、ある程度キャッシュバックがあるものなんです。でも前払いなので、まとまった額が最初にどかんと来る。それだけならまだしも、先月はそれに加えて航空券の支払いが10万以上発生して。残高が足りなくて、家のどっかから出てきた封筒に入ってたお金を足して、難を逃れました。

――家のどっかからお金の入った封筒が出てくることあります?

かん もぐもぐさんはそういうことめっちゃあるよね。うらやましいな。

もぐもぐ たぶんほかの人のチケットを立て替えたときのキャッシュバックだと思う。え、これ私の中ではあるあるなんだけどそんなことないのかな!? 帝劇なんかはチケット代が高いので、平気で3万円入った封筒とか出てきます。部屋中かき集めれば10万くらいになったり。

――それだけ聞くと海賊みたいなお金の使い方ですが、普段使いの口座とは別にiDeCoとNISAの口座を持っていて、そちらに自動で貯金されているんですよね。

もぐもぐ そうですね、それがあるから安心して残高を使い切れるというか。やっぱりお金を使っているときってめちゃめちゃ気持ちいいじゃないですか? でも、ふと我に返ったとき「本当にこれでいいのか……?」って不安になる。資産運用をはじめてからはそれがなくなったので、精神衛生上、本当にいいんですよ、ハッピーにお金を使っていられるんですよね。なんかうさんくさい言い回しになっちゃいましたけど(笑)。

――そう、お金の話ってどうしても、うさんくさいセミナーっぽい雰囲気を帯びがちで。だからこそみなさんのように、普段からお金をバンバン使ってる側の方が発信してくれると、信頼できるんだと思います。

もぐもぐ そこはやっぱり考えました。資産運用に詳しい人の話を聞いていると、やっぱり資産運用自体が好きなんですよね。でも、私たちも仕組みがだんだんわかってきたら楽しくなってきたんですよ。これはこれで沼だな、と。なので、「やらなくちゃいけないこと」というよりは、興味の対象として見てもらえるように意識して本を作りました。

かん 「お金のことだから失敗したくない」って思いがちですけど、たとえば観劇も一緒で。「この出演者でこの脚本家でこの演出家ならおもしろいはず、チケット代の元は取れる」って吟味してチケットを買うわけで。だから、知識さえつければ他のジャンルと同じように資産運用も楽しめるんですよね。

もぐもぐ お金のことを考えるのって基本的にはストレスですよね。でも私は、少なくともお金のことでただ憂鬱になるみたいな状態は、資産運用をはじめてからはなくなりました。

かん あと、これはかなり大きな発見だったんですけど、自分で貯金しようとすると「残高2万円残しておかなきゃ」とか「貯金用の口座に移さなきゃ」とか考えるわけじゃないですか。でもiDeCoって、勝手に毎月口座から天引きされるんです。これ、気づかないんですよ。

――気づかない?

かん そもそもお金にズボラな人って、2万円減ってても気づかないんですよね。「先月けっこう使ったかな」とか「残業少なかったかな」とか。勝手に天引きされる仕組みってズボラな人に向いてるんですよ。

――な、なるほど……!

もぐもぐ 毎月気づかない程度の血を流していれば、年間20数万円になるわけで。けっこうな額ですよね。

かん 自分なんかなんの信用もできないから、自動で貯める仕組みを作ってしまおうと。本当に気が楽というか、気がつかない(笑)。

もぐもぐ 株やFXと違ってゆるっとできるし、基本的に放置ゲーなので、趣味に忙しいオタクにはうってつけなんですよね。たまに開くと増えてうれしいし、確認したらまた放っておいていい。

かん 正直、今までの使い方と変わらないのに貯まってるのが最高!

もぐもぐ 収入の額は問題じゃないので、まずははじめること。金額設定は各自無理のない範囲でできるようにしたかったので、本の中では「毎月この額貯めましょう」とか、そういう目標額も提示してないんです。それぞれの生活の中で、それぞれの悩みがある。そうそう、読者の方がその友だちに勧めてくれたりして、この本を通して友だち同士でお金の話をするきっかけを作れたのもよかったなと思っています。やっぱり「お金」ってある種タブー視されがちな話題ですけど、生きてる限り共通のジャンルのひとつだと思うので。


劇団雌猫(げきだんめすねこ)
もぐもぐ、ひらりさ、かん、ユッケのアラサー女性4人組からなるサークル。インターネットで知り合い意気投合した4人が、インターネットでは語られない「周りのあの子」の本当のところを知りたい! という純粋な興味から2016年冬に同人誌『悪友』シリーズを作り始めた。もちろん本人たちも、日々働きながらそれぞれ熱い趣味を持ち浪費している。2019年3月にファイナンシャルプランナー・篠田尚子との共著『一生楽しく浪費するためのお金の話』(イースト・プレス)、2019年11月に『誰になんと言われようと、これが私の恋愛です』(双葉社)を刊行。



  • 『誰になんと言われようと、これが私の恋愛です』(双葉社)

    彼氏いない歴=年齢で恋愛が苦手、若手俳優に長らくガチ恋……、オタク同士で結婚って? 結婚しないで独りでも生きていける? ――「推しに夢中で楽しいけれど…」と、ふと考えてしまうあなたに。 みんなの恋バナ、聞きました!

    2017年に刊行し話題になった同人誌『悪友vol2 恋愛』をもとに、書き下ろしエッセイや アンケートを加えたオタク女子ユニット「劇団雌猫」による恋愛エッセイ集。 恋愛にまつわる様々なモンダイに悩む15人の女性たちの匿名エッセイを収録。


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