「休み休み行こうよ」

――事務所を背負う役割はつづきそうですが、今後はどんな活動を目指しますか？

伊達　僕ら自身は変わりなく、今までどおりやっていきます。ネットとの関わりとか、時代の流れを採り入れるやり方は無理ですね。そういうのは本当に疎いです。僕も富澤もいまだにガラケーのままですし、SNSはブログのみ。機械に関してはおじいちゃんですよ。新しいことはわからないから一切手を出さないでいきます。

富澤　いつか、ぼーんと今のポジションを別の芸人に抜かれたとしても仕方ないでしょう。もし、このあと帰ってから死んでも、お笑い芸人的には悔いがないなぁと。充分いい思いしたから、もういいんじゃないのと諦めがつきます。普段から、それぐらいの気持ちで笑いに取り組んでいるということです。

伊達　好きな芸人No.1に選んでいただいたり、予想外のことがいくつも起きましたが、いつもと同じサンドウィッチマンの笑いを届けるのが僕らに求められている仕事だと思っています。「東北魂」の活動も、ずっと続けます。東北にロケで行くと、地元の人たちに「サンドウィッチマンをTVで観ると元気が出ます」と言われます。背負っているというとおこがましいですけど、やっぱり頑張る原動力になりますね。

富澤　僕たちがロケに行くことで、被災地が映り、TVを観ている人たちに震災以降の現在を知ってもらえます。忘れちゃいけないし、忘れてほしくないと。

伊達　実際は、復興はまだまだ遅れているんです。僕たちみたいなおっさんふたりが行っても、大して力にはならないのかもしれないですけど、ロケで通いつづけて全国の注目を集めるお手伝いをしていきます。

――グレープカンパニーはどんな事務所になっていくでしょうか？

伊達　まずはカミナリ以外の後輩が、もっと伸びていってくれたらいいですね。

富澤　自分たちの年齢を考えると、いつまで漫才できるかわかりません。早く若手たちが一人前に育ってもらいたいですね。

伊達　あとは事務所で芋煮会やろうとか。

富澤　宮城をめぐる社員旅行へ行こうとかね。楽しむことばっかり考えています。

伊達　僕たちの願いはそんなもんですよ。

富澤　突っ走って、ガツガツ行こう！みたいなノリは性に合いません。休み休み行こうよという感じがグレープカンパニーの変わらないカラーなんでしょう。

伊達　将来の目標を強いていうなら、爆笑問題さんのタイタンのような、少数精鋭で、家族っぽい一体感のある会社になっていくといいなと思います。

富澤　いずれは売れた若手に、食わせてもらいたいですね。若手のギャラがサンドウィッチマンに振り分けられるシステムをこれから考えていきます。

伊達　よこしまな希望はやめろよ（笑）！　まずネタを考えてくれよ！