サンドウィッチマン、グレープカンパニーの10年を経て思う「休み休み行こう」

2020.2.1

「“いい先輩”ってどういうの?」という模索

――グレープカンパニーの事務所の個性とは、ネタ第一ではないでしょうか? どの芸人さんも、まずネタが強い印象があります。

伊達 僕たち自身の方向性がネタ一番ですからね。ほかの芸人もそうなっていくんでしょう。うちは芸人をタレントとして先に売っていく展開はしないと思います。それができるのは、メジャーな大手プロダクションさんでしょうね。

富澤 やっぱり、ネタができていないとね。

伊達 ネタで努力して、賞レースやコンテストで結果を出して、そこから売っていくやり方を通します。じゃないと結局は、残っていけないんですよ。

サンドウィッチマン_bn_富澤
富澤たけし サンドウィッチマンのボケ担当。1974年生まれ。宮城県仙台市出身

――わらふぢなるおなどほかの芸人は、サンドウィッチマンは丁寧にネタのアドバイスをくださると言われています。

伊達 後輩への具体的なアドバイスは富澤がけっこうきちんとやってますね。

富澤 上の人間だからっていう責任感じゃないですけどね。ネタを見て、もうちょっとで芯の笑いに手が届くのに惜しいなあ……というときは、こんなんでどう?って提示します。サンドウィッチマン的な意見なので、その子たちに合っているのかはわかりませんが、力があるのに正解へ届く方法に気づいていないのは、もったいない。僕の意見で、いいコツをつかむ参考にしてくれたらいいなと思っています。

伊達 後輩との関係づくりは考えていますね。最近入ってきたような芸人は、かなり年が離れています。東京ホテイソンのふたりは20歳ぐらい違うんです。まずサンドウィッチマンに憧れて芸人を始めた世代じゃないと思う。それぐらい若い後輩たちに、なにを教えていけばいいのか? 今後の課題のひとつかもしれないです。僕らからしたら20歳上のオール阪神・巨人師匠や中田カウス・ボタン師匠とどう接していいのか、わからないですもんね。

富澤 ずっと事務所の一番上だったから、後輩としての経験値がないんだよね。

伊達 そう。ハチミツ二郎さんとかアドバイスをくれる親切な人はいたけど、事務所内で指導してくれる直の先輩はいなかった。そのまま30代を過ぎて世に出たからね。今になって、いい先輩って、どういうの?と模索している感じ。

富澤 もともと上下関係にうるさいほうではないし、自分たちはどこか一匹狼で戦ってきたようなものだからね。だからこそ、グレープカンパニーみたいなチームができてうれしいし、大事にしたいもかもしれない。

伊達 たしかに。忙しくても、後輩の子たちはやっぱり気になります。できることを若い芸人に教えながら、みんなで次の10年に向かっていきたいです。

「休み休み行こうよ」という感じが変わらないカラー

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