「いいって言うまで走っとけ」ならできそう
──三島さんに「南條さんのここがもっと注目されてほしい」という部分を聞いたら、「博学、運動神経、根性、歌」とのお答えでした。
南條 どれも苦手ではないけど、そこまでできるかと言われると……。うまく見せるのが多少得意なだけなんですよ。運動神経も言うほどじゃないです。足も遅かったですし、ただ長いこと野球をつづけてそれなりになっただけの、本当は不器用な人間で。そら三島基準で考えたら、かなりできるほうかもしれませんけども(笑)。歌なんて全然ですよ。めちゃくちゃうまい芸人、いっぱいいますからね。トレンディエンジェルの斎藤(司)さんとか、ジャングルポケットの斉藤(慎二)くんとか。博学だって、ロザン宇治原(史規)さんをはじめとしてうじゃうじゃいますし。
──根性の部分はどうですか? 南條さんはかつて『クイズ!紳助くん』の「なにわ突撃隊」として、トライアスロンや琵琶湖横断など過酷なロケをたくさん経験されていますよね? そこで培った根性はちょっと比類ないものだと思うのですが。
南條 虐げられることがそんなに苦じゃないんですよね。体育会系というのもあるのか、大抵のことは我慢できる。でも「ノーブレーキで坂下る」とか、「はい、バンジージャンプ飛んでください」とかは怖くてできない。(天竺鼠)瀬下(豊)さんのように痛いとこにウァー!とか辛いもんブワー!みたいなんは全然無理です。その代わり、「ずっとこの荷物持っといて」「いいって言うまで走っとけ」とかはできそう。じんわり根性と言えばいいんですかね、根性というより忍耐というか。テレビ向きの根性ではないんですよ。
──そう言われるとつい納得してしまいますが……。その「自分は全然すごくない」という認識はいつごろからですか? 芸人を目指すという時点では、それなりに自信があったのではないかと思うのですが。
南條 ですよねえ。……昔から、ひょうきん者で目立ちたがりであったことは確かなんですけど。高校生とか大学生のころはほんまにお調子者でしたから。当時は、まあ内輪やったら一番おもしろいという自信はありました。けどいざ芸人の道に進むと、内輪じゃなくなるじゃないですか。実際まわりにバケモンみたいな人がいっぱいいて、唯一今まで自信のあった部分が崩れた。それから、全体的に控えめになったかもしれないですね。

関連記事
-
-
「奪われたものは取り返すつもりで生きていく」FINLANDSが4年ぶりのアルバムで伝える、新たな怒りと恥じらい
FINLANDS『HAS』:PR -
牧場バイトからアイドルへ、かてぃが歩んだ多彩な仕事遍歴
求人ボックス:PR