レオンというキャラクターへの愛
──『バイオ』シリーズは海外でも人気ですが、作品の捉え方が日本と違う部分はありますか?
小林 アメリカのファンはクリーチャー好きが多いですね。サンディエゴ・コミコン・インターナショナル(アメリカで開催されるマンガなどに関するコンベンションの大規模イベント)に行ったときも、「次はどんなクリーチャーが出るんですか?」と聞いてくれるファンが多いので。キャラクターへの愛情は意外と全世界共通なんですよ。『インフィニット ダークネス』でも製作を発表したあとから、「ほかのキャラは誰が出るの?」という声があらゆる方面からありました。
──今回はレオンとクレアにスポットが当たっているのも、以前からやはり要望が強かったわけですね。
小林 昔話をすると、レオンは『2』以降だと『4』で久々に登場させたんです。彼はすごく人気があるので、『4』のときは喜ばれましたし、実際にヒットもしました。僕自身もレオンが大好きなので、CGアニメーションを製作するときは、「必ずレオンは出してください」というお願いから始めています(笑)。
──レオンがそこまで愛されるキャラクターになった秘訣はどこにあるのでしょうか?
小林 ただカッコいいのではなくて、愚痴も冗談も言うし、女性に優しいのにフラれる(笑)。そういう人間臭いキャラクターなのが皆さんにも響いているのではないでしょうか。
──なるほど。
小林 たとえば人気キャラとしてクリスもいるのですが、彼は組織に属していて、隊長を務めているポジションなので行動に縛りがあるんです。レオンはその点でも扱いやすいし、エージェント時代はまだ描いていない空白の期間も多いですからね。結果的に、レオンの若いころも歳を取ったころも描くことができて、リアルに年齢を重ねている姿も魅力になったのかなと思いますね。
あえて日本を描かないことが世界を狙うカギ
──『バイオ』シリーズは日本発のIPとして世界中で人気を獲得したわけですが、ここまで発展した理由をどのように考えていますか?
小林 僕は1作目の、百何十人いるスタッフのひとりだったのですが、そのときは25年もつづくとは思っていなかったです。ただ、キャラクターの魅力もさることながら、もともとゲームで始まっていることを考えると、新しいゲームが常に発売できているのが大きいと思います。新しい技術を反映したゲームが出るからこそ、CGアニメーションを作ることができるというか。
──そうかもしれませんね。
小林 加えて『バイオ』シリーズには実写映画もあって、ゲーム原作なのに6本も作られているんです。そうやって常に作品が動いていることが、25年やってこられた理由だと思います。
──『バイオ』に限らず、日本発のコンテンツを海外に売り込むために必要な要素はなんだと思いますか?
小林 言語でいうと、英語でやらないとダメだと思います。今は人種も多様ですから、キャラクターが日本人だけでも厳しくて、できれば舞台も、アメリカやヨーロッパも視野に入れたほうがいいと思います。僕も『バイオ』シリーズでは、日本を集中的に描こうとはあまり思っていません。『インフィニット ダークネス』もそうですが、ドメスティック過ぎるよりは、全世界に観てもらえる作品にしたいという思いが常にありますね。
──これから小林さんが『バイオ』シリーズでやりたいことはありますか?
小林 『バイオ』シリーズにはたくさんのキャラクターが存在しています。CGアニメーション作品においても、過去に自分たちが作った想い入れのあるキャラクターたちを再登場させて、深く描くことができればと思っています。
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Netflixオリジナルアニメシリーズ『バイオハザード:インフィニット ダークネス』
原作・製作・監修:株式会社カプコン
監督:羽住英一郎
脚本:武藤将吾、羽住英一郎
エグゼクティブプロデューサー:小林裕幸(カプコン)
製作プロデューサー:篠原宏康(トムス・エンタテインメント)
プロデューサー:古屋厚(ROBOT)
CGプロデューサー:宮本佳(Quebico)
フル3DCGアニメーション制作:Quebico
制作プロデュース:トムス・エンタテインメント
クリエイティブアドバイザー:トニー石塚(Sony Pictures Entertainment)
音楽:菅野祐悟
(c)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
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話数:全4話
配信日:Netflixにて2021年7月8日(木)より、全世界独占配信
Netflix作品ページ:www.netflix.com/biohazard_anime
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