BABYMETALプロデューサー・KOBAMETALが見た“世界と日本のエンタテインメント業界の違い”

2021.4.29

文=谷岡正浩 編集=森田真規


ご承知のとおり、BABYMETALは世界を舞台に活躍するアーティストだ。ツアーといえば当然ワールドツアーだし、毎年夏になれば、世界各地で開催されるフェスにブッキングされる。そんなBABYMETALが世界でブレイクスルーしたひとつのきっかけが、YouTubeだと言われている。「ギミチョコ!!」のMVへの海外からの反響が大きくなったことから、2014年に初のワールドツアーが現実化していったのだ。

世界で受け入れられるには何が必要なのか? また、エンタテインメント業界における日本と海外の違いなど、世界各地で開催されているメタルフェスなどを例に挙げつつ、BABYMETALプロデュサーのKOBAMETALが語る。

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海外の人はリズムを重視する

──世界中のファンを熱狂させているBABYMETALですが、世界に通用するためには何が必要だと考えていますか?

あくまで僕たちの経験でしか語れませんが、存在が“ユニーク”かそうじゃないかという部分が問われているなというのはすごく感じましたね。アイデンティティというか。誰かのものまね、二番煎じみたいなものはなかなか通用しないんだなっていうことがはっきりとわかりました。
だからまずは、自分とはなんぞやというものをしっかり持って、その上でそれをわかりやすく提示できる人が受け入れられやすいのかなと思います。向こうで言う「ユニーク」っていうのは褒め言葉なんですよ。唯一無二なものっていうようなニュアンスですね。日本だと、ちょっとおもしろいみたいな感じで捉えられがちなんですけど。

KOBAMETAL氏/Photo by Susumu Miyawaki(M-PROGRESS)

──BABYMETALのユニークさは、どう捉えられたんでしょう?

やっぱりメタルという、言ってしまえばマッチョな男性アーティストが多いジャンルというイメージの中で、少女で、かつ日本から来た女の子たちが、メタルに乗せてダンスをやっているというスタイルが今までになかった、という受け止められ方だったと思います。“なんじゃこりゃ!”みたいな感じですよね(笑)。

BABYMETAL - Ijime,Dame,Zettai - Live at Sonisphere 2014,UK (OFFICIAL)

──海外と日本を比較して、KOBAMETALさんが最も違うなと感じた部分はなんですか?

それはやっぱり音作りにおける音楽の捉え方かもしれませんね。僕の個人的な印象なんですけど、海外の人って基本的にリズムを重視するんですよね。日本はどっちかっていうとメロディーで、それに伴って歌詞というふうになるんですけど。だから海外との音作りの違いもそのあたりが影響しているんですよね。日本のエンジニアさんは、基本的には一番前のレイヤーにボーカルがいて、その次にギターとかベースとかドラムがくるんですけど、海外のエンジニアさんの場合は、一番前のレイヤーにドラムがいて、その次がボーカルみたいな感じの作り方で。
ライブにおいても、お客さんの反応を見ていたらおもしろいんですけど、基本的には各々勝手にリズムに合わせて踊っているんですよ。でも日本の場合、わりとメロディーに合わせて動きがそろう場面って多かったりするじゃないですか。それこそこの曲のここではこういう振りをする、みたいなことってありますよね。海外のフェスに行ったらバラードだろうがなんだろうが、踊り狂っている人がいますからね(笑)。まわりに合わせる気がまったくないというか、自由というか。

海外ではエンタテインメントへの意識がバリアフリー

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谷岡正浩

(たにおか・まさひろ)フリー編集者・ライター。情報誌『ぴあ』元編集長。構成を手がけた主な書籍に、『ラストデイズ 忌野清志郎 太田光と巡るCOVERSの日々』、『村西とおる語録集 どんな失敗の中にも希望はあるのでございます』(共にパルコ出版)などがある。

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