「銀座“赤”事変」の真相とその後
──先日銀座で開催された大宮セブンツアー東京公演では根建さんが終盤裸で、赤い塗料を身体に塗って登場したことでいろいろと大変だったとか……。
根建 あれ、めちゃくちゃ怒られました。話すと長くなるんですけど、それまでにいろいろあっての”赤”だったんです。
文田 舞台監督が若い女性なんですけど、そもそも下ネタとか、体を張るのとかが好きじゃない人で。大宮で赤い塗料を塗って出たときに、「塗料が幕についちゃうと場所によっては何百万請求されるんですよ」と言われていて。
根建 その後、福井が青い塗料を塗って出てきたことあるんですよ。そしたら「いや、赤禁止だから青ならオッケーってことじゃないです」と福井もすごく怒られて。
文田 ほかにも濡れた状態で舞台に上がるとか、そういうことが何回もあって、もう銀座では、楽屋入りしたら根建名指しで警告文が書いてあったんですよ。
根建 舞監さんには「根建さん、銀座では本当にやめてください」と言われてたんですけど、そこまで禁止されるともうやりたくなっちゃって。ライブ前日に福井に「明日一応赤持っていくんで、青持ってきてください」と伝えたんです。で、いざライブ本番、最後に福井がひとり脱ぎ出したんですよ。だからそれが合図かなと思って、僕も急いで脱いで赤の塗料を体に塗らなきゃ!ってはけまして。同時くらいに福井も青の塗料を塗るために反対側の舞台袖にはけたんですね。そしたらたまたま、福井のはけたほうには舞監さんがいた。だから福井は止められて、僕だけ赤で出てきたという。はけた袖が逆だったら、青い福井だけが出てきていたはずです。2分の1の確率で僕が出てきただけのことで。
文田 終わりで舞監さん、むちゃくちゃキレてたよね。でも実は、大宮の社員さんは「もし損害賠償が出たら吉本で全部払う」と言ってくれているんです。舞監さんは塗料を塗ってること自体よりも、「やらないで」と言ったことを守らないことに怒ってるんだろうね。
根建 うん。「やらないで」に「はい」と答えるのにやるってことに怒ってるんだと思う。だから全国ツアー初日の華々しい船出の日に、終演後の楽屋は相当暗い空気で終わりました。
文田 楽屋だけに留まらず、ホールを出てすぐの路上で、芸人6人くらいで円になって反省会して。
根建 30~40分は話し合ったよな。
──その後、関係は修復されたんですか?
根建 この前、僕と文田が舞台上で空手の組み手をしたんですよ。そのときにちょっとケガしたんです。そしたらすごく心配してくれました。ケガしたのがよかったのかもしれない。
文田 ふふふふ。
根建 「大丈夫ですか?」って。優しい人なんですよ。
──先日、大宮のライブが誰も脱ぐことなく穏やかに終わったとき、文田さんが「無理して裸にならなくてもいいんだ!」と言われていたのが印象的で。
文田 根建はわかんないですけど、僕はまじで脱ぎたくないですよ。でもみんな脱いでる中で俺だけ脱がないでいるには、腕前が必要じゃないですか。
根建 はははは!
文田 みんなが脱いでいる状況では、脱ぐのが一番楽じゃないですか。だから楽を取って脱いでいるだけであって。本当は服を脱がずにおもしろい切り返しができればいいんでしょうけど。
根建 脱ぐのと対極の位置にいられたらね。
──根建さんが脱いだり、体に塗料を塗る理由は……?
根建 いや、同じなんです。単純に腕がないんですよね。だからせっぱ詰まったらとりあえず脱ぐっていう。それしか選択肢がないというだけのことなんです。
大宮の寄席では0点か100点か
──先日、大宮の寄席を拝見したとき、おふたりが爆笑を巻き起こしていました。もともと漫才がおもしろいのはもちろんのこと、おふたりに風が吹いている感じを受けるのですが。
文田 ウケてました? 珍しい。ルミネ(theよしもと)とかの寄席だったら「僕らのこと知ってる人!」から始めて確実に65点取れるネタをやりますけど、大宮だともう0か100の感じで。本当にまったくウケずに帰ってくるときあります。
根建 あるある。
文田 寄席って基本はよそいきのネタライブって感じですけど、大宮は、これはいい意味で言ってるんですけど、めちゃくちゃナメてます。自分で衣装のスーツ着ててムカつくときありますもん。もういっそスーツ着なくていいんだけどな、って(笑)。
──ネタ選びはどうやって?
文田 直前に決めてます。一見さんが多い日ならこれにしようとか、1日3公演あって複数回観ているお客さんが多そうならネタを変えようとか。でも大宮のときはそういうこともあんまり考えない。
根建 ふふふ。
文田 10分出番があったら、今まではつかみで自己紹介して、ネタを2本やる構成だったんですけど、最近は10分まるまる使って1本のネタしかやってないです。ちゃんとやったら5、6分しかないネタを10分に薄めて提供してます。
根建 たしかに薄めてる。
文田 でもこれ、悪いことでもないのかなって。2本やるのってかっこ悪いな、というのは自分の中でちょっとあって。
──薄めてというより、観ている側としては膨らんで、おもしろさが増している気がします。
文田 賞レースにかける漫才だと、4分にキュッと詰めて、よけいなことを入れる隙間がない。僕らはもう賞レースを卒業しているから、ネタを延ばす余裕があるということは言えるかもしれないですね。
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