「20年つづけて、なんで1回も取材されないんだ!」チュートリアルのラジオは、リスナー20人?
『ナイツのちゃきちゃき大放送』(TBSラジオ/2020年12月19日放送)にゲスト出演したチュートリアルは、「俺たちのラジオ、『クイック・ジャパン』がこんな無視すること、ある?」と熱烈に訴えていた。
この放送を聴いた編集部は、20年つづくチュートリアルのラジオ番組『キョートリアル!』にインタビュー取材を申し込んだ。その後、1月23日の放送内で編集部からの依頼メールが読み上げられ、取材の実施がサプライズで伝えられた。
「まさか!」「ええ!」と驚くふたり。
しかし、その依頼メールには“ふたりがゲスト出演した『ナイツのちゃきちゃき大放送』で『キョートリアル!』の存在を知った”という文面が。徳井は「ああいうラジオに出ないとどこにも届いてなかったってことか!」と嘆いた。
KBS京都・東京支社の片隅にある狭い一室に作られた、机の上にマイクだけが設置された簡易的なラジオブース。そこに1台のPCが置かれ、リモートでディレクターが指示をしている。
チュートリアルはたったふたりでその部屋に入り、ふたりきりで話していた。
2002年からつづくラジオ番組『キョートリアル!コンニチ的チュートリアル』(KBS京都)は、現在そのように収録されている。
目次
とにかく誰にも知られていない『キョートリアル!』
──『ナイツのちゃきちゃき大放送』(TBSラジオ)にゲスト出演した際に、『キョートリアル!』が「びっくりするほど注目されていない」とおっしゃっていましたね。
徳井 謙遜とかじゃないんですよね。本当にそうなので。始めて2、3年のラジオなら街を歩いて声かけられも「『キョートリアル!』聴いてます」って言われなくてもしょうがないとは思うんですけど、20年やってますからね。それでここまで誰にも知られず、メディアの方々からも取り上げられずっていう。
福田 普通は「TBSラジオでKBS京都のラジオ番組の宣伝する」というのはなかなかないと思うんですけど、誰も止めないんですよね。なぜなら知らないから(笑)。ライバルとかそういう関係じゃない。ナイツだって知らないですから。徳井が一昨年の年末に問題を起こして『キョートリアル!』で復帰するってなったときですら、大して話題にならへん。
徳井 僕らは「サイレントリスナー」って呼んでますけど、やっぱりリスナーって見えないじゃないですか。誰もずっと疑問に思わないまま20年やってきたけど、ホンマに20人くらいしか聴いてないんじゃないかって真剣に思ったことがある。
福田 『クイック・ジャパン』さんとかいろんな雑誌でラジオ特集あるじゃないですか。「なんで1回も取材されないんだ」ってずっと言いつづけてきたんです。変わったことやらな注目されへんってなって、エンディングで「心都情夜」っていう演歌を流し始めたんです。『クイック・ジャパン』が食いついてくるんじゃないかって。僕の元バイト先の店長の速水(吉平)さんが演歌歌手みたいなことをしてるんで、徳井の昔の相方の辻野(康司)くんとデュエットで流した。そんな奇策をやった末に、やっとナイツのおかげで取材が来た(笑)。
ほかのラジオの<規模のデカさ>に面を食らう
──一番驚いたのは、構成作家さんもいないことなんですけど、KBS京都では普通のことなんですか?
徳井 いやいや、ほかの番組はちゃんと作家さんもついてると思いますよ。でもミキとか芸人の番組はあんまりついてないかもしれない。始まりからそうだったので、これに対してはあまり疑問は持たなかったんですけど、やっぱほかの人のラジオに行くにつれ、規模のデカさに面食らうんですよね(笑)。
福田 「このメール読んでください」って作家さんから渡されるとびっくりするよな。俺らは全部自分で選んでるんで。
──ディレクターさんもリモートなんですね。
徳井 それはコロナ禍になってからです。それまでは女性ディレクターが東京に来て、東京観光して帰っていくっていう(笑)。今、リモートなんでストレス溜まってると思います。
福田 東京に来てるころは、収録の前日になると銀シャリの橋本(直)のところに「おいしいラーメン屋知りませんか?」とか連絡来てたって(笑)。
──もともとは2001年から『金曜ナマチュー』という番組が始まったんですよね。そのオファーを聞いたときはどう思われましたか?
福田 単純に地元・京都でラジオのレギュラーをやらせてもらえるなんてスゴいなって思いましたね。めっちゃうれしかった。
徳井 初の冠番組でしたしね。
──おふたり共ラジオはあまり聴いてこなかったそうですね。
徳井 全然聴いてない。ユーミンの『サウンドアドベンチャー』(TOKYO FM)くらい。だからプレーンな状態でした。芸人さんのラジオってこういう感じっていう像がなかった。
福田 芸人さんによっては、絶対にラジオの冠番組を持ちたいっていう人もけっこういますけど、僕らはふたり共、そんなにラジオに対しては思い入れはなかったですね。
徳井 そういうのが番組に出てたかもね。それでいろんな雑誌のラジオ特集の編集さんの食指が動かなかったのか(笑)。
──デビュー当時、漫才ももちろん評価されていたと思いますが、どうしても「イケメン」みたいなところに注目が集まっていたと思いますが、顔が見えないラジオは武器が一個なくなるという感じだったのでしょうか。それとも、やりやすかった?
徳井 最初のころは、見た目どうこうは邪魔でしかなかったので、顔が映らないってことはなんとも思わなかったですね。もともと同級生でふたりでしゃべってたことをそのままラジオでできるっていう、楽しさしかなかったです。
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