四千頭身・都築拓紀「仕事が減ってもいい」と思えて楽しくなった

2021.2.18
四千頭身・都築拓紀

文=山本大樹 撮影=青山裕企
編集=田島太陽


大御所や先輩芸人にも臆せずツッコみ、得意のマシンガントークで収録を盛り上げる。四千頭身の都築拓紀は今、「バラエティがめっちゃ楽しいです」と笑顔で語る。

そんな彼も、たった3年ほど前までは「何をしゃべったらウケるのかわからない」と頭を抱えて収録に臨んでいた。知っている先輩もいない、テレビのルールもわからない──デビューから間もない時期、バラエティの壁を3人で乗り越えた日々を振り返る。

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ガンガンいけるのは先輩のおかげ

都築拓紀(つづき・ひろき)1997年3月20日生まれ。茨城県出身

──都築さんは先輩にも臆せずにガンガン行きますよね。いい意味で遠慮がないというか、「年下だから一歩引いて……」という感じがしないのがすごいと思います。

そうですね、別に「ガンガン行ってやろう」って意気込んでるわけじゃないですけど(笑)。

──自然とああいう感じになるんですか?

やっぱりそこは、先輩のみなさんの懐の広さですよね。みなさんの懐に僕がお邪魔しているというか……。普段から楽屋で先輩にばんばんツッコんでも笑ってくれるから、カメラが回っても緊張しないんです。本当に、先輩のおかげだと思いますし、収録中だけじゃなくて裏でも助けられてますね。

たとえば、一時期サンドウィッチマンさんの番組によく出させてもらってたんですけど、サンドさんは後藤だけじゃなくて僕とか石橋のこともイジってくれて。だから「もうちょっと踏み込んで発言してみよう」って思えたり。少しずつ、そういう感覚が掴めてきたのかもしれません。

──テレビに出始めたころと比べると、視野が広がった感覚ですか?

そうですね。正直最初のころは全然、緊張はするし、何しゃべっていいかわからないし。だんだん収録がきっかけでいろんな人と仲よくなって、先輩とも話ができるようになりましたけど、「テレビって楽しいな」と思えるようになったのはここ1、2年くらいですね。バラエティも最初のうちは、トークの順番が回ってきても全然ダメで。トークがウケても、なんで笑いが起きてるのかイマイチわかってなかったり……。

「仕事が減ってもいいや」と思えた

──確かにかなり若いうちからバラエティに出演されていますし、慣れないことも多かったのではないでしょうか。

もう最初は大変でした。『新しい波24』(フジテレビ)のオーディションで僕らのことを最初に評価してくれたディレクターさんがいるんですけど、番組が始まってからは何回もその方とトークの打ち合わせをして。「そのエピソードはこう話さないと笑いにならないでしょ」とか、いろんなアドバイスとお説教をしてもらいました(笑)。正直、「テレビ出るの、しんどっ!」って思ってましたね、最初は。

今だったら「こう話せばMCの人が食いついてくれるかも」って考えられますけど、当時はもう「何を話せばいいんだよ」って思いながら。頭抱えて本番に臨んでました。

四千頭身・都築拓紀

──今の都築さんの姿からは想像がつかないですね。

それまではただ、しゃべるのが好きだし、しゃべれるほうだと思ってたんですけど、芸人になって初めて真剣に考えました。「その話はちゃんと固有名詞がないと伝わらないよ」とか言われて、「いやすみません、僕もう何もわかんないっす……」って言いながら(笑)。バラエティで何がおもしろくなるのか、少しずつ覚えていった感じです。

──そこからどうやって収録を楽しめるようになったんですか?

今も同じような悩みはいっぱいありますけどね。でも、極論を言えば「仕事が減ってもいいや」って思えるようになったんです。すごい吹っ切れてるわけではないですけど、「この番組は絶対外せないな」とか「この企画は失敗できないな」とか、そういう気持ちは減りましたね。

一つひとつの仕事を純粋に一生懸命やった上で、うまくいったらいいですけど、うまくいかなくて仕事が減ってもそれはそれだしな、と思えるようになった感じです。もうちょっと引いた視点で、「ここはうまくいかなかったから次はこうしよう」って冷静に考えられるようになりました。

「仲がいい」って言われると冷めちゃうんですよ

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