「仲がいい」って言われると冷めちゃうんですよ
──20代では特に、「失敗してもいい」と割り切るのはなかなか難しいですよね。
でも、気にしてもしょうがないですよ。そんなに大きく意識を変えるのも無理なんで、日々、微調整です。あとは先輩とかほかの芸人と楽屋で話してるときから、「この人を笑わせるにはどうすればいいんだろう」っていうのはめっちゃ考えるようにしてました。三四郎の相田(周二)さんとか、ハナコの菊田(竜大)さんとかに自分から絡みにいったりとか。上の先輩だと、ナイツの塙(宣之)さんともたまに話せることがあるんで。
カメラが回ってなくても「どうやって笑わそう」っていつも考えてます。目の前にいる人が、僕の何をおもしろいと思ってくれるのかは知りたいんで。
──普段の会話の積み重ねが笑いにつながるんですね。
それこそ3人でのロケだったら、相方がお客さんなんで、そこさえ笑ってくれればいいというか。相方を笑わせる手段なんて、楽屋とか普段の会話にヒントがいっぱいありますから。
──相方を笑わせたい、という思いが根本にあるんでしょうか。
最悪、相方さえウケてればいいやっていうのはあります。『お笑いG7サミット』(日本テレビ)でトークしてるときに、「今日は調子いいな、めっちゃウケてるな」と思って気持ちよくしゃべってたら、後藤と石橋しか笑ってないことがあったんです。近くで笑い声が聞こえるからスタジオも盛り上がってると思ったら、「お前らしか笑ってねえじゃん」って(笑)。でもそれはそれでいいか、って。そこを赤点回避ラインにしてます。
──逆に後藤さん、石橋さんのトークを聴いて「すごいな」と思うこともありますか?
ありますあります、「いいボケするなあ」とか「よく今のワード出てきたな」とか。逆にスベっててもおもしろいですからね。「こいつスベってんな」って思いながら笑えるんで。でも、前はそんなこと思えなかったというか、スベったら焦るし、3人ともテンパって終わることもあったんですけど。スベってもおもしろいと思えるようになってから、テレビはわりと楽しくやれてます。
──「スベってもおもしろい」と思えるのは、3人の信頼関係があるからこそですね。
まあコンビでやってる芸人さんも、みなさんそうだと思うんですけどね。インタビューでこういうこと話して「やっぱり四千頭身はめっちゃ仲がいい」って言われると冷めちゃうんですよ、天邪鬼なんで(笑)。まあ、もちろん事実としていい関係性ではあると思うんですけど。
──なるほど、そうなんですね。
絆が深いのは俺らだけじゃないよ、って言いたいです(笑)!
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【総力特集】四千頭身 静かな情熱、飾らないスタイル
飄々としていて、掴みどころがなく、特異な存在感を放つ四千頭身。
都築拓紀、石橋遼大、後藤拓実のそれぞれにインタビューを行い、三者三様の情熱・スタイル・戦い方を解き明かす。関連リンク