緑黄色社会『SINGALONG』:PR

あふれ出た想いがすべて音楽になる。緑黄色社会が考える“誰かの心に残る歌”とは?

2020.9.30

思い出も新発見もあった1枚

――つづいて『SINGALONG』についてお伺いしたいと思います。4月にデジタルでリリースしたものが、ようやくCDで発売されます。

長屋 配信ができたのもうれしかったんですけど、やっぱり物として残したいなって。今回は3形態あって、どれも楽しんでもらえるように工夫をしました。耳で聴いて目で見て、ぜひ思い出に残してもらいたいです。

小林 (初回生産限定盤を)ギフトボックス仕様にしたのは、友達に貸したりプレゼントとして渡したりしてもらいたい、という思いもありました。

長屋 CDを交換する文化はなくなってほしくないよね。

穴見 好きな子に、お気に入りのCDを貸すやつ。あれも絶対になくしちゃダメ。

長屋 ストリーミングでいろんな音楽が聴けるのも便利だけど、CDにはCDのよさがある。私は手汗でぐしゃぐしゃになるくらい歌詞カードを読み込んだし、隅々までクレジットに目を通していたので。データだけだと味わえない良さって尊いですよね。

――初めて緑黄色社会を聴く人におすすめするならどの曲ですか。

長屋 最初に聴くなら「Mela!」ですね。

peppe 私もそう。

長屋 一番覚えやすいし、耳に入ってくると思う。それでいて、1曲の中に4人の個性がすごく出ているので。

穴見 女性と男性がいるバンドってことがコーラスでわかるし。

小林 もともとアニメーションありきで作った音楽だったので、YouTubeでMVも観てほしいです。

長屋 入門編には、本当にもってこいの曲だと思います。『SINGALONG』だけじゃなく、緑黄色社会の入門としておすすめしたいです。

撮影は8月の終わりの夜に行われた

――それぞれのお気に入りの曲についても教えていただけますか。また、その曲にキャッチコピーをつけていただけるとうれしいです。

小林 僕は「SINGALONG」です。「アルバム1曲目から聴いてほしい」という思いもあるんですけど、言葉がないのに熱がある曲に仕上がったので。「SINGALONG」はアルバムに収録する曲が出そろってから、「序曲があったほうがいいんじゃないか」という話になって作った作品なんです。歌詞がない曲なんですけど、LASTorderさんのアレンジと相まってパワーを発揮するナンバーになりました。この曲から「sabotage」の流れで聴いてほしいです。

――ゴスペルみたいなパワーがある曲ですよね。

小林 ゴスペルはテーマとしてありました。

――では、コピーはどうしましょう。

小林 「言葉なき叫び」。

一同 お~~。

peppe いいコピー! ハードル上がり過ぎ(笑)。私は、お気に入りの曲も「Mela!」なんですよね。

緑黄色社会 『Mela!』Music Video / Ryokuoushoku Shakai – Mela!

――曲のきっかけを作ったのも、peppeさんでしたよね。

peppe ジャズっぽいものを作りたいなと思っていたんです。いつもどおりピアノでイントロになりそうなフレーズを考えてたんですけどうまく広げられず、真吾に「Please help me!」って(笑)。「こういうのがあるんだけど……」って渡したら、私のイメージをすぐに汲み取ってくれて。そこからの展開は早かったですね。

穴見 完全にコミュニケーションが取れてたもんね。

peppe トントントンってスムーズに曲ができていったので、気持ちよかったです。種を植えたのは私なんですけど、「Mela!」はまだまだ成長している気がしていて。縦にも横にも広がっていく曲ができたなって思っています。けっこう幅広い年代の方にも聴いていただけているみたいで。みんなで作れて本当によかったし、これからも止まらずにそういう曲を作っていきたいと思いました。

――では、コピーはどうしましょうか。

peppe 「今年の流行語は“今なんじゃない?”」(※編集部注:「Mela!」の歌詞をチェック!)でお願いします。

――つづいて穴見さん、お願いします。

穴見 僕の推し曲は「一歩」です。好きな理由は、“長屋晴子”という楽器であり人間を一番おいしく味わえるから。もともと微妙な距離感を描いた曲が好きなんですけど、それを儚げに歌う感じがよくて。青春感があって、刹那的。おすすめしたい曲ですね。

peppe 全世界で長屋しか、この曲は書けないと思います。日本ではなく、世界単位で見て。

――この曲は、ベースラインも素敵ですよね。

穴見 それも好きな理由のひとつかもしれないです。今まではR&Bと長屋っぽさが、あまりリンクしてこなかったんですよ。「一歩」ではどちらも両立しているのが最高。僕もベースで歌わせていただきました。キャッチコピーは「セツナガヤ、ここにあり」で!

――ラストは長屋さんです。

長屋 私は「愛のかたち」です。昔から音楽にしてもファッションにしても、普通じゃないけど大きく逸れてない、ちょっとした違和感があるものがすごく好きで。そういう違和感を自分らしく表現できた曲だと思っています。

――違和感ですか。

長屋 曲調的にはほんわかゆるい感じだけど、けっこう深いことを言ってるというか……。あまり深いとか言いたくないんですけど、自分としては本当に伝えたいことをまっすぐ書けました。ほかの人が気づかないようなことを曲にするのが好きなので、それも含めて自分らしいかなって。最初に聴いた印象と歌詞の意味に気づいてからでは聴こえ方が違うと思うので、二度楽しんでほしいですね。

小林 この曲を聴いて、偏った恋愛をしがちなのを改めなきゃって思ったよ。

長屋 でも、恋愛に限ったことじゃないんですよね。人がたくさんいるからまわりと比べてしまいがちになるけど、それを「これでいいよ」と言ってあげられることって素晴らしい。自分ができてないからこそ、こういう曲ができるんだと思うので、ちゃんと付き合っていきたいテーマです。

――キャッチコピーは、どうしましょうか。

長屋 「忘れたら、ここに戻っておいで」にしておきます。本当に見失いがちなことなので、この曲を人生の指標にしたいと思います。

緑黄色社会の真髄は、長屋晴子


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ライター_坂井彩花

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坂井彩花

(さかい・あやか)1991年、群馬県生まれ。ライター、キュレーター。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。『Rolling Stone Japan Web』『Billboard JAPAN』『Real Sound』などで記事を執筆。エンタテインメントとカルチャーが..