下ネタは、良識ある大人も笑えるようにしたい
――物語の主人公は、大学卒業後も家庭教師のアルバイトをつづけている青年です。水川さんも学生時代は家庭教師のアルバイトをしていたんですよね。
水川 そうですね。コントだったらある程度はごまかせるんですけど、小説で細かく書くとなると、やっぱり自分に経験がないと話を発展させられないと思ったので。僕、あんまりアルバイトをちゃんとしたことがなくて。家庭教師とコンビニ店員とお寿司屋さんの中から、話が広げられそうな家庭教師を選びました。
――あの自己中心的な主人公もご自身がモデルなんでしょうか?
水川 いや、モデルは後輩芸人のジャンボたかお(レインボー)です。
――そうだったんですね。家庭教師先の教え子の誠司くんや彼のお母さんなど、ほかの登場人物も魅力的でした。
水川 誠司くんは素直で人懐っこいキャラクターなんですが、彼は実際に家庭教師のアルバイトをしていたころの教え子がモデルになっていて。すごくいい子だったんですよ。ちゃんとお母さんのお手伝いもするし、年の離れた妹の世話もしてて……。その子のことを思い出しながら書きました。
――誠司くんのお母さんも?
水川 そうですね、誠司くんのモデルになった子とはまた別のご家庭なんですけど、実際に僕が家庭教師のアルバイトをしてたころに、好きなお母さんがいて……“好きなお母さん”って言うとめちゃめちゃ気持ち悪いですけど(笑)。家庭教師先のシングルマザーの方にそういう恋心を抱いてた時期があって、そのお母さんがモデルです。
――チャットセックスという題材を扱いながら、読者に不快感を与えないエロティックな描写も素晴らしかったです。普段からコントで「エロ」を描く際に意識していることはありますか?
水川 普段、僕はあんまりエロとか下ネタの話を自分からはしないので、コントで発散してるような部分はあるかもしれないです。ただ、「自分のお父さんがこれを見て笑えるか?」というのはけっこう意識してますね。“芸人が笑うかどうか”で考えちゃうと、やり過ぎてお客さんが引いちゃうこともあるので。僕のお父さんは社会で働いてる良識のある大人というか、ちゃんとした人なんで、下ネタを書くときはそういう人が見て笑えるようなものにしたいと思っています。
――初めての小説を書き上げて、手応えは感じましたか?
水川 今までは何か書くにしてもコントの台本とかだったんで、長い文章を書くっていうのは初めてで。本当に、ほんっっっとうに大変でした。改めて、小説家の方ってすごいことをやってるんだなと思いました。すごく勉強になりましたし、めっちゃいい経験になりました。ぜひ読んでくれたらうれしいです!
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QuickJapan Presents ライブ配信朗読劇『アサミ〜愛の夢〜』
日時:7月10日(金)21時〜
出演者:水川かたまり・鈴木もぐら(空気階段)、根尾あかり
YouTube「空気階段チャンネル」にて生配信※詳細は後日『クイック・ジャパン』公式 Twitter(@QJ_official)にて発表予定
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