【場面写真11枚】映画『ヒプノシスマイク』白井悠介×葉山翔太の“引っ張らない”リーダー論「バラバラ感がいいかたちになる」

8年前に突如生まれた『ヒプノシスマイク』。ZeebraやAwichなど多数のアーティストを楽曲制作に迎え、一度聴くとその世界観にどっぷりとのめり込んでしまう、唯一無二のキャラクターラッププロジェクトに成長した。
2月17日発売の『Quick Japan』vol.176には、映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』公開を記念して、白井悠介(飴村乱数役)と葉山翔太(波羅夷空却役)の対談インタビューを収録。
QJWebでは、本誌インタビューの一部に加えて未公開部分も併せて公開する。それぞれディビジョンのリーダーを演じるふたりは、どのようにチームを引っ張り、キャラクターの想いを表現しているのか。
10秒の選択が結末を決める「リアルタイム投票」
──本作は日本初のインタラクティブ映画で、観客の選択によって上映回ごとに展開や結末が変わるとのこと。おふたりは演じる上でどういったところを意識されましたか?
白井 前回のセカンドバトルでは、原作のストーリーを追いつつ、最終的には我々が実際にステージに立ってライブをして、そのパフォーマンスを観て投票していただくかたちでした。でも、今回は映画館でキャラクターたちが戦います。今までとは少し違うバトルになりますし、集大成的なファイナルバトルですので、今まで以上にお芝居の部分で気持ちを込めてやらせていただきました。
葉山 僕はセカンドバトルからの参加でしたけど、今回はバトルの熱気がよりいっそう出ているな、と思いました。今まで勝者はひと組しか生まれない、一度決まると覆ることはない結果だったんですけど、今回は48通りの分岐と7通りのラストがあります。応援してくれているみなさんが観たい景色が観られるのはすごくいい試みですし、一方で監督たちの仕事量は凄まじかったんだろうな、とも思います。

──まさに観客のみなさんと一緒に物語を作っていくような感覚ですよね。
白井 今まで、リアルタイム投票というものがなかったですからね。あらかじめ決められたストーリーの中の選択肢から選んでいくゲームはよくありますけど、劇場で、その場で投票して結果が変わっていくのはすごく斬新です。
しかも、投票時間が10秒なんですよ。本当にあっという間です。みなさん推しのディビジョンに投票すると思うんですけど、ほかのディビジョン同士のバトルもあるわけです。まだ推しが定まっていない方や、初めて観る方が、その10秒間で決めるのは難しいですよね。どっちがよかったかなんて決められない!どっちもいい!と思ってしまいそう。

葉山 そうですね。楽曲にしたって、どちらかに優劣があるようには作っていませんから。「今日はオオサカのリリックが刺さったな」というようなこともあるかもしれない。
白井 そうそう。「こっちの歌詞が今の自分に刺さる」というものはあると思いますね。

葉山 映像も、迫力が想像以上で、僕自身ものめり込みましたね。画面のほうからキャラクターが向かってくるような感覚で、こちら側もグッと入っていける。すごいエンタメだな、と思いました。
白井 長い年月をかけていろんな想いを詰め込んでこだわり抜いて作った作品だということが一目見て伝わってきます。クオリティはとんでもなく高いので、音楽として、ライブとして、いろんな角度で楽しめる作品になっていると思います。

「キャラクターが生きている」と実感できる
──ラップには、どのようにご自身の役の感情を乗せたり、個性を表現されたのでしょうか。
葉山 僕は、バトルというところでやっぱり血沸き肉躍るじゃないですけど(笑)。セカンドバトルのときがすごく楽しかった記憶があるので、それを意識しながら楽しく役に向かい合って収録しました。

白井 今まで彼らが歩んできた物語と思いがあるので、それをそのままリリックに込めてぶつけるというかたちでレコーディングさせていただきました。そこに演出も乗って、相乗効果でふくらんでいった気がします。
葉山 年月を重ねたぶん、リアルに(この世界に)いるんだな、ということを観ていて感じましたね。肉体を与えられていたというか。
白井 キャラクターが生きている感じがしますよね。

葉山 僕たちの声だけじゃなく、アニメーションでも、肉体としての体の構造や動き方が、パッと見て「生きているんだな」と実感できます。そういう面では、あとから肉を足してくださった方たちのお力だな、と思いますね。
リーダーだけど「引っ張る」意識はない
──おふたりが演じる飴村乱数と波羅夷空却は、それぞれシブヤ・ディビジョン、ナゴヤ・ディビジョンのリーダーです。これまでどのように自分のディビジョンを引っ張り、世界観を作り上げてきたのでしょうか。
白井 僕は引っ張っているつもりはないんです。乱数的にも、最初は強引に引っ張っていたんですけど、いろいろと抱えるものがあって……いつの間にか乱数が(夢野)幻太郎と(有栖川)帝統に支えられていたんだと思います。だから、今は3人でひとつになって突き進んでいるな、と思います。そういうところが今回の新曲にも出てるんじゃないかな。

葉山 僕は……ほかのディビジョンには敵わないな、と思っています。
白井 また、そんな!(笑)
葉山 だってもう最初からいらっしゃる方たちですし、同時期に参加したオオサカにはキャラの濃い人たちがいらっしゃいますし、ラップも上手ですし……。シブヤは傍目から見ていても、ライブ中でもお互いにアイコンタクトで意思疎通をしながら動けているイメージがありますね。

白井 けっこう、アドリブだったりするかもしれないですよ(笑)。
葉山 それをお互い、そんなに言葉を交わさなくてもできてるってことですもんね、きっと。
白井 ざっくりとした動きは事前に共有し合うこともあるけど、その場でアイデアが出たものもやっぱりありますね。それは、どのディビジョンでもそうだと思うけど。
葉山 でも、それを(斉藤)壮馬さんや野津山(幸宏)くんがセンサーで敏感に察知している。そういう部分で、僕も「ほかのディビジョンに敵わねぇな」と思ったりしているんです。
白井 そんな、葉山くんだって、ステージ上でひとたび立てば、蹴り飛ばしたり、すごい勢いで……。

葉山 ステージだしいいかな、と思って。装置を壊さないようにだけ気をつけています(笑)。ナゴヤは、お互いがお互いに対して悔しがっているんですよね。「あいつ、いいとこ持ってんな!」って、3人がそれぞれ思っているんです。
でも、リーダーとしては、僕も引っ張るという意識はありません。僕は僕で楽しむし、やりたいと思っていることをやる。榊原(優希)さんも竹内(栄治)さんも、とてつもないパワーを持っているので、それぞれでやっているバラバラ感がナゴヤはいいかたちになっているんじゃないかな、とライブを重ねて思いますね。

葉山翔太×白井悠介インタビューも収録『Quick Japan』発売中!

現在発売中の『Quick Japan』vol.176には、映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』公開を記念して葉山翔太と白井悠介のインタビューを収録。『ヒプマイ』の世界観にのめり込んでしまう理由をさらに深掘る。本誌限定の2ショットも掲載。
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