JO1、初のアリーナツアー千秋楽で見せつけた“経験値”。リーダー・與那城奨「いい思い出になった」とハプニングにも笑顔

2022.10.25

「JO1はいつでもJAMのことを支えます」

かつて豆原一成が「俺ら、できるのかなと思った」と話していた「Speed of Light」は、もはや“魅せる”領域にまで達していた。11人が、目配せもなく縦横無尽にフォーメーションを変えていく姿に、どれほどの練習量と信頼関係があるのかを想像する。後半戦にもかかわらず、同曲から河野純喜のボーカルはさらに進化。特に「GrandMaster」まで立てつづけに、圧巻の声量を響かせた。

『2022 JO1 1ST ARENA LIVE TOUR ‘KIZUNA’』10月23日、東京公演より (c)LAPONE ENTERTAINMENT
『2022 JO1 1ST ARENA LIVE TOUR ‘KIZUNA’』10月23日、東京公演より (c)LAPONE ENTERTAINMENT

歌うことが大好きで、歌に関して譲れない思いを抱きつづけてきた河野。曲が終わってもまだ歌いつづける姿に、歌への愛が伝わった。涙ながらに言葉を紡ぐ河野の一生懸命な姿に、どうしてか笑ってしまうメンバーたち。コメントの最後を彼が締め括るのは、本ツアーで生まれたお約束。今後もお決まりとなるのだろうかと考えるのも楽しい。

河野純喜 (c)LAPONE ENTERTAINMENT
河野純喜 (c)LAPONE ENTERTAINMENT

声においては、鶴房汐恩の存在も欠かすことができない。「YOLO‐konde」ではデスボイスで唸るも、「Running」ではハスキーで少年的な、温もりのある歌声を届けた。同曲では、與那城&川尻のお兄さんメンバーとステージに立った鶴房。彼らの目を見て真剣に呼吸を合わせる姿には、ほんの少しの幼さが見え、「永遠の反抗期」はどこへやら。與那城がイジられると真っ先に味方になるのも、優しい彼の愛おしいところだ。

鶴房汐恩 (c)LAPONE ENTERTAINMENT
鶴房汐恩 (c)LAPONE ENTERTAINMENT

ライブができなかった期間のことを「ステージに立ちたくてオーディションを受けたのに」と、木全が話してくれたことがある。「何やってるんだろうなと思った」と。昨年の初有観客ライブでは「ずっとついてきてくれますか」と、涙ながらに語った木全。今年は「JO1はいつでもJAMのことを支えます」「またね」と締め括った。スキル、センス、そして思いやり。オールラウンダーのサブリーダーは、優しい心はそのままに、ひと回り強く、たくましくなった。

木全翔也 (c)LAPONE ENTERTAINMENT
木全翔也 (c)LAPONE ENTERTAINMENT

同じく昨年のライブで、ステージを降りてからこっそりと泣いていた川西拓実。今日もJAMの前では涙を見せず、笑顔だった。その声の特性もあってか、彼が歌うとパッと世界が拓けるような感覚がある。当たり前の準備を努力だとは思わないと、「センス」だと笑って話してくれた川西。徹底して“川西拓実”であろうとするアイドル性と、メンバーの弟であり兄である中間のポジション、貴重なツッコミ役。歌い出しを多く担う斬り込み隊長としても、ライブを通して改めて、彼の存在の大きさを感じた。

川西拓実 (c)LAPONE ENTERTAINMENT
川西拓実 (c)LAPONE ENTERTAINMENT

いつも「パフォーマンスが大好き」だと言い切り、練習を大切にする豆原。終始楽しさがあふれていたステージの最後には珍しく、「20歳の成人男性ですから」と、悩みや葛藤もあると明かした。昨年、豆原にこれからのことを尋ねると「わからない」と返ってきた。時代も時代、それも人気商売。「来年のことはわからない」と。そんな彼がステージで、5年後10年後の話をした。それにつづくように、メンバーが皆、未来の話をした。その未来には当たり前にJO1がいて、JAMがいた。ただそれだけのことが、とてもうれしかった。

豆原一成 (c)LAPONE ENTERTAINMENT
豆原一成 (c)LAPONE ENTERTAINMENT

リーダー・與那城は、「11人でなければ」といつも言う。彼自身が輝く魅力を持っているにもかかわらず、だ。どんなときもご機嫌な彼はライブでも同じく、1曲の中でも表情をくるくると変え、時にメンバーやJAMを優しい表情で見つめていた。そんな彼が、バースデーサプライズに思わず見せた涙。「奨くんは泣いちゃいかん」(木全)、「奨くんが泣くのは違う!(涙腺に)くるから!」(鶴房)と、驚きを隠せない弟メンバーたちの言葉から、強く優しいリーダーの愛されぶりが伝わってきた。

與那城奨 (c)LAPONE ENTERTAINMENT
與那城奨 (c)LAPONE ENTERTAINMENT

ライブでは、楽曲の持つ意味がこれまでとは異なって感じることがままある。たとえば「REAL」。<This is no dream, so real>のフレーズに、夢を叶えたJO1の姿が重なった。デビュー前の自身らについて語った、川尻の言葉も思い出す。ようやく手にした夢のような時間も、彼ら自身が掴み取った現実だ。また「With Us」も、モニターに映る歌詞と彼らの笑顔、“これから”を約束してくれたあのタイミングで歌うからこそ、心から楽曲のメッセージを理解することができた。

最後に届けてくれた「君のまま」。ここでも、終わりではなく「一緒に歩きつづけて行くこと」を感じさせてくれた。

<きっと素敵なことが 迎えに来るよ>

この日のライブを糧に、そう信じて生きていける気がした。

『2022 JO1 1ST ARENA LIVE TOUR ‘KIZUNA’』10月23日、東京公演より (c)LAPONE ENTERTAINMENT
JO1 (c)LAPONE ENTERTAINMENT

『2022 JO1 1ST ARENA LIVE TOUR ‘KIZUNA’』セットリスト(2022年10月23日、有明アリーナ)
01. Move The Soul
02. Born To Be Wild
03. Algorithm
04. YOLO-konde
05. Walk It Like I Talk It
06. Shine A Light
07. 僕らの季節
08. Running(川尻・鶴房・與那城)
09. Get Inside Me(大平・川西・木全・河野)
10. KungChiKiTa(金城・佐藤・白岩・豆原)
11. Be With You(足跡)
12. ZERO
13. 流星雨
14. SuperCali
15. 無限大
16. La Pa Pa Pam
17. Rose
18. Speed of Light
19. OH-EH-OH
20. GrandMaster
21. REAL
──アンコール──
22. Dreaming Night
23. Touch!
24. STAY
25. My Friends
26. Run&Go
27. With Us
──ダブルアンコール──
28. 君のまま

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