9bic、3周年ライブで見せた“アイドルとしての覚悟”。ペンライト輝く光景に「みんなが作ってくれた景色が世界で一番きれい」

2022.8.6


周年ライブならではの“特別”な見せ場

周年ライブでは、毎回“特別”を用意してくれる9bic。3度目となる今回は、個々に分かれての見せ場がメインとなった。ソロソングの「ありのまんま」を投下し、先陣を切ったのは仮屋瀬さつきだ。彼の憧れや好きがギュッと詰め込まれたステージは愛にあふれ、持ち前の歌唱力も存分に発揮されていた。

仮屋瀬さつき/『9bic 3rd Anniversary Live ~ARK~』より
仮屋瀬さつき/『9bic 3rd Anniversary Live ~ARK~』より

市川慶一郎のイメージソングともいわれている「別に嫌いじゃねーよ」は、市川・椚・六花の3人で披露。ボディラインが出る真っ黒な衣装や鎖でつながれた演出は妖艶で、大人の色気を強く香らせた。

市川慶一郎/『9bic 3rd Anniversary Live ~ARK~』より
市川慶一郎/『9bic 3rd Anniversary Live ~ARK~』より

再び6人に戻ると、刺激的なサウンドの「creature」を投入し、オーディエンスの熱を煽っていく。一瞬姿を消した市川は、ドラムセットに座った状態でポップアップに乗って登場。「secret love」でエモーショナルなドラムプレイを繰り広げた。

椚のソロダンスとアクロバットが会場を沸かせた「狂気」。ふたりのダンサーを相手に魅せられるパルクールは、無意識に息を飲んでしまうクオリティ。ソロパート後はメンバーも合流し、チームワーク抜群のメリハリあるダンスを展開した。

四季涼雅のソロパートでは、桜menの花原京正・古里祐一郎が奏でる和太鼓の演奏と共に空手の型や瓦割りをパフォーマンス。かわいらしく美少年なイメージの強い四季も、メンバーカラーの入った道着を見にまとうと、いつになく凛々しい佇まいである。流れるように「中辛エクスタシー」へとつなぎ、キャッチーな歌とダンスで会場を魅了した。

四季涼雅/『9bic 3rd Anniversary Live ~ARK~』より
四季涼雅/『9bic 3rd Anniversary Live ~ARK~』より

9bicメンバーが3つのチームに分かれてなぞなぞや文章ゲームにチャレンジする「えらいえらい王 決定戦」のVTRが流れ、最新リリースの「今日も生きててえらいえらい!」に導かれる。ザ・アイドルを濃縮したポップソングは9bicのキラキラしたオーラをこれでもかと増幅し、MVでも着用していた色とりどりの布があしらわれた衣装は、彼らが踊るたびにヒラヒラと舞った。ガムシャラな熱量で「99%」を歌い上げると、ラストスパートに向けてギアを踏み込んでいく。

周年スペシャルコンテンツのトリを飾ったのは、双葉と六花からなるtwi9star(トゥイックスター)による「絶対的アンフレール」だ。シンメトリーやアシンメトリーの振り付けを器用にこなすダンスパートにつながれたキュートなナンバーは、イメージの幅が広くて破壊力が抜群。カッコイイもカワイイも堂々と表現し、たったふたりでもアイドルできることをまざまざと証明した。

六花清春/『9bic 3rd Anniversary Live ~ARK~』より
六花清春/『9bic 3rd Anniversary Live ~ARK~』より

9bicのパフォーマンスと立方隊のペンライトで作り上げた3周年ライブ

「ONE!」でメンバーが集合すると、いよいよ後半戦に突入。仮屋瀬が「3年間、いつもペンライトを振ってくれてありがとう。みんなが作ってくれた景色が世界で一番きれいです」と告げ、3周年のアニバーサリーソングである「カラフル」へ結ばれた。<君の明日を彩る希望の光が 僕と同じ色になりますように>と紡ぐ歌声は、一直線に立方隊の心に突き刺さる。

彼らから放たれた音楽はペンライトの光と重なり合い、コロナ禍というコミュニケーションが取りにくい時期を、音や歌詞、光をマーブリングしながら超えてきたことを示唆していた。天井からは花吹雪も舞い、メンバーの瞳がウルウルと光に反射する。

メンバーカラーに光るペンライトを持ったファンが会場を埋め尽くしていた/『9bic 3rd Anniversary Live ~ARK~』より
メンバーカラーに光るペンライトを持ったファンが会場を埋め尽くしていた/『9bic 3rd Anniversary Live ~ARK~』より

それでもしっかり盛り上げ切って終わるのが、ザ・アイドルたる9bic。「U.F.O GAME」により場内の空気をガラッと変えると、ラストへ向けて駆け抜けていく。<チュッチュッチュ!>のパートでは、双葉があざといウインクを放ちファンをノックアウト。「カフェラテ」「Hero」「make up!」でリメイクした「マッシュアップ」で大トリを飾ると、瞬きするのも惜しい21曲を完逐したのだった。

双葉小太郎/『9bic 3rd Anniversary Live ~ARK~』より
双葉小太郎/『9bic 3rd Anniversary Live ~ARK~』より

メンバーカラーのTシャツに着替えた6人は再度ステージへ現れ、双葉が作詞・作曲した「僕らのインペリアル」によりアンコールがスタート。今までにリリースした楽曲の振り付けを混ぜ合わせたようなコレオグラフは、想いのこもった歌詞と重なり抒情的にオーディエンスに訴えかける。その後は「革命シューター」「そんなの好きになっちゃうじゃん。」を和気あいあいとステージングし、3周年ライブを締め括ったのだった。

“現代を生きる王子様達”として、光を求める誰かのために愚直にアイドル道を突き進む9bic。彼らが全力で、俺様にも、あざといにも、おもしろいにも徹するのは、ほかでもない応援してくれている一人ひとりのファンのためなのだろう。少しでも近づこう、少しでも届けよう、少しでもコミュニケーションを取ろうと歩み寄っていく彼らを見ていると、そう感じずにはいられなかった。ここから9bicは4年目の航海へと向かっていく。アイドルとしての生き様を燦爛かつ絢爛に刻む彼らから、今後も目が離せない。

『9bic 3rd Anniversary Live ~ARK~』セットリスト(2022年7月17日夜公演、東京ガーデンシアター)
01. ARK
02. gimme
03. Aaliyah
04. DYNA
05. loveSPLASH
06. 9bic melody 〜ARK ver〜
07. WOLF
08. Police hunter
09. ありのまんま
10. 別に嫌いじゃねーよ
11. creature
12. secret love
13. 狂気
14. 中辛エクスタシー
15. 今日も生きててえらいえらい!
16. 99%
17. 絶対的アンフレール
18. ONE!
19. カラフル
20. U.F.O GAME
21. マッシュアップ(「カフェラテ」「Hero」「make up!」)
──アンコール──
22. 僕らのインペリアル
23. 革命シューター
24. そんなの好きになっちゃうじゃん。


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坂井彩花

(さかい・あやか)1991年、群馬県生まれ。ライター、キュレーター。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。『Rolling Stone Japan Web』『Billboard JAPAN』『Real Sound』などで記事を執筆。エンタテインメントとカルチャーが..

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