「君の生きる意味も価値も俺がこの音楽で証明しよう」
目覚めた心は、よりしなやかに、したたかに今を受け止める。SKY-HIは高らかに「肩書で語るなんて無意味だと思わねえか? つまり、何があっても俺は俺だってことだよ」と宣言すると「Name Tag」を投下し、アルバムにはない“覚悟”のターンへと突入した。
どんなに嘲笑されても、どんなにやっかまれても、己の正義を信じて突き進んできたSKY-HI。「Walking on Water」では紗幕に雲海を映し、その上に佇むことで<俺にとっちゃ水の上を歩くように簡単さ>という歌詞を視覚的にも訴える。そして、かつての自分自身に声をかけるように、会場に集ったFLYERS(SKY-HIのファンネーム)に声をかけた。
「もしも君が悩みに押し潰されそうな日がくるなら、君の生きる意味も価値も俺がこの音楽で証明しよう」
そのあとに導かれたのは、SKY-HIが墓場まで持っていく一曲にも挙げている「フリージア」だ。ステージの上から、一人ひとりに<ねぇ、話をしよう>と声をかけて向き合っていった。熱い想いを煮詰めたまま、日本のみならず世界各国のチャートで1位を獲得した「JUST BREATHE」を披露し、「俺はこのまま生きる。君も君らしく生きろ」と呼びかける。SKY-HI自身が自分らしく生きる覚悟、加えて“君が君らしく生きる”ことを肯定する覚悟をステージに刻んだのだった。
BFQによる、ライブ前編と後編の間に入れられる「センテンス」。今回のテーマは「宇宙飛行」だ。宇宙船と管制塔のやりとりをコミカルに描いて笑いを誘うと同時に、圧倒的なダンススキルで観る者を魅了。通常時であればコール&レスポンスでオーディエンスとやりとりする場面では、「その手を叩き応援して」と変更してコロナ禍ならではのコミュニケーションを取っていた。抑揚の大小やリズムのバリエーションを用いて、声が出せないことをハンデにしない盛り上がりを作り出したのだ。
“こんなイケてるチームなんざ他にない”
衣装チェンジを終えたSKY-HIはステージにカムバックすると、<うるせぇ ぶっ飛ばそう Brother>と声を上げ、THE ORAL CIGARETTESのTakuya Yamanakaと共に作った「Dive To World」をコール。「ひとりじゃないの、最高じゃん!」と噛み締める、“解放”のターンを繰り広げていく。
BFQとのダンスが映える「Limo」、ラッパー仲間と作り上げた「Tumbler」、THE SUPER FLYERS(SKY-HIのツアーでハウスバンドを務めるチーム)の強さが引き立ち、FLYERSと盛り上がるライブチューンの「Double Down」。
仲間を意識する楽曲をセレクトし、締めには<こんなイケてるチームなんざ他にない>と豪語する「Snatchaway」をパフォーマンス。仲間と出会うことで鬱屈していた感情が解き放たれていく様を、華やかな演出で見せていく。「14th Syndrome」ではRUI、TAIKI、edhiii boiも登場し、『THE FIRST』によって新たなチームメイトが増えたことを色濃く映し出した。
物語は、いよいよ最終局面へと向かう。アルバムにない5つ目のターンで描かれるのは、「そこにいた」により始まる“自分の人生を一生懸命に愛そう”という想いである。甘く切ない声は、言葉一つひとつを届けるように優しく響く。「創思創愛」では<僕が愛した君が愛した僕を愛してみるよ>と“君と僕”で始める世界平和を唱え、「アイリスライト」では<君がただ「幸せ」って言う 一秒が作れたら それだけで いつも僕は僕になれる>と自身の存在理由を歌う。SKY-HIを包み込む炎の映像は、呪縛となっていた蜘蛛の糸を愛が焼き尽くしていくかのようだった。
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