2022年の優勝候補を考える
そんな中で、やはり優勝候補筆頭といえるのが、昨年ゆりやんレトリィバァに惜敗し、準優勝となったZAZYだろう。
ZAZYは昨年のファイナルステージで、フリップを止めていたクリップがついたままという想定外の事態があった。ゆりやんとの点差は7点差。「もしもちょうど7人の審査員がそれぞれプラス1点ずつつけていたら」と考えてしまうほど、優勝に限りなく近いところにいた。
ZAZYが得意とするフリップネタはフリが長めで、あとになっていくに従って加速度的に笑いが増幅していくタイプ。しかもクセになる。こうしたタイプは新鮮さよりも、ある程度キャラクターや芸風が知られて浸透していればいるほど、大きな笑いにつながりやすい。昨年の『R-1』をきっかけに「なんそれ!」などのフレーズや、彼自身のキャラクターは広く知られるようになっているだけに、今年は大きなチャンスといえるに違いない。
最大の対抗馬は、2020年の『THE W』王者・吉住。圧倒的な演技力と、ひと筋縄ではいかない哀切感あふれる世界観は、他の追随を許さない。吉住が「吉住」という高いハードルを超えられるかが、大きなカギとなってくるだろう。
賞レースではなかなか評価されることが難しい「ギャガー」であるサツマカワRPGが、どこまで優勝争いに食い込めるかも見どころだ。そのギャグの無尽蔵っぷりはよく知られているところ。審査員から高評価を得るためには、構成力が問われることになるはずだ。
『ツギクル芸人グランプリ2021』で優勝し、今年の『キングオブコント』で優勝争いをするのではないかと目される金の国。そこで強烈な個性を放っているのが、渡部おにぎりだ。ひと目で覚えてしまうインパクトのあるキャラクターだが、彼のピンネタは相方の桃沢健輔が作っているのだという。いわば、コンビの力で獲りに来ている。ピン芸人たちにとっては大きな脅威に違いない。昨年の準決勝では開始10秒でネタが飛んでしまったというが、今年の決勝で桃沢が書いたネタを完璧に演じれば、『キングオブコント』を前に戴冠することもじゅうぶんにある。
司会の霜降り明星と広瀬アリス、そしてスタッフにとっても今大会はリベンジの場。これまで以上の思いで臨んでいるに違いない。最高の大会になって、世間からその才が「バレる!」新たなスターは誰なのか注目したい。
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