『勇者ああああ』が「真面目なゲーム企画」だけで90分生配信「売り上げが見込めるならクリエイターのプライドなんて糞食らえ」

勇者ああああ

文・写真=板川侑右 編集=鈴木 梢


2020年10月31日までつづいていた、テレビ東京プロデューサー板川侑右の連載「『勇者ああああ』芸人キャスティング会議」。なんの予告もなく唐突に休載したが、それにはある理由があった。その理由も含め今回、久しぶりに板川がコラムを執筆。約1年の空白期間を経て、最終回を迎える。

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コラム連載を唐突に休載した理由

『勇者ああああ』出演者についてのエピソードをいろいろ書いてきたこのコラムも、今回でついに最終回。「まだつづいてたんかい」と思っている読者の方々もいることだろう。気になって調べてみたら、前回の更新日は1年以上前の2020年10月31日。まだ地上波で番組が放送されていた期間であったのにもかかわらず、なんの予告もなく『HUNTER×HUNTER』レベルの休載をしてしまい、大変申し訳なく思っている。コラムをずっとサボっていた理由は実に単純で、「コロナのせいで書くことがなくなっちゃったから」である。

コロナ禍でテレビ番組の収録は大きく変わった。一番わかりやすいところで言うなら、出演者の間に仕切り用のアクリル板が設けられたことだ。感染対策とはいえ、横一列に並んだ芸能人が周囲を囲まれたままVTRを黙って観る様子はどこか奇妙で、天然とんこつラーメン「一蘭」の店内を彷彿とさせる。福岡が誇る「味集中カウンターシステム」がまさか世界のスタンダードになるなんて数年前には想像もつかなかった。

もちろんテレビに映る部分以外でも大きな変化はたくさんあった。個人的に一番デカかったのは、出演者と雑談する時間が格段に減ったことである。

それまで『勇者ああああ』の収録では、休憩時間になるとタバコを吸う人も吸わない人も喫煙所に集まって、雑談に花を咲かせていた。トークテーマも「この前行った美味しいラーメン屋さんの話」といったライトなものから、「次に薬物で逮捕される芸能人の話」といった、とんこつスープ級に濃厚なゴシップまで多岐に渡る。つまり裏話やこぼれ話を拾い上げるこのコラムのネタ探しの場所としてはうってつけの場所だったのである。

勇者ああああ
ゴシップを話すさらば森田と、めちゃくちゃびっくりしてるラブレターズ塚本

しかしコロナ禍での「三密対策」が進み、喫煙所での密集は禁止に、さらには過度な接触を避けるため打ち合わせは全て対面からオンラインに変わった。当然出演者と雑談する機会はほぼなくなり、一時期は“テレ東のゴシップ担当”と名を馳せた僕のところには「アルコ&ピース酒井健太が結婚」という、いりこ出汁レベルの薄口ゴシップすら入ってこない状態になってしまった。わざわざ文章にしてまで世に広めたいエピソードが見つからない、それが1年以上もコラムをサボっていた件に対する正直な理由である。

なぜ再びこのコラムを書いたのか

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