『勇者ああああ』が「真面目なゲーム企画」だけで90分生配信「売り上げが見込めるならクリエイターのプライドなんて糞食らえ」



番組ファンの声に答える生配信をやります

では地上波での放送終了から半年が過ぎようとしているこのタイミングで、なぜこんな言い訳めいた文章を交え再びコラムを書いているのか。

そう、イベントの告知だ。

真面目な勇者ああああ
〜ゲーム番組なのでちゃんとゲーム企画をやりましょう〜

12月12日(日)20:00開演

出演:アルコ&ピース、相田周二(三四郎)、ノブオ(ペンギンズ)、chelmico(Rachel、Mamiko)、板橋ザンギエフ、ナウマン、ヤマグチクエスト、岩永圭吾(リップグリップ)、木村祥朗(オニオンゲームス)、こまつ、田口尚平ほか

バラエティ番組でおなじみの「結局番宣かい」システムである。イベントの券売に不安があったため「なんでもいいんで告知させてください!」と頼み込み、今回は強引に記事を書かせてもらった、ありがとうQJWeb。

現在『勇者ああああ』は有料の配信コンテンツとして不定期にイベントを行っている。「テレビでやりたかったけど、諸々の理由でできなかったコーナー」をテーマにさまざまな企画を生配信でお届けし、コアなお笑いファンの方々から一定数の支持を集めている。ここ数カ月の間に実施した企画で僕が個人的に好きだったものを羅列しておくと……

ですよ

クイズ!ですよ。ショック
1分間で12個繰り出されるお題に対して、ですよ。がいったいどんな「あいとぅいまて〜ん!」で返すかを当てるクイズ企画。

三拍子ザ・ベスト10
ベテラン漫才師・三拍子の「漫才の冒頭のツカミ」の中で本人が気に入っているネタをランキング形式で紹介。

しずるの間
メッセージ性がありそうで実は何もない“クソみたいな小劇場のお芝居”をしずるが15分間延々と演じる一切お笑いがないコント企画。

と、どれもこれも「どこがゲーム番組なんだよ」と言われるの待ったなしのお笑い企画ばかり。芸人同士のテンポのよいやりとりで毎回90分の配信時間はあっという間に過ぎていくのだが、その一方で「もうちょっとゲーム要素が欲しいです、たとえばゲームプレゼンを生配信でやるとか……」といったゲームファンからの声も届くようになってきた。

これは非常に難しい問題である。というのも、『勇者ああああ』で人気だったゲームコーナーのほとんどが“編集ありき”で成立しているものばかりだからだ。

たとえば「ゲーマーの異常な愛情」というゲームプレゼン企画を例にしてみよう。あのコーナーで僕が最も重要視するのはプレゼンターの熱量である。プレゼンターの「この作品を世に知らしめたい」というマジな熱量を視聴者に届けたい。

そのため、あの企画の収録にはガッツリした台本も用意しないし、それぞれの持ち時間も一切決めない。プレゼンターは自分の思いの丈を、思う存分語れるようになっている。もちろん台本がないので情報を間違えることもあるし、熱を帯びるあまり大きくトチってしまうこともあるのだが、そこはうまいこと編集で“何もなかったかのように”つないでいる。すべてはプレゼンターの熱量をなんのノイズもない状態で視聴者にお届けするための配慮だ。ノーカットで90分生配信するとしたら、きっと地上波で放送していたときよりもクオリティが落ちてしまうに違いない。

この仕事をしているとよく「あのVTRのノーカット版を見せてください」と言われることがある。人によるのかもしれないが、僕個人としては「すごく嫌」である。テンポは悪いし、かったるい。せっかく余分な脂を落として美味しいところだけを切り出した熟成肉なのに、ケチャップとマヨネーズぶっかけてどうすんだって話である。

しかしながら「生配信でゲームプレゼンを観たい!」という番組ファンからの熱いメッセージがあるのも事実。貴重な意見を無視してチケットの券売が伸び悩んだら本末転倒、こちらもテレビマンである前にサラリーマンなのである。売り上げが見込めるならクリエイターのプライドなんて糞食らえだ。

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板川侑右

(いたがわ・ゆうすけ)2008年テレビ東京入社。制作局で『所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ』などのADを経て『ピラメキーノ』でディレクターデビュー。その後『ゴッドタン』『トーキョーライブ22時』などのディレクター業務を経て特番『ぽい図ん』で初演出を担当。過去に『モヤモヤさまぁ〜ず2』のディ..