お笑いマニア作成「おすすめお笑いライブ4タイプ診断」【プロ芸人から大学お笑いまで】



各タイプにおすすめの大学お笑いライブ

前段が長くなってしまったが、以上の4タイプをそのまま今度は大学お笑いのライブに当てはめる。大学お笑いの主なライブを分布図に配置したので、ぜひこちらも参考にしていただきたい。

大学お笑い

A:王道タイプ

おすすめのライブ:『大学芸会』『NOROSHI』『レジスタリーグ!』『大隈講堂ライブ』など

「A:王道タイプ」に当てはまるお笑いファンには、『大学芸会』『NOROSHI』といった大学お笑いの大会決勝や、早稲田大学お笑い工房LUDOが年に一度開催している『大隈講堂ライブ』などをおすすめしたい。中でも特におすすめしたいのが、毎年冬に開催される『NOROSHI』決勝である。

『NOROSHI』は、大学お笑いにおける甲子園決勝といえる。ネタがおもしろいのはもちろん、学生芸人がそのひとネタにかける思いが、観ている側にも伝わってくる熱さがある。また、運営によしもとが関わっているので、歴代のMCにはジャルジャルやライス、ゲストとしてマヂカルラブリーや相席スタートなど、出演者が非常に豪華なのも特徴だ。決勝ともなると大学お笑い特有の内輪感も少なく、大衆に向けて洗練されたネタが集まっているので、大学お笑いのライブを観たことがなくても間違いなく楽しめる。

ただひとつだけ注意点がある。チケットが『キングオブコント』準決勝くらいの争奪戦となっているので、それを突破する必要があることだけを伝えておきたい。

B:ネタ特化タイプ

おすすめのライブ:『WAKEME』『同早戦』『慶青逆転』など

「B:ネタ特化タイプ」に当てはまるお笑いファンには、いろんなサークルの学生芸人がネタで戦うバトルライブをおすすめしたい。大学お笑いライブは、事務所ライブ的な「サークルライブ」と、複数大学が共同で開催する「対決ライブ」、学生芸人個人が開催する「自主ライブ」に大別される。「サークルライブ」や「自主ライブ」は内輪感が強い一方、「対決ライブ」は客層が幅広いので内輪感が少なく、学生芸人たちは自信のあるネタを持ってくる。

毎年恒例の対決ライブを開催しているサークルも多い。たとえば慶應義塾大学お笑い道場O-keisと青山学院大学ナショグルお笑い愛好会の『慶青逆転』、早稲田寄席演芸研究会と同志社大学の喜劇研究会の『早同戦』など。対決ライブの中でも一番有名なのが、早稲田大学お笑い工房LUDO、O-keis、明治大学の木曜会Zの3大学対決ライブ『WAKEME』だ。

『WAKEME』は、先鋒に各サークルの1年生、次鋒に2〜3年生、中堅で集団コント、副将に3〜4年生、大将に4年生といったようなかたちで対決を行う。過去にはLUDOからサーフボードストレッチや、現:シノブの櫻井、現在ニッポン放送に在籍している野上大貴ディレクター、現:令和ロマンの高比良くるま、木曜会Zからは現:XXCLUBの早乙女零などが出演していた。

C:企画特化タイプ

おすすめのライブ:『HIKIGANE』『SHUFFLE』など

大学お笑いの醍醐味ともいえるのが、サークル間を超えた交流だ。『大学芸会』や『NOROSHI』の決勝や準決勝進出の常連芸人ともなると、ライブを通じて仲よくなることが多く、その特性を活かしたライブが『SHUFFLE』である。

このライブは、一緒にネタをやってみたい学生芸人同士がフィーリングカップル方式でコンビを決めてネタを披露する、いわば大学お笑い界の『ザ・ドリームマッチ』(TBS)。過去の『SHUFFLE』には、にゃんこスターのアンゴラ村長やラパルフェ(当時はリレンザ)、ラランドをはじめ、今も第一線で活躍するプロ芸人が多く出演していた。現:Gパンパンダの星野光樹と現:水溜りボンドのカンタがコンビとしてネタを披露するなど、その日だけの特別なネタを観ることができる。

まだ学生芸人をあまり知らなくても、このライブに出演している学生芸人は将来プロとして活躍する人も多いため、企画性のあるライブが好きで、芸人を青田買いしたいお笑いファンにはぜひおすすめしたい。

D:アングラタイプ

おすすめのライブ:『ガクコメ!』、学生芸人の主催ライブなど

大学お笑いのコミュニティ構造とプロのお笑いのコミュニティ構造は、基本的に同じだ。プロの世界を小さくしたものが大学お笑いだと思っていい。事務所はサークルに置き換えられるし、賞レースで結果を出せば売れるし、実力があれば単独ライブだって開催する。

『NOROSHI』決勝や『SHUFFLE』で披露されるネタは、プロが賞レース決勝やテレビのネタ番組などで披露するネタ同様、磨かれた状態で出てくることがほとんど。しかし『ガクコメ!』で観られるネタは、まだ磨き途中のものが多い。仕上がりは少し粗いかもしれないが、これからもっとおもしろくなりそうなネタが披露されたり、今はまだ無名だけど今後力をつけていきそうな学生芸人が多く出演している。プロのライブでいえば、芸人自らお金を払って出るフリーエントリーライブに近いと思う。

発想一発勝負のネタだったり、構成はめちゃくちゃだけどとんでもなくおもしろいネタをやる学生芸人が出てくることも多々ある。なんせ虹の黄昏がMCをやることもあるライブなのだから、「アングラタイプ」のライブが好きなお笑いファンにはぜひ足を運んでみてほしい。

大学お笑いのライブに共通していること

冒頭でも述べたが、正直大学お笑いのライブに足を運ぶのはハードルが高いことだと思う。プロのライブに比べて、「安定感」や「うまさ」では劣るかもしれない。しかし、大学お笑いのライブには、お笑いにおける技術を凌駕するドロドロしたお笑いの権化みたいな魅力が詰まっている。自由で、楽しそうで、表現欲であふれているのだ。

私個人としては、社会人になってから「お客さんに満足してもらえるものを作る」ことの大切さを実感することが多く、「お客さんに笑ってもらえるように」とネタを作りつづけるプロの芸人はすごいと改めて思った。ただ、時たま「相手のためではなく、誰になんと言われようと僕はこれをやりたいんだ」といったエゴに無性に惹かれるときがある。そんな人がカッコよく見える。大学お笑いを観ていると、そんな「僕はこれをやりたいんだ」があふれていて、なんだかうれしくなり、「だから大学お笑いが好きなんだよな」と思えるのだ。

おまけ:11月と12月におすすめの大学お笑いライブ

11月28日(日)『ガチプロ2021』準決勝(会場:サンガイノリバティ)

12月2日(木)『コント進化論2』(会場:方南会館)

12月22日(水)『ガチプロ2021』決勝(会場:北沢タウンホール)

※いずれも11月中旬時点の情報となります。最新情報は各ライブの公式情報をご参照ください。


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ふたつぎ

1996年生まれ。青山学院大学のお笑いサークル「ナショグル」に所属し、『M-1』などにもエントリー。卒業論文は『ゴッドタン』(テレビ東京)などを題材にした「お笑い番組から考えるテレビ番組のデザイン」で、佐久間宣行がツイッターで「嬉しかったし、何より面白かったです!」とコメントするなど話題となった。現..

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