松本人志以外の審査員刷新『キングオブコント』審査形式、試行錯誤の13年を振り返る



2008年:ファイナリストが自分たちで優勝者を決める

『キングオブコント 2008』[DVD]/よしもとミュージックエンタテインメント
『キングオブコント 2008』[DVD]/よしもとミュージックエンタテインメント

記念すべき第1回の『キングオブコント』は、ダウンタウン司会のもと2008年に開催された。ファイナルに駒を進めた8組が、「Aリーグ」「Bリーグ」のふたつに分けられ、1本目のネタを披露。各リーグの1位が最終決戦に進むことができる。1本目のネタを審査するのは、準決勝で敗退した100人の芸人だった。

先に始まっていたM-1やR-1が審査員にベテランを配置したのに対し、『キングオブコント』は同じ舞台で戦った出場者たちに審査を任せた。言わば「上から」ではなく「横から」の評価を期待し、他の賞レースと差別化を図ったかたちだ。

1本目のネタは芸人審査員1人につき5点満点で採点し、満点は100人×5点=500点。最終決戦に残った2組は、Aリーグ1位のバッファロー吾郎(460点)、Bリーグ1位のバナナマン(482点)。

最終決戦では、2組が2本目のネタを披露する。どちらが勝ったかを決めるのは、自分たちを含むファイナリスト8組。Aリーグ、Bリーグで敗れた芸人たちが、1組ずつ起立して、どちらがよかったかを本人たちの目の前で申告するのだ。結果、自己申告含め5票を先に集めたバッファロー吾郎が初代王者に輝いた。

ただ、最終決戦の「直接申告」は「同じ事務所の先輩を目の前にしたら、名前を挙げないわけにはいかないのでは」という疑問も残る。実際、バッファロー吾郎に投票したのは同じ吉本興業の3組とTKO(松竹芸能)で、バナナマンに投票したのはASH&D所属のザ・ギースだけ。もちろん、本当におもしろかったほうに投票したと信じたいのだが、疑われる余地が残ることにモヤモヤしたものもあった。

2008年決勝ハイライト。イラスト/まつもとりえこ
2008年決勝ハイライト。イラスト/まつもとりえこ

2009~2013年:100人の芸人審査員による採点

『キングオブコント 2009』[DVD]/よしもとミュージックエンタテインメント
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2009年の第2回大会からは審査形式を一新。準決勝で敗退した芸人100人が審査員となるのは変わらず、ファイナリスト8組が「ファーストステージ」「セカンドステージ」で、それぞれ1本ずつネタを披露するかたちになった。

芸人審査員1人の持ち点は10点。満点は10点×100人=1000点になる。「ファーストステージ」で1本目のネタを披露し、得点が低い順に「セカンドステージ」で2本目のネタを披露。両ステージの合計得点が最も高いものが優勝だ。スタジオには100人の芸人審査員が集結し、採点ではダウンタウンとのやりとりも盛り上がった(浜田にコメントを振られたコンビが翌年引退してしまい、「浜田さんにコメントを振られたら不幸が起きる」という謎のジンクスまで生まれた)。

2009年に2代目キングとなったのが東京03。ファーストステージではトップバッターでネタを披露し、835点で2位。1位のサンドウィッチマン(878点)と40点近い点差があったが、セカンドステージで披露した『旅館』で953点という高得点を叩き出し、逆転優勝を飾った。

以後、2010年キングオブコメディ、2011年ロバート、2012年バイきんぐ、2013年かもめんたると、この形式はつづく。100人の芸人審査員が一同に集うお祭り感があり、1回の放送で8組×2本=16本のコントを堪能できるのも、視聴者にはうれしい形式であった。

2009~2013年決勝ハイライト。イラスト/まつもとりえこ
2009~2013年決勝ハイライト。イラスト/まつもとりえこ

2014年:一騎打ち&勝ち抜き形式


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井上マサキ

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井上マサキ

(いのうえ・まさき)1975年宮城県生まれ。ライター、路線図マニア。大学卒業後、システムエンジニアとして15年勤務し、2015年よりライターに転身。共著に『たのしい路線図』(グラフィック社)、『日本の路線図』(三才ブックス)、『桃太郎のきびだんごは経費で落ちるのか? 日本の昔話で身につく税の基本』(..

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