どっちが悪でどっちが正義かわからない
背中のコンプレックスを戦いに持ち込み、兄弟愛のために優位を失った壊相の願いは、「死ぬな!! 弟よ!!」だった。血反吐を吐きながら最後の力で野薔薇に襲いかかる血塗は、「兄者ァアア゛ア゛アッ!!」と叫んだ。そんな血塗を、野薔薇は「心配しなくても すぐに兄貴も送ってやるわ」と笑いながらトドメを刺した。血だらけで転がる化け物、血塗の姿が悲しい。
もう、どっちが悪でどっちが正義かわからない。呪いとのハーフである壊相と血塗の兄弟は、人間であることを捨て切れずに敗れ去った。一方、呪術師として成長する虎杖と野薔薇は、命を賭けた戦いに麻痺し、どんどん人間離れしていく。

一見ただの呪いとして読み飛ばされてしまいそうな呪胎九相図(『ジャンプ』連載当時は僕もよくわかってなかった)だが、虎杖の対比や転機として重要な役割を担っている。変態と化け物の風貌ながら作中屈指の人間味と悲しさを持っていて、読めば読むほど愛らしい。主人公の虎杖よりも、人気ナンバーワンの五条先生よりも、ヒロイン的存在の野薔薇よりも、僕はかわいいと感じている。
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