若者によるSNSの活用方法は日々進化をつづけています。たとえばSNSに投稿されている写真や動画から、友人関係や恋愛に発展することも少なくはないようです。そんな若者たちが“好きぴ”(好きな人のこと)を見つける日々の実情やテクニックを、生の声をもとにSHIBUYA109 lab.所長の長田麻衣が考察します。
目次
時代と共に移り変わる恋愛のアプローチ方法
今日もすし詰め 通学電車
されど辛くはないんです
いつもの車両の いつもの場所で
気になるあの子に 会えるから
名前も知らぬ 眼鏡の男の子
こちらはハロー!プロジェクトのBEYOOOOONDSの名曲「眼鏡の男の子」の歌詞。この曲は、通学中に電車で同じ車両に乗っている名前も知らない男の子に恋をするが、ライバルがいっぱいいて…?! という物語が繰り広げられる名曲です。
こういう展開って少女漫画などでも定番シーンとなっているイメージですが、皆さんも青春時代にこのような経験があったのではないでしょうか?
気になる子ができても、話しかけるわけにもいかないし、でも、もっと知りたいな……。
そんな思いから、がんばって友達の友達を辿ってつながりを作ったり、その子の学校の文化祭に行ってみたり、あの手この手を使ってお近づきになれるチャンスを作っていましたよね。
ミレニアル世代の私は青春時代にミクシィが全盛期だったので、「気になる人のマイページに“足あと”がついちゃった! 月3回まで消せるから、あと2回はページチェックできるわ……」とか、「あの人の“前略プロフ”見つけた! “リアル”(前略プロフィール内のひと言ブログのようなもの)も毎日チェックしてる!」とか友達と盛り上がっていました。
甘酸っぱい青春の思い出って誰しもが持っているものだと思いますが、恋愛のアプローチ方法は時代と共に移り変わっています。
“好きぴ”はインスタで見つけるZ世代
先日「恋愛」をテーマに、大学生女子4人を対象にインタビューしたところ、彼女たちの甘酸っぱい恋愛ストーリーは、インスタグラムを中心に繰り広げられていることがわかりました。
「他校のカッコいいと思っていた人で、まったく接点はなかったけど、登下校の駅が一緒で向こうも私を見ていたっぽい。たまたまインスタグラムで発見してフォローしました。発見したというか、実際は必死に探した。どうにかこうにかつながりたい! と思って」(こころさん 仮名・大学1年生)
これはリアル「眼鏡の男の子」じゃないか……! しかし、この曲と異なるZ世代の恋愛のポイントは、インスタグラムを駆使して気になる人とつながっているところ。通学路で気になる人に出会い、まったく面識がない相手でも、さまざまな情報を駆使してアカウントに辿り着いています。
「今付き合っている彼氏は、私のことをインスタグラムで見てくれて話しかけたくなったらしい。DMでやりとりをして、会って2回目で告白されて付き合いました」(みなみさん 仮名・大学1年生)
「半年前から付き合っている彼氏は、本アカウント(学校の友達とつながっているメインのアカウント)とは別で作っているファッションをテーマにしたサブアカでつながった人。ファッションが好きという共通点で知り合いました」(れいなさん 仮名・大学3年生)
インスタグラムから始まる恋。彼女たちが特別なのではなく、Z世代にとってSNSを介して気になる人とつながり、恋愛に発展することはすでに日常となっています。
ちなみに、最近はマッチングアプリも普及しており、マッチングアプリで恋人を作る若者も多くいますが、彼らにとってマッチングアプリでの出会いと、SNSでの出会いは少し位置づけが異なります。マッチングアプリでの出会いが身近になってはいるものの、「少し怖い」とか、「知らない人だから信用できない」という声が多く聞かれており、やや警戒心を感じているようです。
そして、彼らが口々に言うのは、「アプリに頼らずに“自然に”出会いたい」ということ。恋愛漫画のように、生活圏の中ですれ違ったり、学校の同級生だったり、普通に生活している中の延長で恋愛に発展することが一番の理想であると考えています。
ここから、Z世代にとってマッチングアプリは「不自然な出会い」であり、SNSは「自然な出会い」という位置づけであることがわかります。
彼らの意味する「生活圏」には自身のSNSのアカウントの中でのやりとりも含まれていて、SNSでの出会いは、通学路での偶然の出会いと同じ意味を持ちます。SNSであればフォロワーの中に共通の友達がいたり、飾らない日常を垣間見ることで、ある程度相手の身元を知ることができ、安心感を持てます。
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