ドルヲタ目線で見た女子プロレスの魅力──アプガプロレス・渡辺未詩の話をしよう

2021.4.16

アプガプロレス・渡辺未詩の話をしよう

「アップアップガールズ(プロレス)」(通称:アプガプロレス)の渡辺未詩の話をしよう。アプガプロレスは、DDTプロレスリングとアップアップガールズがタッグを組んで生まれた「歌って、踊って、闘える」最強のアイドルを目指すグループ。各アイドルイベントに出演する一方で、東京女子プロレスのリングで戦い、アイドルとプロレスの二足のわらじで活動している。

アップアップガールズ(プロレス)の渡辺未詩(画像提供:YU-M Entertainment)

もともと渡辺は、アイドルに憧れる普通の少女だった。高校3年生でアプガプロレスのオーディションに応募したときは、「ずっと夢だったアイドルになれるかもしれない」という一心で、プロレスについてはまったく知識がなかった。しかし、晴れてオーディションに合格したあとも、リングデビューするまでは、あくまで東京女子プロレスの「練習生」扱い。キツい練習の毎日で、週末は試合会場の雑用で走り回る。「アイドルを目指していたはずなのに……」と本気で辞めようか悩んだこともあったという。

しかし、渡辺は諦めなかった。こつこつ練習に励み、少しずつプロレスの楽しさに目覚め、重要な試合にも関わるようになっていった。コンプレックスだった筋肉質な体型も、ここでは武器になる。自分を肯定できるようになったからか、リングやステージの上で見せる表情も輝き、渡辺は「アイドル」としても魅力を増していく。

団体きってのパワーファイターとして開花した渡辺(画像提供:DDTプロレスリング)
試合前、アプガプロレスの「歌のコーナー」も必見!(画像提供:DDTプロレスリング)

そうするうちに、初めはどうも「歌わされている感」のあった「LOVEプロレス♪」と繰り返すソロ曲が彼女にぴったりハマっていった。大好きな指原莉乃と対面を果たすなど、プロレスアイドルとして夢を叶えていくなかで、「みんな、プロレスのことが好きか? 私は大好きだ!」(「チョコっとラブ ME ドゥー(feat. 渡辺未詩)」)というセリフは、渡辺の魂と重なっていったのではないだろうか。

だからこそ、多くのアイドルも立ったTOKYO DOME CITY HALLの大舞台、試合前のライブパフォーマンスで、観客のペンライトに照らされながら「プロレスに出会えてよかった!」と叫ぶ渡辺の姿に、とても美しい物語を見せてもらった気がして自分は泣いた。号泣した。まだ試合始まってないのに。

【アップアップガールズ(プロレス)】リングの上にも三年 〜All Along The Way〜【MUSIC VIDEO】
2021年2月、タッグパートナーでもある王者・辰巳リカ(左)に挑戦し、初めて後楽園のメインに立った(画像提供:DDTプロレスリング)

「可憐な女性たちが泥臭くがんばる姿を応援する」楽しみ

もちろん渡辺だけではなく、ほかの女子プロレスラーたちも、それぞれの物語を紡いでいる。アイドルブームによって、「可憐な女性たちが泥臭くがんばる姿を応援する」楽しみは一般的なものになった。となると、女子プロレスというジャンルがさらに盛り上がる可能性は大いにある。大会に足を運ぶたび、その爆発の予感がどんどん色濃くなっているように感じられるのは、いちヲタクの贔屓目ではないと信じたい。

なお、多くの女子プロレス団体では、物販にも力を注いでおり、ツーショットチェキ撮影やポートレートサイン会などが行われている。このあたりもドルヲタに優しい。また、女子プロレスの会場では、女ヲタはまだ少数派なので、うまくいけば選手もわりと早めに認知してくれる。そして、入場時に爆レスしてくれたりする。しゅき……できれば認知してもらいたい接触厨だから……。中には物販対応が異常にうまく、釣り師的な選手も存在する。そんなガチ恋製造機も、いざリングに上がれば、鬼気迫る戦いぶりを見せるのだから、ますますしゅき……。

物販で購入したポートレートやツーショットチェキの一部。まさに“沼”

近年は元アイドルの女子プロレスラーも増えてきただけでなく、なんとSKE48の現役メンバーである荒井優希が東京女子プロレスに本格参戦し、5月4日に行われる後楽園ホール大会でデビューすることも決定した。ドルヲタにとって女子プロレスの現場はなじみやすいものであるはずだ。

SKE48の荒井優希(4月14日の記者会見より) (c)東京女子プロレス

しつこく繰り返すが、女子プロレスというジャンルはのぼり坂の途中にあると信じている。彼女たちがどこまでのぼり詰めていくのか、その道の先を観客席から見守っていきたい。そして、女子プロレスブームが再びやってきたときは、古参面でイキり倒そうと思う。私は今、ここで予言しましたからね!

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