JR大阪駅には「大阪ステーションシティ」という商業施設が併設されている。「ノースゲートビルディング」、「サウスゲートビルディング」のふたつのビルがある。
そのノースのほうの12階に「風の広場」という露天の休憩スペースがあって、私はそこによく行く。
私は年がら年中、雨の日も風の日も関係なくここに来る
「風の広場」が好きな理由はたくさんある。まず何がいいって駅から近いことだ。大阪駅の改札を出てノースゲートビルディングのほうに歩き、あとは上に向かうエスカレーターを次々乗り継いでいくだけ。数分でもう着く。

ちなみに5階には「時空の広場」があるが、こっちは屋根の下だから解放感がもうひとつで、あまり利用したことがない。「時空」と書いて「とき」と読ませるところがちょっとキザだし。
風の広場は細長いスペースの中にいろいろな形のベンチがあり、芝生もあり、いろいろな人が好き好きにくつろいでいる。夜になったら恋人たちがじゃれ合ったりもする。雨を避けられる場所もあるから私は年がら年中、雨の日も風の日も関係なくここに来る。

見晴らしがいいのもこの場所が好きな理由だ。大阪駅の北側の、なんかずーっと工事しているエリアが眼下に見え、その向こうには山が見える。冬になると空気が透き通るからか、グッと視界の解像度が上がったみたいになって山の緑がただの「緑」じゃなく、少しずつ違う「緑」から構成されていることがちゃんとわかる。

梅田の駅周辺はいつでもたくさん人がいて混んでいるけど、ここに来て向こうの山を見ると落ち着いた気持ちになる。
また、風の広場にはコンビニがあって、いつもきれいなトイレがある。これはこの場所が巨大な商業施設の一部であることの恩恵だけど、あるんだから利用しない手はない。

コンビニで缶チューハイと、それから「どん兵衛」を買う。お湯をもらってカップに注ぎ、テーブルつきのベンチで食べる。風の広場でどん兵衛を食べる行為を「壁ドン」みたいなイントネーションで「風どん」と、心の中で呼んでいる。
今日もそうやって遅い昼ご飯を風どんで済ませた。

どん兵衛のそば、前よりおいしくなった気がするな……とかそんなことを思いながら、改めて遠くの景色に目をやったついでに「あっちからこっちを見たらどんなふうだろう」と思った。

「あっち」というのは「梅田スカイビル」のこと。このビルには展望台がある。のぼるのにお金がかかる有料の展望台だからケチな私は行ったことがなかった。でも、たまには奮発してそこにのぼり、向こうから今いる場所を見てみよう。
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