フルーツ×酒の組み合わせを思いつくままに
1杯目「パイン×発泡酒」
あいにく僕には、どんなフルーツとどんな酒の相性がいいというような基礎知識がない。そこでもう、完全にフィーリングで「これとこれ合わせてみたらどうなるか気になるな」っていう組み合わせをどんどん試していこうと思う。
ちびりと味見してみると、香り高いのにまろやかで腰が抜けるほどうまい。さすが絞りたて。そのまま飲み干したいのを我慢し、ここに発泡酒を注いでゆく。
ここでちょっとした異変に気づく。今注いでいるのはまちがいなく発泡酒でありながら、泡が異常にきめ細かく、そしてもこもこと力強いのだ。
おずおずと飲んでみて驚愕した。まず当然、泡の口当たりが非常に心地いい。それから、最初はほんのり、飲み進めるに従ってどんどん華やかに、パインが香る。最後のひと口にはそこにしっかりとした甘みも加わり、一杯の中に濃密なストーリーが生まれている。
最近、1本数百円〜1000円くらいするちょっといいクラフトビールを奮発して買って、週末に飲むなんてことをたまにやっている。クラフトビールだからそれぞれに個性があり、個人的に「大当たり!」ってものから、「まぁまぁだったな」なんてものまで、もちろんいろいろある。が、このパイン本麒麟、1本1000円出していたとしても、個人的に後悔はないくらいにおいしい!
なんてこった。こんなところにもまた、家飲みの鉱脈が埋まっていたとは……。
2杯目「トマト×発泡酒」
ビールにトマトジュースを加えた「レッド・アイ」なんてカクテルがあるくらいだから合わないはずがなかろうと買ってきた、唯一の野菜。
ここに先ほどと同様に本麒麟を注げば完成。
詳しい原理がわからなくて歯痒くもあるけれど、とにかくフレッシュな果汁に発泡酒を注ぐと泡の質が断然よくなるという知見を得た。
最初は言われなければトマトだとわからないくらいほんのりとした、それでいてフレッシュ感のあるビール。そこから徐々にほんのりと青い爽やかさが広がり、これまたうまい!
3杯目「ブドウ×発泡日本酒」
試しにひと粒食べてみると、華やかな香りと甘み、酸味のバランスがよく、とてもおいしいブドウだった。
合わせるのは、以前「ブドウと日本酒はよく合う」という話をどこかで聞いた記憶があって、スパークリング日本酒にしてみた。
グラスからふわりと漂う甘い香りに集中しつつゆっくりと口に含むと、これがまた感動的にうまい! 元の酒がそもそも甘酸っぱいので、その風味とまろやかなブドウ果汁の相乗効果というか、けっして日本酒らしいわけではないけれど、「こんなにうまい酒飲んだことない!」と感極まってしまうレベルですごかった。これはもはや、新しいカクテルだ。
ただ、裏の成分表を見るとこの酒、アルコール度数がかなり低めで、つまりは「贅沢な大人のブドウジュース」的おいしさとも言える。そこで思いつき、大慌てでコンビニへ行って、ごく普通のカップ酒を買ってきてみた。
4杯目「ブドウ×カップ酒」
で、飲んでみる。……はは、ここまで来ると自分の中に「果汁信仰」すら生まれそう。ものすっっっっっごく飲みやすくておいしい!
東京下町の大衆酒場などで、グラスに入れたストレート焼酎に「梅エキス」なるものを数滴たらした「梅割り」なんてメニューがあり、驚くほど飲みやすくて危険でもあるんだけど、それのさらにやばいバージョンというか。元の度数は15度あるんだけど、ジュースのようにゴクゴク飲めてしまう……。
5杯目「柿×缶チューハイ」
僕の最も愛する缶チューハイといえば、タカラの「焼酎ハイボール」。レギュラーだけでもかなりの種類があり、そこに季節ごとのフルーツを使ったテイストが限定で発売されたりして、そのどれもが甘ったるくなくスッキリしているので、飲むのはもっぱら焼酎ハイボールという友達も周囲に多い。
で、中でも最もプレーンな味である「ドライ」にフルーツ果汁を加えれば、自分だけの限定焼酎ハイボールが生み出せるのでは? と考えたわけだ。思いついてしまってからずっと、胸の高まりが抑え切れない。
さて何を合わせよう? そうだ、これまでもこれからも、きっと発売されることがなさそうな「柿味」なんてどうだろう?
ところがこれを飲んでみると、ほんの少しまろやかな甘みが加わったくらいで、あまり柿感は感じられなかった。考えてみたら、柿ってすごく強い香りがあるわけじゃないし。現に今、「柿の香りを思い出してみてください」と突然言われたら、どうです? 意外とぼんやりしちゃってません?
6杯目「メロン×缶チューハイ」
すると今度は対照的に、ひと口目からあふれんばかりのメロン感! メロンは強い! ファンシーな味わいで、とてもおいしかった。
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