『ヒコロヒーの金借りチャンネル』に見る芸人たちのリアルと、岡野陽一との借金頂上決戦の行く末
「国民的地元のツレ」として大注目の若手芸人ヒコロヒーがイカレYouTubeチャンネルを立ち上げた。その名も『ヒコロヒーの金借りチャンネル』。まったく金がなくむしろ借金すらあるヒコロヒーが、芸人の仕事に集中して1年で爆売れするため、総額500万円をほかの芸人たちから借りるという、ひと言で言えば「人間の業」が詰まりに詰まったチャンネルだ。
借金交渉で見えてくる芸人たちの「リアル」
基本的なルールは以下。
- 知り合いの芸人、タレントに電話でお金を借りる交渉をする
- ただし、事前にいくら借りられるかを予想する
- スタッフも同様に予想する
- 予想が近かったほうがお金を借りることができる
まず、このチャンネルの一番の魅力。それはヒコロヒーの「話術」。これに尽きる。相手の給料からどれだけ借りられるかというのを計算し、時にまじめに、時にくだけて、言葉巧みに相手の警戒心を解き目標額を借りようとする一連の流れはとても美しく思わず見惚れてしまう。
大事なのはヒコロヒーはただ相手から金をむしり取ろうとする悪ではないということ。あくまで「借金」。これはあえて退路を断つことで「売れる」ということに対してもう一度真剣に取り組もうという覚悟の物語だ。
そしてもうひとつ、借金の交渉相手となる芸人たちの「リアル」が垣間見られるのがものすごくおもしろい。本気で金を借りたいヒコロヒーに対して最初は難色を示すものの、煙たがることなく真正面から話を聞き、折り合いをつけようとする芸人たち。
「自分はM-1優勝するから貸せるし、ヒコロヒーはおもしろいから言い値で返せる」と豪語するオズワルド伊藤俊介や、ヒコロヒーの実力を買って、ブレイクする道筋を立てながら現実的に貸せる額を提示する霜降り明星せいやなど、なぜかヒコロヒーが金を借りようとすればすれほど、相手の芸人がカッコよく見えてくるのだ。
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