この鉄火巻きと淡路島ハイボールのうまさを忘れまい
港に建つ「岩屋ポートビル」の1階には売店スペースがあって、地元の野菜などが販売されている。ここで買い物をするのもいつもの楽しみで、まだ着いたばかりだというのにリュックが大根や玉ねぎでパンパンになってしまう。



買い物を済ませたところで島を散策してみる。洞窟が本殿になっている岩楠神社は、国生み神話のイザナギがかくれた場所だと言い伝えられているという。


先へ歩いていくと岩屋商店街の入口ゲートが見えてくる。かつては多くの商店が並ぶ活気のある通りだったそうだが、今はほんの数店舗の飲食店、雑貨店などが点在するのみとなっている。

通り沿いでは、地元の方が魚を捌いているのをよく見かける。たいていそこにはおこぼれを待つ猫の姿もある。

商店街の中ほど、かつては「八百年」という名の八百屋さんだった空き家を利用して「淡路島ハイボール」という酒場が開かれている。

「淡路島ハイボール」は、銭湯に詳しく、「さいろ社」という出版社を営む松本康治さんが発起人となって開かれた場で、この商店街に古くからある「扇湯」が好きで通っていた松本さんが、さびれてゆく商店街を少しでも盛り上げようと考えてスタートしたものだ。
毎週土曜のみ、2年半にわたって運営されてきたが、2020年の12月末をもって終了することに。今日私が淡路島へやってきたきっかけも、「淡路島ハイボール」で最後に一杯飲みたいと思ってのことだった。

はちみつに漬けこんだ淡路島産のレモンを贅沢に使い、「ホワイトホース」のウイスキーで作られた名物のハイボール。

この店は食べ物の持ち込み自由というルールで、岩屋商店街に点在する飲食店からテイクアウトしてきたものを食べながらお酒を飲むことができる。そのようにして地域のお店を盛り上げようという考えあってのことだ。
岩屋商店街沿いに「マイマート」というスーパーがあって、「そこの鉄火巻きがすごいんだよ!」とこの店の常連さんに伺ったことがあったのだが、これまで何度「マイマート」をのぞいても鉄火巻きはいつも売り切れてしまっていた。それが今日はひとつだけ売れ残っていたのだ。なんという幸運。


鉄火巻きのうまさ、そしてそこに合わせた淡路島ハイボールのうまさを忘れまい。到底食べ切れない量だったので常連さんにお裾分けする。するとまた別の常連さんから神戸の「中畑商店」でテイクアウトしてきたというホルモン串が振る舞われたりして、こういう思いがけないやりとりが楽しい場だったなとつくづく思う。

発起人の松本さん、今までお疲れ様でした。「岩屋周辺を盛り上げるためにまた別のかたちでがんばろうと思っています」とおっしゃっていた。

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