買い物も投資も、選挙みたいなもの。投資家のバンドマンが考える、くそ笑える未来のつくり方

2020.8.16

コーラを手作りするのは、くそ笑える未来のため

ゴミとして出たペットボトルをベコベコ潰すたび、その音と感触が地球への罪悪感のようなものをかり立ててくるときもある。日本のペットボトルのリサイクル率は84.6%らしい。かなり有効活用できている気もするけど、そもそも年間62.6万トンも使っているわけなので、少なくとも9.6万トンは使い捨てられている(PETボトルリサイクル 年次報告書2019)。

自分の財布に入っているお金は、自分を信じてくれる読者や編集者や出版社から集まったお金だ。そういう意味では、とても大事な宝物である。この宝物たちをどう使うかによって、街も生活も構築されていく。自分が使ったお金がどこに流れ、そこでなんの役に立っていくのかということを大切に思いながら生活していけば、好きな店や好きな商品が残っていって、未来はもっと楽しくなるはずだ。そう信じている。

「よい物」よりも「売れやすい物」ばかりが売れていて、「売れることが正義」という考えが当たり前になったコンビニだらけのこの街で、俺たちはコーラを手作りし、抵抗の意を表明するのだ。今日はその試作。

手作りコーラの試作品

自作のコーラはその日の天気やお腹の具合に合わせて味を調整できるし、大量に作れる割にはゴミが少ない。それに、なんだかわからない素材は使わないからお金の流れが想像しやすい。好きなお店でスパイスを買えば、売上の大半はお店と農家と輸送業者に分配されるはずだ。もし俺が買わなくてもほかの誰かが買うかもしれないけど、買い物を選挙と考えるなら、自分の1票は好きな店に入れたい。

街は人間工学で計算し尽くしていて、無性に入りたくなる店や、なんとなく買いやすいパッケージの商品ばかりが並んでいる。でも、少し掘(ディグ)れば、よりよい店や商品はいくらでもある。俺たちディガーは、掘るのが大好き。市販のコーラが並ぶスーパーも便利かもしれないけど、せっかくなら香辛料が好き過ぎてなんでも知ってるスパイス屋のおやじや、季節で味の変わる製糖工場、無農薬で皮ごと使えるレモンの農家なんかと一緒に未来を迎えていきたい。

自分のお金がそのために役に立ってくれるなら少しくらい値段が高かったりお店が遠かったりしても構わないし、賞味期限が短くてもいい。何回でも買いに行けばいい。

お金の使い方だけじゃなくて持ち方にも同じような要素がある。くそみたいな銀行に預けるよりも好きな会社の株にしておくほうが、自分好みの未来を獲得するために、いくぶん役に立つはずだ。

そういう意味で、自分にとって投資は未来を選ぶための欠かせないツールになっている。

自分のためにお金を増やすことだけが「投資」の目的ではない

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