企業からの注目
『バーチャルマーケット』や『ComicVket』は、数多くの企業からの協賛がある。たとえば『バーチャルマーケット』はソフトバンク、セブン&アイ・ホールディングス、パナソニック、Netflix、TOHOシネマズ、セガ、三越伊勢丹など、あらゆるジャンルの企業出店があった。「パラリアルトーキョー」という東京を模したVRワールドに、日本HPはブースの横に等身大機動戦士ガンダムを、ベネリックは等身大ウルトラマンを設置し、話題を呼んだ。
『ComicVket』にはとらのあな、ゲーマーズ、ドスパラ、K-BOOKS、らしんばん、壽屋、書泉ブックタワーなど、秋葉原文化に欠かせない企業、ショップが参加して、企業ブースに並んでいる。
VR空間での体験に数多くの企業が価値を見出し、そこでしか得られないものを全力で楽しみながら制作し、広報している様子が見られる。企業が多く参加すれば、それだけVR上でのイベントが知られていくチャンスが増える。同人創作と企業広報のwin-winな流れがいい具合にでき始めている。
よりわかりやすく、参加しやすく
『バーチャルマーケット』はPCだけでも入れる、という敷居の下がり方はあるものの、それでもPCスペックが要求されたり、操作がわかりづらかったりと参加の壁が高かった。現在では有志が積極的に「VRChat」の使い方を解説しつづけている。
『ComicVket』『MusicVket』が「cluster」と「STYLY」で参加できるようになったことで、VRイベント参加の難易度は格段に低くなった。
「VR法人HIKKY」のメンバーはVR空間でのイベントを数多く行ってきた。回を重ねるごとに、操作や見せ方など細かい部分への配慮がより一層行き届くようになっている。初心者への間口は、わかりやすさ使いやすさを発展させることで、広くなった。こだわる人たち向けには、より深くVRの世界を楽しめるようギミックやワールドの作り込みが練られている。
まずは興味本位で構わないので、イベント会場に入ってみてほしい。買ってみたい、という気持ちが少しでも出てくれば、その感情の中に今のコロナ禍で苦しんでいる文化を救うヒントが見つかるはずだ。
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