ひきこもり入門、芥川賞・直木賞予想ほか<今週のおすすめ記事>

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文=谷地森 創


QJWeb編集部が本気で読んでほしい記事をピックアップする「QJWeb 今週のおすすめ記事」。今週は、QJWebの芥川賞・直木賞の受賞予想が見事的中、約20年前のつんく♂さんインタビューがWEBに復刻など盛りだくさんです。それでは、「QJWeb 今週のおすすめ記事」をお届けします。

今週のおすすめ記事

ハイバイの岩井秀人さんがひきこもり体験を軸に自身の半生を振り返る「ひきこもり入門」。第2回は岩井さんの少年~思春期時代の話が中心です。暴力を振るう父の存在、自分自身も他人に暴力を振るってきた少年時代、「他人」に恐怖を感じるようになったきっかけとなる出来事などが語られる前編。
後編では、常に「他人」と過ごさなければならない状況で感じた強烈なストレスと、集団の中にいるからこそ強く感じる「孤独」などが具体的なエピソードと共に描かれています。

前編で、少年時代の岩井さんは「しまちゃん」という友達を殴ってしまいますが、すぐにしまちゃんに殴り返されます。このとき、岩井少年は突然、「他人にも『感情』ってあったんだ!」と気付かされるという非常に印象的なエピソードなのですが、私はこの岩井少年と同じ状況になった(であろう)友達の姿を見たことがあった、と不意に思い出しました。

私が小学生のころ、その友達はふざけてまわりの友人にしょっちゅう「つねり攻撃」をしていました。本人は遊んでいるつもりだったと思いますが、彼はなかなか力が強く、めちゃくちゃ痛かったのです。やり返そうにも単独では歯が立たないということを子供心に察知していた私たちは泣き寝入りするしかありませんでした。

しかし、ある日、何かの拍子で、今までつねり攻撃を受けてきた全員が一斉にその友達に復讐を試みました。殴る蹴るではなく、全員が彼がやってきたのと同じ「つねり攻撃」でやり返していたのを覚えています。
突然大人数に反撃された彼は、みんながいた教室から走って逃げました。その後、なかなか戻ってこないので、様子を見に行ったところ、階段の手すりに手をかけて、じっとしていました。こちらからは彼の背中しか見えなかったのですが、泣いているように見えました。

あのとき、友達はまさに岩井少年のように「これまで自分が無意識にやってきたことが、みんなの中には残っている」(『前編』3ページより)と感じていたのではないでしょうか。人生の決定的な瞬間を感じさせるような背中でした。そんな思い出が、岩井さんのお話で蘇りました。素晴らしい記事です。ぜひ、読んでください。

すでにツイッターなどで大好評、すゑひろがりずのロングインタビュー。おふたりの苦労をこの記事で初めて知りましたが、M-1での大爆発までの長い道のりを思うと、本当に泣けます。『金スマ』のオードリー回でも思いましたが、ネタの型(スタイル)が出来ていくまでの話にはとても感動しました。一気にファンになりました! 

音楽の素晴らしさ、色合い・光など画面の美しさ含め、とにかく斬新な映画体験でした。39曲もの劇伴楽曲、4つの画面サイズが物語の進行に合わせて使い分けられる演出など、本記事では、その斬新さを生む仕かけ、シュルツ監督の才能がいかほどのものか、スマートに解説されています。本気で観てほしい映画です。

芥川賞・直木賞共に、マライさん&杉江さんの予想が的中! これはすごい確率なんじゃないでしょうか……。特にドイツ人のマライさんの視点から見た日本文学の捉え方がとても興味深かったです。どの本もすぐに読みたくなるような講評でした。「破局」と「首里の馬」をまず読んでみたいと思います。

小川たまかさんの小池百合子評は、花柳界のシステムや思い出を通じて語られました。小池百合子は「料亭の女将(おかみ)さん」だというのです。じゃあ、その「女将さん」とはどんな存在なのか、あまりイメージがつきにくい人はぜひ、この記事を読んでみてください。普段の小川さんのクイックジャーナルとは内容も文章のスピード感もちょっと違い、ある種のペーソスを感じました。そこがとても素敵でした。

クイック・プレイバック

2000年当時の『クイック・ジャパン』編集長・北尾修一さんが、「つんくとは実際のところどんな人物なのか」を解き明かすために行なった、ヨーロッパ同行ルポ&インタビューが20年の時を超え、QJWebに蘇りました。個人的には、つんく♂さんを尊敬するようになったきっかけの記事です。何度読み返しても感動があります。
(本記事は、2000年12月1日に発売された『クイック・ジャパン』Vol.34掲載のインタビューを転載したものです)。

「QJWeb 今週のおすすめ記事」は以上です。これからもQJWebをよろしくお願いします。


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