空気階段の並々ならぬ単独への想い「息子のような存在」

2023.8.28

文・編集=佐々木 笑 撮影=TOWA


『キングオブコント2021』で優勝後、若手の超実力派コント師として名を轟かせた空気階段。その人気は今もなおうなぎ登りで、現在全国で開催中の第6回単独公演『無修正』は、動員数2万人を超えている。

本取材の前編では、ふたりがどれほど単独を大事にしているか、どう向き合っているか、今作の話、目標など、“空気階段と単独”について聞いた。

空気階段(くうきかいだん)
鈴木もぐら(すずき・もぐら/1987年生まれ、千葉県出身)と水川かたまり(みずかわ・かたまり/1990年生まれ、岡山県出身)によるコンビ。 2012年結成、吉本興業所属。『キングオブコント2021』王者。

自分たちの軸「単独」は「息子」みたいなもの

──空気階段さんの単独は年々動員数も増えて拡大していますが、単独を自分たちの軸にしていくと決めたのはいつごろですか?

もぐら 僕は第1回目だと思います。

かたまり うん、僕も第1回目からだと思いますね。というより、単独を軸にしていくっていうのはコンビ組んだ当初からずっとそうでしたね。だから、第1回はずっとやりたかった単独がようやくできたっていう感じでしたね。

──コント師の方の単独って、どれぐらい前から取りかかるものなんですか?

かたまり 去年の第5回はスケジュール的に厳しくて1カ月前とかになったんですけど、それ以外だと僕らはだいたい3カ月前ぐらいから始めますかね。

──漫才師の方の単独だと、当日の朝に台本渡されたみたいな話も聞いたことがあるんですけど、コント師の方ってどのくらい練習するものなのか気になります。

かたまり 単独ではあんまり「これはもうみっちり練習したな」っていう感覚になったことがないのでわかんないですけど、単純にコントだと、音響とか照明のきっかけがあるんで、間違えたらスタッフさんも混乱するんで、まずそこのミスがないようにまで持っていくっていうのはあります。たぶんそこが漫才と違うのかな。

──なるほど! おふたりどちらのほうが“練習したがり”だとかってありますか?

もぐら どうですかね? 僕は稽古が全然苦じゃないんで、本読みとかもやりますね。

──おうちなどでも?

もぐら 家でもやりました。やっぱり入んないんだよねぇ……やんないと。やっても飛ばしたりしますからね。

鈴木もぐら
鈴木もぐら

──もぐらさんはクズ芸人といわれることも多いですが、そこはすごくマジメなんですね。

もぐら クズ芸人っていうのも、マジメに競馬とパチンコやってただけなんで。マジメにやってたらまわりからそういう風に言われ始めちゃっただけで。

──あのクオリティのネタを作るには、裏ですごく努力してるからなんだなと改めて思いました。

もぐら いやいや、競馬だってレースに向けて1週間前ぐらいから調教情報見たりとかしますよ。

──マジメですね(笑)。コントにおけるもぐらさんのキャラクターって本当に大事だと思いますが、かたまりさんは、もぐらさんにどのくらいキャラクター作りの指示をされてるんですか?

かたまり あ、全然ないですね。

──もぐらさんが一発でやったものは、だいたいかたまりさんの思い描いてたもの?

かたまり そうですね、はい。

──それって素晴らしいですね。

かたまり そこはもう各々で考えた感じでって感じですね。

──順番をつけるものではないとは思うんですが、過去6回の単独でおふたりそれぞれが思うお気に入りの回ってありますか?

もぐら えぇ~!? いや、難しいなぁ……。それぞれに思い出はあるんですけど……。

──では、尊敬してる人に1本だけ単独を観てもらえるとしたらどれにします?

 もぐら えぇ!? 全部観てほしいな、俺は。もし時間あるなら第1回から観てほしい。それぞれ好きなんですよ、全部。長男から六男って感じですねぇ。本当にそれぞれによさがあるんで。

──この質問、自分の子供たちに順位をつけてと言われているようなものですよね。

かたまり そういう感覚ですね。なんとなく、このときはこうだったなみたいなのはあるんですけど。

もぐら「単独期間中はほっといてくれ」

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佐々木 笑

(ささき・えみ)1996年生まれ。宝島社ムック局編集部のち、フリーランスの編集者・ライター。笑と書いてエミ読みます。本名通りお笑い大好き人間に育ちました。『フワちゃん完全攻略本』『#麒麟川島のタグ大喜利』『KOUGU維新 公式本で、イザ参ラン!』(すべて宝島社)など。アイコンは川島さんに描いていただ..

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