TAKAが明かすCUBERSでの活動のすべて「夢のような時間だった」

2024.2.21
TAKAが明かすCUBERSの活動で印象に残っていること「夢のような時間だった」

文=坂井彩花 撮影=山口こすも 編集=森田真規高橋千里


2024年3月31日をもって解散することを発表しているCUBERSの“これまで”と“これから”が詰まった書籍『CUBERSメモリアルブック ~ポップデジタルタトゥー~』が3月15日に発売される。

メンバー5名のソロとグループで合計5万字以上のインタビューが収録されている『ポップデジタルタトゥー』から、ここではTAKAのソロインタビューからごく一部を抜粋してお届けする。

※本稿で掲載したインタビューや写真は制作中のものとなり、『CUBERSメモリアルブック ~ポップデジタルタトゥー~』の内容とは一部異なる可能性がございます。あらかじめご了承ください

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すべてが新鮮で楽しかったインディーズ時代

CUBERS TAKA

TAKA 印象に残っていることは……求められている答えじゃないかもしれないですけど、一番を選べないくらい、僕にとっては全部が本当に印象深いっていうか。この世界は初めてのことだらけで、最初から最後まで夢のようでしたね。今は当たり前のことでも、来年度からは「あ、夢のような時間だったんだな」って思い返すような気がしていて。何かひとつのことが印象的だったというより、僕にとっては全部が印象的だった。だって、抜きん出ていることがないですもん。ミニライブさえもちゃんと毎回楽しかったし、大変なことは大変なことでそれも思い出深いし。全部が大事な思い出ですね。1個は挙げられないな。

TAKA そうっすね。解散発表するまではまだ夢や目標に向かって突き進んでいた部分があったんですけど、解散発表してからは気持ちに大きな変化があって。結果的には、変わらずそうした夢や目標に向かっていく気持ちが半分、それと今まで過ごしてきた時間を愛しく思えるようになったんですよね。みんなと話し合って、ファンのみなさんへ感謝の気持ちを伝える期間を長く設けて、本当によかったなと思います。発表してからすぐに解散だと、今こうやって抱いている気持ちを知らないまま、気づけば終わってしまっていたような気がするので。おかげですべての思い出が愛おしく、メンバーやファンのみなさんとの時間を、より楽しく過ごせるようになりました。メンバーの誕生日も1回ずつ迎えることができましたし、本当にいい選択をしたなと思います。

TAKA CUBERSを始めてからメジャーデビューという言葉を知ったくらい(音楽に)疎かったので、インディーズ時代が長いとか短いっていう基準がよくわからなくて。9太郎はよく「焦ってた」って言うんですけどね。ぶっちゃけ僕は、興味本位で始めた活動だったから、すべてがすごく楽しかったんですよ。「こんな感じなんだ!」って新鮮で。楽しいからダンスも歌ももっともっとうまくなりたいっていう気持ちで、ずっとやっていました。たしかにグループが掲げる夢や目標を見据えると順調ではなかったんですけど、ちょっとずつ大きくなっていっている感覚があったので、特に焦ってもいなかったです。少しずつ階段を上がっていることに、やりがいを感じていたんですよね。だから、そんなに苦しい思い出ではないですね、インディーズ時代は。

CUBERS TAKA

TAKA ありましたね。「また新しい仕事が決まったよ」みたいな感じでお芝居の話もどんどん来ていたし、それによってファンの子たちも増えていったので。それに、CUBERSのライブがより魅力的になるきっかけをくれたのは、舞台『私のホストちゃん REBORN ~絶唱!大阪ミナミ編~』なんですよ。そこで僕に興味を持って、ライブに来てくれた子たちがいましたね。初期のCUBERSって「コール禁止」みたいなことをやっていて。ファンの子たちが全然声を出さない文化で、めちゃめちゃ静かな現場だったんです。でも『私のホストちゃん』でファンになってくれた子たちは、声を出してライブを盛り上げてくれた。LeadやX4、SOLIDEMOといったボーイズグループのメンバーがキャスティングされていた作品だったから、当時の僕らとは違うライブの楽しみ方を知っていたんでしょうね。それをきっかけに、グループでも「ライブってこういうもんだよね」って、みんなに声を出してもらうようなライブにどんどん変えていったんです。だから『私のホストちゃん』は、僕にとってもCUBERSにとってもターニングポイントのひとつ。そのときのファンの子たちは、今でも来てくれていますよ。この間の『LAST WINTER CUBERS “2015-2024”』にも来てくれていました。

TAKA そうですね。インディーズ時代は一個の発見とか一個の成長を積み重ねて、ステップアップしていく感じが楽しかった。だから、僕の中ではメジャーデビュー後のほうが苦労している感があります。メジャーデビューして携わる人の数も増えたし、夏まゆみ先生やつんく♂さんとか、すごい方々に制作に入ってもらって。でも、その人たちが見据えているものに追いついていないというか。自分たちに力が足りないと感じていた日々だったので、メジャーデビューしてからのほうがしんどかったですね。うまくいかないことだらけだったイメージです。

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ファンがいてくれたから輝けていた

TAKA 演劇で見る景色のほうが、いい景色はたくさんあったんですよ。CUBERSで見たことがないような景色も、たくさんあったので。その衝撃はすごかったけど、CUBERSってめっちゃ居心地がよかったんですよね。舞台のメンバーって、その先もずっと一緒にいる人たちではないじゃないですか。1作品につき1チームで、作品が終わってしまったら、次にいつ会うかわからない。シリーズものじゃない限り、同じ人が集まることなんてほぼないですし、キャスト変更もあり得る世界なので。一方で、CUBERSはずっと同じ5人でやってきていたので、帰ってこられる家みたいな感じだったんすよ。がむしゃらに外でがんばってきた自分が癒やされる、くつろげるところ。CUBERSをやっている時間で、心が休まっていました。CUBERSがなかったら、アップアップして押しつぶされていたかもしれないです。

TAKA 僕と同じようにグループ活動と役者を両立させている人たちは、みんな大変って言うんですけどね。たしかに体力的には大変だったんですけど、気持ち的には楽だったんですよ。CUBERSは常にサポートしてくれていたので。ずっと近くで見てくれていたメンバーだから、大変さもわかってくれていて、変にこっちが気遣う必要もなかった。だから、たぶん両立できたんですね。

TAKA 辞めたいなって思ったことはないです。今も辞めなくていいんだったら、辞めたくないし。今回の決定は、いろんなことを考えた上での苦渋の選択なので。言ってしまえば、本心じゃないんですよね。

CUBERS TAKA

TAKA 大事でした。何も考えなくていいんだったら続けますよね。なんの壁も立ちはだからないのであれば。メンバーそれぞれが思っていることがありますし、どうしてもいろんな問題があるので、年齢とか自分たちの状況とかもあるし、みんなの気持ちとかもあるし、本当にいろいろなことがあるんです。こういう選択になっちゃいましたけど。やっぱりいろんな人のことを考えちゃったんですね。そのいろんな人の中には「CUBERSのTAKA」も入っていますし。僕ひとりだけの感情で動いていいんだったら、続ける選択をしていた可能性は大きいです。

TAKA なんだろう……なんでも受け入れてくれる方々ってことなのかもしれないですね。失敗しても「それもTAKAだから」って。過保護とは、またちょっと違うんですよね。どんなあり方も、どんな状態になっても、受け入れて応援してくれる方々なイメージ。だから、すごく支えになっていたし、やりやすかった。ずっと助けてもらってきているなって感じです。自分が一番生き生きしていると思う瞬間って、ファンのみなさんが喜ぶようなことを考えたり、やったりしているときなんですよ。そのときが、一番前のめりだし、しっかり輝いていた。ファンがいてくれたことによって、僕はステージのいろんなところで輝けていたんですよね。みなさんの存在が、僕を導いてくれていた。ファンのおかげでいろいろ成長できたと思いますし、みなさんに変に気を遣っていたというより、喜んでもらおうと思って動けていたので、いい関係性だったなと思っています。

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『CUBERSメモリアルブック ~ポップデジタルタトゥー~』表紙・裏表紙

タイトル:『CUBERSメモリアルブック ~ポップデジタルタトゥー~』
発売日:2024年3月15日(金)
定価:4,400円(本体4,000円+税)※送料別
仕様:B5判/80ページ
販売:QJストアAmazon(特典なし)
予約ページ:https://qjweb.myshopify.com/products/cubers
発行:太田出版

※発売日や仕様などは変更の可能性があります
※発売日が商品の到着日ではありませんのでご了承ください
※現在、一般書店での販売は予定しておりません
※第三者への転売、オークションでの転売等は禁止致します、ご了承ください

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坂井彩花

(さかい・あやか)1991年、群馬県生まれ。ライター、キュレーター。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。『Rolling Stone Japan Web』『Billboard JAPAN』『Real Sound』などで記事を執筆。エンタテインメントとカルチャーが..

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