<平本蓮 vs YA-MAN>ガチの因縁試合で「お前いつかぶっ飛ばす!」激しく罵り合うふたりの歴史を解説(神宮寺しし丸)
2023年12月31日に開催される総合格闘技イベント『RIZIN.45』。大晦日の恒例行事として、激戦必至の対戦カードが並ぶ中、ひと際注目を集めているのが<平本蓮 vs YA-MAN>の試合。ふたりはなぜ、SNSやYouTubeで激しい舌戦を繰り広げているのか?
格闘技通のお笑い芸人として知られる神宮寺しし丸が、注目の対戦に至る背景を解説する。
きっかけは朝倉未来の敗戦
試合前にSNSで煽り合い、会見では罵り合い、時にはつかみ合いになる。そうして生まれた因縁が試合の注目度を上げる。そんな光景がもはや定番化してきた格闘技界。大晦日に行われる<平本蓮 vs YA-MAN>のカードは、そんな“因縁試合”の決定版ともいえる。ただし、この試合がほかと違うのはその因縁が「ガチ」だということ。
2023年に実現が期待されていた注目カードといえば<朝倉未来 vs 平本蓮>である。しかし、平本蓮は4月の試合に負け、朝倉未来も7月と11月にまさかの連敗となり、結果ふたりの対戦は実現しなかった。
朝倉と平本の因縁はコチラの記事で解説しています。
その朝倉未来を11月の試合で倒した男こそ、YA-MANだ。朝倉を相手にKO勝利をしてマイクを握ったYA-MANは「平本、バーカ! お前いつかぶっ飛ばすからな!」とリングサイドで観戦していた平本蓮に言い放った。
きっかけは、<朝倉未来 vs YA-MAN>の試合が発表される1カ月ほど前。YA-MANはSNSで朝倉未来を煽ることで、試合を盛り上げようとしていた。
一緒に練習をする仲だったのに、突然すぎるYA-MANからの絶縁宣言。この不自然な投稿を“SNSモンスター”平本蓮が見逃すはずがなかった。
その後、平本蓮の予言どおり<朝倉未来 vs YA-MAN>の対戦が正式発表。この“予言”という名の「情報暴露」について、YA-MANは試合後に怒りを露わにする。
今回の朝倉未来との試合前に、予言とか台本どおりとか。あいつのせいで今回の試合の期待感、マジで薄まったと思うんですよ。(中略)Twitter(X)のコメントとかも茶番とか台本どおりとか……。
朝倉未来戦後のYA-MANインタビューより
改心?からの「普通にきめぇからぶっ飛ばしたい」
YA-MANとしては、「試合前に相手を煽る→注目度を上げる→試合する」という現在の格闘技界の定番をやったに過ぎない。ちゃんと仕事をしていただけ。それを「暴露」によって台なしにされた。「朝倉未来戦は事前に決まってたよ! 盛り上げるために煽ったんだ!」とは言えるはずもく、この「業界ルール違反」にブチギレ。
あいつはマジでぶっ飛ばしますよ。これは冗談抜きで。リングじゃなくてもいいですよ。本当にムカついているんですよ。けっこうガチで。歌舞伎町で会ったらぶっ飛ばしますよ。
朝倉未来戦後のYA-MANインタビューより
ここからふたりのSNSでの煽り合いはエスカレート。そして『RIZIN』大晦日の舞台で対戦が決定した。その発表記者会見で、SNSではなく直接ふたりは対峙することになる。
YA-MAN
<平本蓮 vs YA-MAN>対戦発表記者会見より
お前、本当にリングでやれてよかったな。街中で会ったらぶっ飛ばそうと思ってたからな。
これに対し、平本蓮はまさかの「煽り終結宣言」をする。
平本蓮
<平本蓮 vs YA-MAN>対戦発表記者会見より
今日は本音をみなさんに語ろうかなと思って。俺は20歳のころにK-1にいて、そのとき将来がすごく不安で、それでK-1を抜けて、格闘技がもっと盛り上がることをやっていきたいと思ったときに、(中略)本当にそのタイミングで朝倉未来が現れて。こんなおもしろい選手を待っていたというか。変な話、アイツのおかげでMMA(総合格闘技)始めたみたいなもんなんですよ。
自分で話題を作っていって、もう少しで(朝倉未来との)勝負がつかめるかもってときに斎藤裕選手にスプリットで負けて。ホント今年の夏に腐ってたというか、鬱病みたいになって。(中略)そんななか、朝倉未来がYA-MANにああいう結果になって。
すごい自分の中で悲しくなってしまったというか。煽り合いも、もういいなと思ったんで。これからはホントに自由に闘っていこうと思います。絶対に朝倉未来とは試合したい。ここで勝てば、来年自ずとアイツとの試合も見えてくると思うんで。
YA-MANも強いと思うし、厳しい試合になるかもしれないですけど、絶対俺のほうが覚悟の違いがあるんで、絶対勝ちます。応援よろしくお願いします。
朝倉未来への愛の告白もあり、平本ファンで埋められた会場は平本絶対応援ムードで盛り上がる。
YA-MAN
<平本蓮 vs YA-MAN>対戦発表記者会見より
みんなね、騙されてるだけ。
平本蓮
僕はいろんなところに噛みついて、とにかくアクションを起こして、試合の注目を集めたい。間違ったこともしたかもしれないです。でも、もうそんなんしなくてもみんなが俺の試合を楽しみに見てくれているこの状況、みんなが俺のことを待ってくれているってわかったから、そういうのいらないなって。
しかし、このあとに収録されたであろう『RIZIN』公式のYouTube動画内で、平本蓮は悪びれることなくこう言い放った。
平本蓮
『RIZIN CONFESSIONS #139』より
(YA-MANは)普通にきめぇからぶっ飛ばしたいだけ。
YA-MAN
(試合後に)ノーサイドとかマジねぇよ。
SNSで煽り合い、手っ取り早く因縁を作り、試合後には笑顔で握手し、YouTubeで仲よくコラボまでやる。そんな「インスタント因縁試合」にうんざりのあなた! この試合は近年絶滅危惧種といわれている「ガチ因縁試合」です!