クイズ作家たちが語る伝説的な問題とエピソードに劇団ひとり「やっぱ井森さんってすげえな(笑)」(午前0時の森)

てれびのスキマ

テレビっ子のライター“てれびのスキマ“が、昨日観た番組を記録する連載「きのうのテレビ」。バラエティやドキュメントの中で起こった名場面、名言、貴重な会話の数々を書き留めます。2020年から毎日欠かさず更新中。

『午前0時の森』(8月21日放送)

クイズ作家の矢野了平、日髙大介、近藤仁美、壮庭回を招いて「クイズ作家が感動した究極の名作クイズ」を紹介・解説するという企画。「毎月22日はショートケーキの日という記念日になっています。なぜ?」という有名な雑学問題を例に出し、いいクイズの条件を①問題のわかりやすさ、②答えが知りたくなる、③納得感、④誰かに出したくなる、と解説。

彼らが挙げるのはどれも良問だが、特に、壮庭が挙げた「“豆”はあるけど“種”はないで始まるあるなしクイズ」の革新性や、矢野が挙げた『今夜はナゾトレ』で松丸亮吾が作ったという、『半円の矢印の図形の下に「【A】ずむのは【B】」と書いてあり、AとBに入る反対の意味の言葉は?』という問題の美しさに痺れる(※図形が太陽の動きを示しており、答えはA=ひがし、B=にし)。

後者について矢野は「それまでのひらめきクイズはなぞなぞっぽかったり言葉遊びで強引だったりしたんですけど、謎解きっていうジャンルってチケットを売ってお金を払って参加していただくので、完成度にものすごくうるさい。そのなかで彼らが作った問題をテレビで出したときに僕らがショックを受けるくらい完成度が高かった」と「謎解き」という新たなジャンルを作ったと解説。

日髙が挙げた『クイズ$ミリオネア』で唯一、1問目で間違えた伝説のクイズ「次のうち、のどから実際に出るものはどれ? A:手、B:火、C:星、D:声」もよかった。正解だけがクイズのおもしろさではないことを示した問題だと。この問題を「A」と誤答したのが井森美幸。劇団ひとり「やっぱ井森さんってすげえな(笑)」。

『刺さルール』(8月22日放送)

ウエストランドの「怒られすご録」。まず『いいとも!』時代のエピソード。河本は本番にはギリギリ間に合ったが遅刻したという。本番終了後、タモリに謝りに行ったら「本番まで遅刻しないとおもしろくないだろ」と粋な怒られ体験。しかも、その日は河本の誕生日で祝われてしまったそう。

「爆笑問題・田中の怒り」というエピソードでは、事務所で若手が集まってクイズをやっていたときに、『TV Bros.』での紙粘土連載を作り終えたクイズ好きの田中が参加したときの話。

「『DEPARTURES』が海外向けタイトルの邦画はなんでしょう?」という良問に、田中は無言で長考。その間、「出発・旅立ち」を意味するので井口は『男はつらいよ』と解答し、「違うけど、そういう感じです」となると、田中は『鉄道員(ぽっぽや)』と誤答。「ぽっぽやなわけない」と井口にイジられつつ、再び長考。正解(『おくりびと』)を導き出す。すると「お前、ぽっぽやのことバカにしてきただろ?」とキレ始め、粘土をおもむろに持って、壁に投げつけたそう。スタジオは怖い怖いと騒然。せいや「俺らギリギリの人と収録してる(笑)」。

このエピソードを回想して再び怒りが湧いてくるのも含めて、田中らしい怒りのトリガーでおもしろい。

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  • 【連載】きのうのテレビ(てれびのスキマ)

    毎夜ライフワークとしてテレビを観つづけ、テレビに関する著書やコラムを多数執筆する、てれびのスキマによる連載。昨日観た番組とそこで得た気づき、今日観たい番組などを毎日更新で綴る、2023年のテレビ鑑賞記録。

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てれびのスキマ

1978年生まれ。ライター。テレビっ子。著書に『タモリ学』(イースト・プレス)、『1989年のテレビっ子』(双葉社)、『笑福亭鶴瓶論』(新潮社)、『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』(文藝春秋)など。

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